知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

お誕生日会を開きました。

2008年09月27日 | Weblog
人はいくつになっても、自分の誕生日は大切なものです。


施設では、毎月 その月の誕生日の方を祝う行事として、「お誕生日会」を開きます。多い月で10名以上、少ない月で4名ほど・・・とその月によって人数の違いはありますが、内容的には一緒です。

基本的には、最初に担当者からのメッセージカードを読み上げ(掲示板にその月の間は貼ってありますが・・)、次に自分で抱負が言える人には言ってもらい、最後に皆の祝福の拍手をもらって、事前に自分で希望した(ほとんどは担当者と一緒に外出した際に買っておいたもの、あるいは希望が言えない人は、担当者が選んだもの)プレゼントをもらいます。


次に、一番皆が楽しみなのは、「ケーキ」です。


せっかくなので、誕生日にはケーキを・・・ということで、毎月 この「お誕生日会」の係の方(職員)が、事前にケーキ屋さんを選び(まずここから始めます)、予算(一応決められてます)内でおいしそうなものを3種類ほど抽出し、利用者の方に希望を取っておきます。

同時に3種類程度の飲み物(たとえば、コーヒー、紅茶、コーラのように・・)も選択肢を作ります。・・・・選択肢を多くすると、利用者側に迷いも生じ、準備する側も難しいため、3種類くらいに限定しています。


季節的に、ケーキばかりではなく、夏季にはアイスクリームにしたり、またシュークリームにしたり、プリン系もありましたね。係の職員も楽しみながら、いろいろ考えてくれています。



この時間はとても楽しいようで、終わった後からも「ケーキおいしかったわ!」と素直な感想を言ってくれます。


栄養士さんは、これとは別で、月に一度 「誕生会メニュー」と題し、普段とは違う、ちょっとばかり豪華?なメニューの食事(主に昼食です)を計画し準備してくれます。
やはり、衣食住の中でも、利用者さんにとって食が一番の比重を占めます。楽しみごとがもうひとつ増えているようです。(職員も昼食メニューなので、一緒に食べることが多く、楽しみかも・・・?)



こうして利用者の方も、ひとつずつ年齢を重ねていきます。


地味とは言えますが、こうした行事は各利用者さんにとって、とても大切な意味があると思います。

今年1年、頑張ってきたなあ・・・と反省したり、振り返ってみたり・・・は、ほとんどないようですが、それでも自覚のある方は、「私、もう○○歳になったわ・・、ええ歳や」と言ってくる人もいます。「○○さん(職員)は、いくつになった?」と返してくる方もいて、ベテラン女子職員などは「ん・・・いくつになったんやろなあ・・?」と、ドキッとすることもあるようです。



お誕生日祝ってますか?
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避難訓練をしました。

2008年09月26日 | Weblog
施設といえど、火事には勝てません。常に非常時の体制作りや、意識づけが必要です。もちろん、一番に利用者の命を守ること・・・これらを考えて、年に数回の避難訓練を行っています。

今回は、先日行われた避難訓練の様子を・・・



施設には基本的に高齢者主体の棟と、比較的若い年齢層の棟があり、今回は高齢者主体の棟で行いました。(離れているため、交互に行います)
一応宿直業務中に「火事」が起こった設定で行うため、最低人数で行動することになります。
なんと、今回は私の番がやってきました。(職員も順番に行います)


擬似的な「火事」に見せるため、発炎筒を焚いたりします。赤い色が出ると本当の「火事」っぽくなって、真剣みも増します。
それにより、館内の非常警報が鳴り、事前に知らされていない当事者の「宿直者」(このときは仮ですが)が出火場所を確認し、消防署に連絡したり、またすぐに利用者に避難を呼びかけ、誘導します。

さあーー、ここからが問題です。


避難訓練も回数を重ねることで、手順を覚え、避難経路なども確認できますが、ところが、何度も行っていることの弊害があります。それは慣れです。

中には、「また訓練か・・・」と思い、慌てずじっくり自分の用事を済ませてから逃げる人、全然反応しない人(これがいるんです)、何度も行っていても、出火場所に向かって逃げる人(一番危ない!)、職員が言葉をかけて一緒に連れ出さないと逃げない人、逆にさっさと避難場所へ行って、同じ仲の良い利用者と座って雑談される方・・・様々です。

最後のは、消防署からも真剣さが足りない!とお叱りを受けました。



それでも、やっぱり慣れていくことで、慌てずに避難経路を確認して逃げられるようになれば、実際の「火事」の場面でも、怪我なく無事に逃げることが出来ると期待しています。


いろいろなパターン(出火場所・昼夜等)で避難訓練を行いますが、最近では火事だけではなく、地震や土砂崩れ(裏側が山です)、水害等様々な災害を想定して、訓練する必要があります。
よく役所関係からは、マニュアルを作れ!とうるさく言われますが、マニュアルは確かに大切ですが、実際にどういう動きをすればいいのか、気持ちを落ち着けて考えること、つまりは訓練等で何度も仮の経験をして、気持ちの余裕を持つことがもっと大切だと思います。


今回は、皆さんうまく避難出来ましたか・・??
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お風呂に入りましょう

2008年09月23日 | Weblog
この間の日曜日は、天気がよかったら地域の運動会に参加する予定でした。
ところが、生憎 朝からの雨で中止・・・・(台風の影響もあってか、すごく降ってましたね)

地域行事としての運動会は、地域の方との触れ合いもかねていますので、毎年楽しみにして参加しています。地元も、大きな町ではないので、施設の利用者が参加すれば、結構盛り上がりもあります。運動会の開催についての話し合いや準備にも、職員が参加して、一緒に進めていくことも、10年以上前から取り組んでいます。


まあ、今年は残念だったですね・・・・



ということで、この日は職員も出勤していますので、日勤体制です。さあーー元々運動会ということで予定もなく、昼からはゆっくりと入浴を・・・


お風呂は、利用者の人数も多く、曜日を分けて入ってもらっています。
一度に入れるのは、せいぜい4名かな?そこに職員も一緒に入り、援助します。

順番に次々と入ってもらいますが、一人で全部洗うことの出来る人もいますが、やはり援助が必要な方も多いですね。
一人でほとんど出来る人は、自分なりに好きなシャンプーやボディシャンプー等を持っていきます。人によっては、洗顔用の石鹸もあるようです。
女性ならば、もっといろいろあるようですね。

援助の必要な方は、主に施設の準備したものを使っています。
中には、シャンプーボトルの押すところが面白くて、何度も押して、必要のない量まで出す人、シャワーが楽しくて、ずっと浴びている人、お風呂のお湯を飲む人、浴槽でずっと浸かっている人や、中で遊ぶ人・・・様々です。


お風呂は楽しいものであってほしいです。

(たまに、うるさく急かされて、嫌いになる人・・・、また準備や手順が面倒で、入りたくない人・・・もいるようです。幸い、今のところ、そういう方はいないみたいですね。安心??)



一日の生活の中で、入浴はホッとする時間ですね。

以前は、「入浴」もひとつの訓練(今はそういう言葉は使いませんが・・)と考えていた頃は、いろいろやり方や手順を教えていましたが、出来る人はこういう技術は10代の頃にすでに獲得していて、新たに・・ということは少ないですね。
また、若い頃ならまだまだ獲得出来た技術も、30歳を超えると難しいですね。そういう意味でも、入浴に関してはあまり技術どうこうというより、気分的にもゆったり出来る時間をと考え、今ではリラックス出来る「入浴」を心がけています。


職員の援助の関係で、少なくとも夕食後(晩に)入浴することは出来ませんが、午後の時間にゆっくり時間をとることで、利用者の生活に少しでもゆとりが出来ればいいですね。
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ボランティアの方が来ました。

2008年09月20日 | Weblog
施設とボランティア・・・結構、関係の深いものだと思われがちですが、うちの施設では、地理的な問題もあり(交通の便が悪い)、あまり頻繁には来られていませんでした。

ここ数年、普段の生活の援助はともかく、やはり余暇的な面で協力を願おうと依頼しましたところ、地元のサークルの方や団体の方が、それでは一度伺いましょう・・・ということで、来ていただくことが増えてきました。


施設職員も、いろいろな特技があって、それを活かした余暇活動の援助もありますが、やはりそこは限界があり、またどうしてもマンネリ化してしまいます。そこで、外部団体等の方ならば、利用者にとって新鮮な?ネタを提供していただけるんでは・・・・?との期待もありました。

実際に来ていただくと、非常に好評で、
「また来てね」
「今度、いつ来るの?」
「面白かった」
等の感想も聞けます。
楽器演奏(オカリナ、琴、ブラスバンド等)や合唱や歌、また時代劇の方も来られました。

普段、なかなか目にすることのない発表を見聞きし、新たな驚きや感動が出てくると思います。さらに、外部の方と接することによって、職員以外とのコミュニケーションを持つことになり、世間の理解の深まりや、利用者自身の意識の向上にも繋がると考えています。



これを読んで、それならば私たちもぜひ行ってみよう・・・と思われたら、御一報ください。ただ、交通機関にはちょっと難がありますので・・・
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みんなの意見を聞きましょう

2008年09月19日 | Weblog
施設では、定期的に利用者の方の生の意見を聞く時間を設けています。

いわゆる自治会というものではありませんが、職員が一応の司会をして(たまに利用者の方が司会をされることもあります)、意見交換会を開きます。
事前に利用者の方々から、話し合って欲しいテーマを出していただいたり、また大きな行事等には、その件についての報告や経過、さらには詳しい情報を伝えたりします。そして、会に集まってもらい、話を聞いたり、自分たちの意見を言ったり、話し合いをしたりします。

昨日もその話し合いを持ちました。


今回の行事としては、一番の楽しみな秋の一泊旅行があり、その詳しい情報を伝えました。
「どこ行くの?」
「何乗って行くの?」
「どこに泊まるの?」
「誰と寝るの?」
等々・・・

皆、心得たもので、職員があまり伝えていないとき(詳しく決まっていないとき)は、旅行社の営業の方が来られたときに、真っ先に情報を得に行く人もいます。ただ、情報が混乱することもあり、あまり何もかも伝えてもらうのも困るときがあります。(泊まる旅館が変更になったり、乗り物が変わったり・・・と決まってないことも多いからです)



また、意見を言うときは、児童の学級会のように、他人攻撃をされる方も(たまに)おられますが、ほとんどは「部屋の戸が壊れています、直して下さい」とか、「食事片付け当番の人数を増やして下さい」とか、「トイレは上履きに履き替えましょう」とか実際の現場の(生活されている)生の声を聞くことが出来ます。

すぐに、その場で返事出来るものもありますが、大きな問題があれば、少し時間をおいて、施設長の考えを聞いたり、職員会議で検討してから、答えを返すこともあります。


最近では、「TVを遅くまで見たい」とか「もっと、余暇活動で○○がしたい」等の具体的な意見も出ました。
当然、持ち帰り職員会議で検討し、すぐに答えを報告しました。(主に掲示板に貼るのと、各居室担当者で、直接利用者に伝える方法があります)


なかなか、意見を聞いても施設環境や人的資源や金銭面の問題等、かなえられない部分も多いですが、皆がどうのように考えておられるのか知るためには、非常に意義のある時間になっています。


この会も、もう始まって10年以上が経過し、利用者の方も、どういうことなら実現可能か?、これは駄目なことか?等が分かってきたのか、意見の出し方も要領よくなり、会の運営もスムーズに運んでいます。



今後も、様々な意見を集約して、よりよい環境整備や楽しい生活が出来る施設にしていきたいですね。
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薬(向精神薬)を使うということ・・・

2008年09月15日 | Weblog
健康面とはまた別の考え方になりますが・・・


病気になったとき、また身体を元の元気な状態に戻したいとき、最近では身体の状態を安定させたいときや、痩せるため、栄養不足なんかにも、様々な薬が使われます。
医者に処方してもらう場合もあれば、薬屋さんで買う場合、また世間の情報で「これは効きます」ということで、信用して使う場合・・・これも様々です。



知的障害も一種の精神的な病気と考えられます。(いろいろな考え方がありますが・・・)


てんかんの症状で発作が起きる人、躁鬱で精神的なバランスの悪い人、生活リズムが取れなくて、昼夜逆転したり、夜に寝られない人、落ち着きなく他人に暴力行為をはたらく人、様々です、
かつては、人前から離れた生活を余儀なくされた人でも、今は適切な薬のおかげで、一般の生活に徐々に復帰する方もいるようです。



私の施設でも、そうした薬(向精神薬)のお世話になっている方がいます。こうした薬は、精神科の医者の処方が必然で、勝手に飲むわけにはいきません。時間帯も考え、主に食後や食前、また眠前といって寝る前に服用する・・・といった方法がとられます。

薬を使えば、確かにある程度の行動は抑制されますが、副作用もあります。眠気が出る、喉が渇く(水分が欲しくなる)、内蔵に多少の影響が出る、体重が増える等・・・近頃は、随分よい薬も開発されて、副作用も少なくなりつつあります。


そういった副作用も考慮しても、普通に生活していくためには、薬を使った方がいいという考えがあります。確かに、本人自身が一番辛い思いをしているのであり、それを少しでも軽減出来るのなら、薬に頼る(こういう言い方は嫌いですが・・)方がいいということでしょう。



今、私の施設で使用している薬(向精神薬)も、多種多様・・・抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬、抗パーキンソン病薬等々、精神科のドクターが処方されるためには、普段一緒に生活し様子を観察している私たち施設職員や保護者の方が、十分に本人の状況を把握していく必要があります。

細かい部分までの報告をし、また薬を使用した後の状況も詳細に報告します。そうして、これはちょっと違うぞ・・・ということは、処方を中止したり、他のもっと適切な薬に変更したり・・・、常に他人事にはならないように真剣な取り組みが必要です。
施設では、保護者の方や、ある程度理解の出来る利用者の方には、十分に薬の説明をしています。

今でも、保護者の方の中には、そんな薬なんて・・・と、拒否的な方も多くおられます。それは当然といえば当然ですが、日々いろいろな対応方法、また行動療法等で取り組んでも、改善されない方には、最終的(あくまでも最終手段です)に薬の手を借りることになります。
一般では、なかなか理解されない場合も多く、こうした薬の使い方は安易な方法ではないことを、ご理解頂きたいと思います。


施設がいつもお世話になっている精神科のドクターは、いつも薬を処方されるときに、こういう言葉を職員に言われます。
「(薬を処方する)○○さんは、今一番辛いと思いますか?」
つまり、辛い状態を少しでも改善するために、飲むんだよ・・・ということを十分に認識して使いなさい・・・ということでしょうね。



いろいろなご意見もあるでしょう。

しかし、私たち施設職員(支援員)はあくまでも、知的障害者の方の援助を心がけています。決して安易な気持ちではないということを知ってもらいたいと思います。
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いろいろな健康診断

2008年09月13日 | Weblog
またまた前回の続きで、健康の問題について・・・


施設では、健康状態の把握、また早期の病気の発見等も含めて、年間数回の定期的な健康診断を行っています。
施設の担当医による内科検診に始まり、採血や心電図、胸部レントゲン撮影、検尿やギョウ虫検査、視力や聴力検査、また毎月の血圧測定や身長・体重測定を含めて一般の方でも、ここまでしてないなあ・・・と思われるくらい、様々な検診を行って、健康把握を行っています。
(それでも、前回言ったように、毎日の状態把握が一番大事ですが・・・)


まあ、これらの検査が本人のためとはいえ、それぞれ本人さんたちは、なぜこんなことを・・・と感じて、検査の際に抵抗されることもあります。

特に採血やレントゲン撮影の際は、職員は心を鬼にして「ちょっとだけの我慢!」と抵抗される利用者の方を抑制することもあります。でも、これも慣れ・・・あんなに嫌がっていたのに・・・と数回経験すれば、(おそらく、またこんな検査されるんだ・・・と見通しが持てるのか?)落ち着いて、検査を受けてもらえるようになりました。


採血結果で、ちょっと○○の値が・・・と言えば、栄養士さんが食事について悩み、またレントゲンで影が写っていれば、大丈夫かな・・と看護師さんが心配し、さらに大きな値の変化があれば、職員は気が気ではありません。

ちょっと心配な場合は、早めの通院をして、大丈夫なことを確かめ、不安なときは精密検査も行います。


どこの施設も高齢化が進み、やはり病気とは切っても切れない関係になります。通院回数も増え、大きな病気の名前を聞くことも稀ではなくなりました。

救急車を呼ばなくてはならないときもあります。(めったにないですが・・)


そのため、職員側も基本的な医療の知識も必要になり、前回書いたような血圧測定だけではなく、怪我したときの対処方法や、発作等で倒れられたときの対応等、覚えることも多くなってきました。でも、普段の生活でも必要であり、知っていればいざという時に慌てなくて済みます。

最近は、AED(自動体外式除細動器)の設置も検討されています。当然使用方法の研修も必要です。



私たち、施設職員は利用者とただ毎日接して、楽しく過ごすことだけでなく、そうした健康管理の大切さを常に考えて行動しています。専門職としての自覚も含め、障害の理解(医療的な意味も含め)、行動を援助する技術、薬を含めた医療的な知識(副作用や効能等)・・・等々 必要な知識は山ほどあります。



福祉現場では、職員は様々な専門職としての意識を持って取り組んでいるにもかかわらず、政府の対応は非常に軽んじたものです。
だんだんと追い詰められていく状況の福祉現場・・・、いったい今後どうなっていくのでしょうね。






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健康状態の把握

2008年09月10日 | Weblog
先日、いつも元気にご飯を食べていた利用者の方が、急に食べなくなり、食堂に残ってじっとしていました。
・・・・ん? これは絶対におかしい!と感じた職員は、体温を測り、血圧や脈拍等のバイタルチェックを行いました。すると異常な数値が・・・・。
さっそく看護師さんに連絡。
本人には、状態観察のため居室で布団を敷いて、横になってもらいました。



毎日の生活の中で、健康状態の把握は、一番重要な部分を占めています。

朝、各居室に行って、それぞれの居室の担当職員は、まず利用者の方の健康状態のチェックを行います。
特に、自分で状態の良し悪しが訴えられる人はまだしも、言葉のない方、またコミュニケーションの難しい方、うまく自分のことを伝えられない方等様々で、常に普段の状態を考え、その日はいつもと違っていないか?なんか変調をきたしているところはないかチェックします。


新人職員さんなんかは、初めて他人の血圧を測りました・・・とか、血圧の測り方を知りました・・・・なんて人もいます。当然ながら、普段自分の健康状態は分かっても、他人のことは考えたことはないですね。
そこは、施設職員(支援員)の仕事・・・
しっかりと利用者の把握が出来るようになります。

毎日接していると、時に違いがよく分かるものですね。




さて、さきほどの利用者の方は・・・・?

通院の手配も行いましたが、職員がずっと様子を観ていると、さっきまでの状態が嘘のように元気になってきました。
ただ、まだ血圧は少し高め・・・予断を許しません。
1時間後、自分から元気に動き出し、布団に入っているのもおっくうだったのか、居室内を歩き出しました。

結局、通院するまでもなく、健康状態が回復し、元の元気な利用者の姿に戻りました・・・・。何だったんでしょう?

この利用者の方は、以前にも同様の状態が見られたことがあり、前回は通院しましたが、特に変わった部分は見つかりませんでした。結局、今回も原因は不明のまま・・・、早いうちに精密検査も必要かもしれません。

今後も要注意です。




人間は生きていて、健康でいることが一番重要です。
身体の調子が悪いと、気持ちも沈み、やる気も出てきません。

ましてや、自分で訴えられないとなると、それは大変なことになります。


皆さんは、自分の健康状態・・どの程度把握されていますか?

利用者の方の健康状態の把握・・・ひいては、自分自身の健康を見直すことにもなり、常に変化を観察することは、とても大切だと感じます。


今日も元気ですか・・・

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選挙と投票について考えてみましょう

2008年09月09日 | Weblog
益々、世の中の動きが複雑化しています・・・


この先、政治はどんな方向になるんでしょうね。それによって、障害者関係の政策も変わるとすれば、先行き不安になります。


もう少し先になるでしょうが、毎回 選挙について考えることがあります。

衆議院や参議院などの国をあげた選挙・・・、また地元の地方議会や自治体首長の選挙・・・等、いろいろありますが、選挙のシーズンが来ると、いつも悩んでいます。それは、選挙権の問題です。

20歳以上は選挙権があり、施設に登録されている人は、その時期になると投票用紙が送られてきます。私の施設は、成人施設であるために、ほとんど全員が選挙権を持っています。(一部、保護者の都合でない人もいますが・・)

以前は、選挙権を行使しなければ・・・という考えで、一部の方を除いてほとんど全員が投票に行っていました。ところが、投票所では職員は中へ一緒に入り、援助することが出来ません。そこでは、選挙管理委員の方々が援助していただくことになります。ただ、選挙管理委員の方は、あくまでも一般の方で、ほとんどこうした知的障害の方を理解されていないことが多く、対応方法に問題が起きることがしばしば・・・。もちろん、投票時の記名も出来ない方も多く、選挙管理委員の方の代筆ということになります。自分の気に入った(投票したい)人を選ぶ際も、それぞれに名前の書いた掲示板を見て、選管の方が指を指し、「この人でいいですか?」という感じで決められます。

長い間、こういう投票の仕方がいいのか、悪いのか?疑問に思っていました。未だに悩んでいます。



選ぶ側の基準は分かりません・・・、知的障害者に正しい選択が出来るのか?なんて野暮な考えもありません(一般の方でも、はたしてそれが正しい選択なのか?と自信を持って言えないのと同じです)。いろいろ反論もあると思いますが、知的障害者にとって、今の選挙の仕組み自体が、適切なのかどうかが、一番の課題です。


最近の世の中、若い人の中には、選挙権を行使しない人も多くいます。自分ひとりが投票しても、何も変わらない・・・と考えている人が多いようです。

この人を選べば、私たち障害者の立場や生活も良くなるんだ!と思って投票出来れば、一番なんですが、今までそうしたことは残念ながらなかったですね。



近いうちに、国政を左右するような状況の選挙があるかもしれません(ちょっと期待)。選挙権の年齢や、知的障害者の件も含めて、さまざまな選挙のあり方を、考え直す時期でもあると思います。
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保護者の方と共に・・・

2008年09月06日 | Weblog
昨日も、宿直をしていて1本の電話がありました。

「今度の土曜日に迎えに行きたいんですが・・・」
「迎えは、何時頃に来られますか?」
「朝食の後に行きますね」
「では・・」

という風に、帰宅に際して事前に連絡していただける方、また定期的に週末に帰られる方、突然訪問されて、一緒に連れ帰られる方・・・様々です。

今回の保護者の方は、定期的(2週間に1度)+突然(これが微妙?)・・・の方ですね。食事の用意や、帰宅に際する衣類の準備、また担当者からの連絡も含め、事前に連絡をいただける方が幸いですね。



年々、保護者の方も高齢化されて、なかなか帰宅となると難しい状況になっています。それぞれのお家から、施設までも結構距離があり、交通手段も限られてきます。
基本的には、年に数回の帰宅期間を設けて、駅までの送迎も行ったりしていますが、必ず来られる保護者の方もいれば、ちょっと今回は・・と(残念ながら)帰宅中止になることもあります。それぞれに保護者の方にも理由がありますので、無理を言うことは厳禁ですね。


利用者の方々はというと・・・、やはり帰宅は楽しみのひとつですね。

普段、コミュニケーションがなかなかうまく取れない知的障害の重い方も、その時期になると、玄関に出て「まだかな・・?」と待ちわびることもあります。また予定が遅れ、翌日になったりすると、泣き叫ぶ方、落ち込む方、諦める方・・・で、その翌日には、それが嘘のように明るく「さよなら」をして帰られます。(それぞれに気持ちが分かるので、職員はただ見ているしかありません)


帰宅中は、もちろん保護者の方にお願いするわけですが、皆さん戻ってこられたときの表情が活き活きしていて、ああ・・帰られてよかったなあーーと感じます。

逆に、ほとんど帰ることが出来ない利用者の方も、たくさんおられます。
すでに保護者の方が亡くなられて、遠い親戚の方が保護者代わりの人や病気をされて療養中の方、お家の事情で迎えに来れない方・・・様々です。近年、そういう方が増え、その時期には、職員と一緒に何か楽しい取り組みを・・・と考えてやっています。


保護者の方も様々で、私などは施設職員をして長いため、保護者側も顔を覚えていただいてますが、若い職員などは、言葉遣いや説明の仕方、対応にまだまだ困っている人もいますね。(もちろんベテラン職員がフォローしますが)
保護者会役員をしてバリバリ意欲的な方、また職員の顔をすぐに覚えて気さくに会話をされる方、非常に低姿勢で「いつもお世話になっています」と遠慮気味に話される方、さらに職員をあまり評価されていない方(行くところがないから、ここに来たんだ・・・みたいな言い方をされます)や、逆に全面信頼をされて「任せます」状態の方・・・等々。

お互いの信頼度の問題も必要です。
もちろん、私たち施設職員が信頼を勝ち得る努力は惜しんではいけません。その意味でも、利用者の方と接することと同様に、保護者の方とのコミュニケーションも大切だと考えます。



先日も、私が施設の広報誌に載せた記事を読まれて、
「○○さん(私のこと)、読んだよ」と数人の保護者から笑顔で言われて、ああ見てもらっているんだ・・・と安心(ちょっと嬉しかった)したことを覚えています。

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