満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

ダモ鈴木 大阪公演 special guest マジカルパワーマコ  7/24  

2014-06-03 | 新規投稿
           ダモ鈴木 大阪公演 special guest マジカルパワーマコ  7/24  
          

 
心斎橋のレコードショップ○か×にフライヤーを持っていき、足を踏み入れた瞬間、店主が「future days」を持っていた事を前回、書いた。昨日は京都のライブバー、パーカーハウスロールに同じくフライヤー持参すると、中でたむろしていたミュージシャンに「さっきfuture days聴いてたところや」と言われる。ウルトラビデなどに参加し、京都のシーンでは重要なドラマー千馬木氏であった。ここでも「future days」がでた。カンの最高傑作と言われるこのアルバムをしかし長い間、それほど好きではなかった。カンと言えばハンマービート、その直角なドラミングに乗る様々なフリーキーサウンドを愛好していた当時の私にとって「future days」のたおやかなエスニックアンビエントとも言えるチルアウト的サウンドは性に合わなかったのだと思う。しかし年月を経るにつれてその良さがわかってくるのもよくある事で今では「future days」は私のフェイバリットになっている。

このアルバムでダモ鈴木は抑制のきいたボイスパフォーマンスの充実度を見せつけ、以前のシャウトが鳴りをひそめた独自のボイススタイルを確立する。ジャケット裏には髪を切り、ヒッピー風のイメージを一新した新しいダモ鈴木がいた。奇声を発してスタジオを飛び出しそのままカンを脱退したのは次の「soon over babaluma」(74)の時だったのだろうか。エホバの証人に入信して音楽活動を中止したとの話も含めて学生時代の私や周りのカンマニアにとってそんなダモ鈴木のすべてが神秘的で興味深く、他の誰とも異なるパーソナリティーを有したヒーローだったと思う。ダモ鈴木が求める場所はどこだったのか。名声を勝ち得たグループのシンガーというポジションは少なくともダモ鈴木にとって意味のない事だったのか。多くのニューウェーブ世代以降に影響を与えたのは間違ってもそのボーカルスタイルなどではなく、存在性そのものの持つ陳腐な言い方かもしれないが、精神だったのだろう。その自由という人間が努力してもなかなか勝ち得るのが困難なものをダモ鈴木は体現した。私は7/24のライブでそんなダモ鈴木の精神の一端に触れられたらと思っている。
 

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