ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

神鬼芸術

2010-11-05 07:14:21 | World Music
 コンディショングリーンのギタリスト<シンキさん>。その後<神鬼>の名前で活躍されています。神鬼さんは、1985年に京都へ行き、臨済宗大本山妙心寺龍泉庵で修行をされ、そして今回紹介させていただくソロアルバム「神鬼芸術」を自主制作されたそうです。このアルバムの評判は沖縄旅行をされた音楽ファンのあいだで徐々に広まって、2008年にメジャーレーベルから発売されたそうです。このアルバムでは神鬼さんがギターと太鼓を、川端美和子さんがピアノを演奏されています。
 アルバム1曲目は「戯れ」。洞窟に水滴が垂れるような音からはじまって、ガットギターの清清しいたおやかな音色がおだやかにながれて。リズミカルに明るく楽しく軽やかになったり、チャイナ風メロディになったり。そしてテクニカルに徐々に盛り上がっていって激しくパワフルに。中盤ではちょっと落ち着いたブルージーな感じで力強い音色を聴かせてくれ、徐々にしっとりとしたどこか懐かしいような曲調に。
 2曲めきれいなは「紫の雨」。瑞々しく綺麗なギターコーラスサウンドでゆったりと優雅にはじまります。どこかチャイナ風メロディのような感じがしますね。メインリフがずっと続くんですけど聴いていてちっとも飽きないんですね。終盤ではアップテンポになって明るく華やかにテクニカルに、そしてパワフルに。ラストは元のリフに戻ってゆったりと優雅にFin。
 3曲目は「てぃんさぐぬ花」。同タイトルの沖縄のわらべ歌をモチーフにされたそうです。ベース音が響き、その上を華やかな音色がゆったりと美しくながれて。沖縄の白い砂浜と青い海が目に浮かんできそうです。沖縄に行ったことないですけど。中盤ではテンポアップしてパワフルにリズミカルに盛り上がって。そして再びゆったりと心地よいサウンドがおだやかにながれます。
 4曲目は「津軽」。ミドルテンポのダークで力強いリフからはじまります。極寒のなか、黙々と力仕事をこなすような“男”を感じるような曲調ですね。中盤からはギターだけでさえ力強さを感じていたのに、さらにパワフルな太鼓が加わってド迫力で展開していきます。終盤にはテクニカルなギターソロも。
 5曲目は「哀しみのターキー」。ゆったりとブルージーかつムーディにはじまります。ピアノのコード演奏をバックにギターが自由に弾きまくって。夕暮れの海辺でカップルが寄り添っているような光景が目に浮かんできそうです。とっても素敵な曲ですね。
 6曲目は「祈り」。パワフルで幻想的で中近東風の妖しいサウンドが響き渡って。太鼓も加わってアップテンポで力強く激しくスリリングに展開していきます。トランス状態に陥りそうな激しく踊る民族宗教儀式のハイライト的な雰囲気も感じます。もの凄い迫力ですね。終盤一旦フェードアウトするも再びフェードインして盛り上がって、ラストじゃ「ヘイ!」て掛け声でFin。
 本来のアルバムはこの6曲だったそうですが、2008年発表のこのアルバムにはボーナストラックとしてあと2曲収録されています。
 7曲目は「ブライトチルダイ」。ここではエレキギターサウンドがタップリと楽しめます。ブルーズベースのアップテンポのリフをバックにエモーショナルなギターソロがたっぷりと。でも2分しかないんですけど。 8曲目は「混迷の泉」。これもエレキギターの曲でアップテンポのパワフルなギターリフからはじまって、哀愁漂うギターのメロディアスなソロがたっぷりと。中盤からは激しくエネルギッシュなリフからアグレッシブに弾きまくって。めっちゃかっくいいっす。

 当初このアルバムを買う前にあちこちのサイトで評判を調べたんですけど、ギター1本での演奏って書いてあったので、自分の好みとはちがうかもしれないと思って購入を躊躇してたんですね。でもコンディショングリーンのアルバムをあらためて聴いて、やっぱりシンキさんのギターを聴きたいと思って購入したわけですが・・・
 たしかに太鼓やピアノがアクセント的にちょこっと入るものの、アルバム本編の6曲はガットギターのみなんですね。しかも8分くらいの長い曲が何曲もあるのに、プログレのような複雑な構成などほとんどないのにアルバム通して聴いても全く飽きないんですね。それどころかじっくりと聴き入ってしまいました。まさしく神鬼さんの“芸術”ですね。素晴らしいアルバムです。ボーナストラックのエレキギター2曲はロックしてて、これまたファンにはたまらないっす。いやぁ~、もっと早くこのアルバムを手に入れるべきでした。

 そうそう、このCD面には沖縄の宮古島と石垣島が描かれており、さらに“ARARAGAMA”という文字が。アルバムのライナーノーツによると、2つの島は島に眠る先祖の魂に感謝をささげておられるそうです。そしてアララガマとは宮古の方言で「何くそ!」って、困難があってもへこたれないで頑張れる生命力を表わしているそうです。

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