知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

健康管理の難しさ

2009年07月28日 | Weblog
先日、利用者の方がひとり入院しました。


元々、この方は持病を持っておられて、職員側も常に健康管理には注意していました。が・・・

まだ若い方で、元気なのですが、過激な運動は控えた方がいいということなので、作業のほうも、比較的軽度な屋内作業に取り組まれています。(そう、高齢者の方と一緒になります)


問題は、この方「言葉」がないので、「痛み」や「辛さ」や体調の変化を訴える方法が少ないのが問題です。常に職員が状態を観察して、変化があればバイタルチェックを行うということをしてきました。

今回も、特に大きな変化はなかったのですが、定期的な体温測定を行うと、37度なかば・・・。様子観察です。
その日の入浴時も(入浴前に)再度検温。37度前後。

暑い日だったこともあり、またこの日はシャワー浴だったので、簡単に入浴しました。
入浴後も、特に変化はなし。
状態観察のため、この日は数度の検温を行いました。

夕方に再度37度後半、しかし夕食後は36度後半・・・で、翌朝は37度後半・・・??この繰り返しだったため、一応通院に・・。(この間も、特に本人からの体調不良の訴えは見られず・・・本当に辛いときは寝てしまったり、身体を「くの字」に曲げたりします)

病院でも大きな変化はなかったのですが、レントゲン撮影を行うと、大変です!持病が悪化していました。即入院です。

点滴を受けながらも、本人は痛みを感じないのか?我慢してるのか?特に表情は変わらず・・・です。ときどき笑顔も・・??

この方、てんかんの発作が見られたこともあり、その薬は飲んでいますが、それ以外の精神薬は飲んでいません。だから、特に痛みに対して鈍化しているとかという状況はありません。



翌日、本人を病室に見舞うと、元気そうにしていました(この間も点滴はされています)。看護師さんも、「あまり痛そうな感じは見ませんね・・」とのこと。


そうです。問題は「痛み」等の訴えが、明確に分からないことですね。

今回は、この方の持病もあり、通院もしたために、早期の発見もありましたが、実際に普段元気でも、どこかに「痛み」や「辛さ」があり、それを表す方法を持っていない利用者の方なら、大変なことになります。


職員は、利用者の方の少しの変化も見逃さない観察力が必要ですね。今回、特にそう思いました。気をつけていきたいと思います。
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災害時の施設は・・・

2009年07月22日 | Weblog
昨日も豪雨のために、山口県の老人施設が大変なことになっていましたね。亡くなられた方には、ご冥福をお祈りいたします。


災害は本当に怖いです。

今回のような豪雨による災害、また地震による災害、台風によるものやもちろん火事もあります。



今日も、たまたま朝から避難訓練が行われました。(これは予定通りの訓練です)

基本的には、火事を想定して行っていますが、実際は今回のような災害の方が、対処方法としては難しい場合が多いと思います。



数年前に裏の山が豪雨のために一部崩れ、土砂が流れ込んできたことがありました。幸い、施設の建物までは達しなかったのですが、危険な場面を考え、その日は一晩、安全な場所で一夜を過ごしました。

利用者の方は、皆さん普段寝なれた自分の居室を出て、大きな部屋(30畳ほどあります)で20名以上が就寝したことがありました。大変な思いをしたことを覚えています。



最近は、そこまでの事象は起こりませんが、裏山が赤土なため、いつ再度起こるかは予想がつきません。火事に対する避難や消火訓練も、もちろん大切ですが、こうした災害に対する備え(職員側の心得や対策マニュアル等)を、常にしていかなければなりませんね。



思い返せば、阪神大震災の際も、神戸の方面の施設が大きな被害を受けました。うちの施設からも、数名の職員が応援に行きました。

地震は、その施設だけではなく、その地域すべてが被害に会います。ということは助けが必要なのは回り全部であって、その施設だけではなくなります。そうした場合は、出来るだけ自分の施設内で、対処出来ることも必要になりますね。


利用者の方は当然パニックに陥ることが考えられます。そのときは、職員は出来るだけ冷静に対応出来るように、常から心得ておくことも必要です(職員も一緒にパニクっていたら、目も当てられません)。



今回のニュースを見ながら、いろいろ考えてしまいました。




話は違いますが・・・
ちなみに、今日の皆既日食(施設の場所では、一部でしたが)は、残念ながら薄雲に隠されて、なんとか見えたかな?って感じでしたね。



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なるほど・・・

2009年07月18日 | Weblog
ちょっと自分自身が体調を崩してしまい、ブログもお休みしてました。この連休に回復したいですね。


夜勤体制も出来、利用者の方の夜のTV視聴も順調です。まあ、実際に見ている方は数名ですが、誰もいないとこれも寂しいかも・・・・です。最近、TV番組もあまり面白くなくなってきたのかもしれません。

ところが、ある事件が・・・


TVを観るところは、他の利用者の方の就寝の妨げにならないようにと、少し離れた場所にあります(と言っても、同じ棟内ですが)。夜の9時から10時まで、その場所で見ていただくんですが、その場所は、他のことにも利用されている場所でもあります。

実習生の寝泊り用、利用者の作業用、余暇活動用、また利用者の会合場所等です。あるいは、併設された調理室があり、ここで調理実習も行います。

そうなんです。調理実習用に置かれていた冷蔵庫が問題で、普段は調理しないものは置いていないのですが(調理実習時のみ準備)、たまたま残った飲み物(2リットルコーラ等)が入れられていて、これが事件に繋がりました。


TVを実に来ていた方は、比較的理解力の高い、問題行動も少ない方ばかりだったのですが、この夏季にかけて、ひとりの利用者の方が新たに参加を始めました。

この方は、夏季はほとんど就寝せず、夜間起きておられることが多く、また棟内を徘徊されることもあります。また、食べ物・飲み物にもこだわりが強い方なんです。
そう、職員もそれをうっかり気に留めなかったため、事件が起きました。


そう、その冷蔵庫から飲み物を全部飲んでしまったのです。(といっても、数本ですが・・)


最初は、その存在に気がついていなかったのか事件は起きませんでした。何かの拍子に思い出したのか?TVを観に来るようになって2週間目くらいでしょうか?翌朝に下痢になり便失禁されたのです(めったにないことです)。それで、なぜか?と原因を探るうちに発見されたのが、冷蔵庫の中の汚れ・・・と、捨てられたペットボトル・・・でした。


彼が飲んだんだ・・・(一緒にTVを観ていた方の証言もありました)


もちろん、本人の体調もこともあり、また管理上の問題もあり(これは職員が悪いです)、これ以降はその場所への立ち入り禁止になりました。

ただ、TVを見たい希望は禁止するわけにはいかないため、別の場所(職員の目の届く場所)で観てもらっています。


まあ、職員側の認識の甘さもあり、また管理上の不備もありました。


いい教訓ですね。


利用者の方の希望を聞いていくことと、管理をしっかりしていくこと、また利用者の方の状況も把握していくこと、いろんなことを同時に考えていかなくてはなりません。大きな反省です。


私も体調を整えて、来週はしっかり仕事に戻りたいですね。
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毎日入浴の始まり

2009年07月08日 | Weblog
例年、夏の暑い時期に合わせて、入浴日を毎日にしています。


基本的には、利用者の人数とお風呂の大きさによって、半分(隔日)に分けて取り組んでいるのですが、やはり暑さが厳しくなってくると、気持ちも悪くなり、また汗もかいてきます。そのため、7月の第1週目から2週目にかけて、毎日入浴を始めます。

今年は今日から始まりです。


もちろん、お風呂の大きさは変わらないため、時間をずらせて取り組むんですが、援助する側の職員は、終わるまではずっと援助が続くため、逆に汗だくになります。結構つらいですが、お風呂の終わった後の、利用者の方の笑顔を見ると、やっぱり毎日あるほうが気持ちいいもんね・・という感じがします。


職員体制の問題もあり、一日おきで湯船に湯を張ったり、シャワーだけの入浴と分けています。暑いときなので、皆さんあまり湯船につからないことも多いですね。
(女子の方は、結構湯船につかる人が多いそうですが・・)

特に、夏場に外で作業をされる方は、汗のかき方も多く、衣類も洗濯が必須ですね。


昼からは、ほとんどお風呂に時間が費やされますが、それでも全員が入った後は、のんびりした雰囲気があります。お風呂って、なんか疲れるんですかねえー?

終わった後は、エアコンの利いた屋内でごろごろ・・・


これが気分いいのかも?


さあー、みんなお風呂入るよ!
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七夕の飾りつけ

2009年07月07日 | Weblog
今日は、七夕・・・

先日から用意されている笹に、いろいろな飾りがついています。そして、今日もまた午後からの余暇活動で、利用者の方が様々な飾りや、願い事を書いた短冊を付けていました。

短冊の願い事は・・・?

「旅行に行きたい」「おいしいものが食べたい」「○○さんが好き」・・・
面白いですね。

中には自分の名前だけ書いて終わり・・・みたいな人もいます。

でも、気持ちはこもっているのでしょうね。


ある人は、10枚くらい短冊を渡すと、全部に「なつまつり」と同じことを書いていました。よほど期待しているのか?こだわりなのか?一応、時季は合っているので、きっと前者なんでしょう。


飾りが足りなくなったら、輪つなぎをしている人のを、ちょっと借りて飾りましょう。
実は、普段から熱心に輪つなぎに取り組んでいる利用者の方がいまして、(まあ自分から希望があった訳ではないんですが)何かに集中していないと、特異な行動が出る方なので・・・。

しかし、それでも1年中飽きることなく、輪つなぎに取り組んでいます。


ちょっと飽きると、自分のラジカセを聞いたり、そしてまた輪つなぎへ・・・

大量の折り紙(100枚単位で)を渡しておくと、自分で短冊状に切り、またそれをうまく適当な長さに輪つなぎしていきます。(糊も渡してあります)

一日ですぐにダンボール箱いっぱいになります。

捨てるのもしのびないので、こういう七夕や、また行事に使わせてもらっています。
なかには、職員が地域の行事に持って帰られることもあります。(でないと、結局捨てることになるので・・)


あれれ・・、七夕のことじゃあなくて、この方の紹介になってしまいましたね。


珍しく、夜はつかの間星を見ることが出来ましたが、この時期は難しいことが多いですね。(本当の七夕の時季は、旧暦では8月頃という話・・・)


皆さんの願い事がかないますように・・・
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動物が遊びに来ました?

2009年07月05日 | Weblog
今日、昼過ぎに、施設の中庭に一匹の(一羽って言うのかな?)野ウサギがやってきました。


おそらく、紛れ込んだのかな?と思って見ていると、中庭の花壇に植えてある苗を食べ始めました。最初からそのつもりだった・・・?

周りには、たくさんの利用者の方がいます。

全然怖がることなく、無心に(ときどき周りを気にしながら)食べています。

すると、どんどん居室のベランダに近いところまで来て、今度は利用者の方が作っているプランターの苗木を食べ始めました。もう、居室までは1mくらいです。

窓からは、ウサギの顔の表情?まで伺えます。


思わず写真に撮ってしまいました。(それでも全然逃げません・・)


こんなに人間に対して警戒心のない、また言い換えれば人なつこいウサギは珍しいですね。前にどこかで、誰かに飼われていたんでしょうか?



しかし、利用者の方の中にも、興味津々の方がいて、そのウサギにどんどん近づいて見に行こうとする人がいます。

さあー、そうなるとウサギも身の危険を感じたのか、食べるのをやめて、山の方へ戻っていきました。


初夏の珍事ですね。



すぐそばの山には、イノシシもシカもサルもタヌキも(そしてウサギも)います。

シカは、夜中に施設のすぐそばまで下りてきて、餌を探すこともあり、夜中に見回りの際に見たこともありました(角があるので、ちょっと怖い!)。


一番、たちの悪いのは、やっぱりサルですね。


施設の屋根を走り回ったり、施設で作っている椎茸や栗、野菜なども食べてしまいます。それも一番おいしい部分をです。(おいしい部分を、よく知っているみたいですね)


ただ、今日のように、かわいい雰囲気でみんなに見られながら過ごす動物(ウサギ)は珍しいですね。

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