知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

福祉業界は、今後どんな方向に行くのか?

2016年09月18日 | Weblog
先日、福祉ネット系のニュースで「介護業界の・・・職員の報酬問題」を取り上げていましたが、確かに職員にとっては生活がかかっており、金銭的に余裕がある方ならともかく、ほとんどが逆の状況の人が多い状況です。特に家庭をもっておられる方なら、それを維持していくためには、切実な問題と思います。(奥さんが定収入のある人ならまだ大丈夫でしょうが)。



日本の根本的なサービス(福祉に限らず)に関する意識が、「過剰なサービス精神を求める傾向がある」ために、どうしても安い報酬で高いサービスを・・・となるようです。

特に、古い世代の方は、それを求める傾向が強いようです。(飲食店で、サービスに関して、トラブルになるのは、高い年齢の方の要求が強すぎる・・・という傾向が見られます。)
その世代が、これから介護福祉を受ける当事者になっていくわけですから、少し将来に不安を覚えますね。(皆さんがそうではないですが、あくまでも傾向として・・・)


日本は、昔から人間対人間の付き合い上、”暗黙の了解”という文書化されていない、精神面での意味合いでの対応がありました

そういう土台の上で、現在の社会も成り立っているといっても、過言ではないと思います。


しかし、基本的に仕事としてのサービス業として考えれば、報酬以上のサービスは必要ないのではないでしょうか。特に、介護サービスが始まって、項目別にサービス料金が設定されれば、具体的に明確化すると思うのですが・・・。(実際にそうなっていますね)

これは、介護業界に限らず、障害者関係全般にも言えるのではないかと思います。



今は、各福祉業界は、主に各法人等が運営しており、それぞれに明確な目標設定はしていると思います。しかし、その内容は一定しておらず、各法人によってまちまちの状態です。
本来は基本的なサービスは同じ程度であるべきで、その障害程度に合わせて、報酬も決定し、それに見合ったサービスを提供するのが本来。

ここで、無駄に(過去の精神からか?)ボランティア的な感覚で、障害者を大切に・・・みたいな感覚で接するために、(私が以前いた施設のように、職員の休憩時間までサービスに充てる・・・みたいな不都合が生じます)割り切りが出来ない雰囲気になっています。

もちろん、そういう精神の必要性は十分に分かるのですが、人に因って出来る部分と出来ない部分、また経験の浅い職員・長い職員に因って、サービスの度合いが違ったり、さらに自分の生活を(身を切る思いで)犠牲にしてまで、サービスを提供するのは、どうかと思います。
(中には、利用者の方が長らく自宅に帰れないから、職員の家に連れて帰った・・・と事例もあります。)



よく様々な事件が起こるたびに、職員の精神的な病みを原因にされる場合があります。確かに、その現場ではそういう状況はないとは言えません。(支援学校の教師が、そういう原因で病休に陥ることを、よく耳にします。)

障害者を支援する側が、精神的に病むのは、一体どういうことなのでしょう?

それだけ、精神的に困難な業務であることはいうまでもないのですが、それに見合った報酬ももらえず(これが一番大事)、半ばボランティア的な要素で業務を行っていれば、それは今後もよりそういった職員は増える一方だと考えます。(古くから勤めている人は、それが普通だ・・・みたいな感覚なので、融通が利かない場合も多いです。)



いわゆる、障害者は「かわいそう・・・」とか、私たちが面倒を見なければ・・・」「親御さんは大変だ」「ボランティア精神は大切だ」等々・・・

なかには、施設の設立精神が・・・という場合も見られますね。



”介護”と”支援”では、また意味が変わってきます。
人間的な生活を継続していくための援助としての”介護”、とまだ将来的に必要な知識や能力を身に着けていくための”支援”では、目的も変わってきます。


いずれにせよ、その目的が明確ならば、その必要な項目に対して、どんなサービスを行っていくのか?それに対する経費やサービス料、そしてその報酬が数値化されていれば、逆にサービスが足りなければ、苦情があってもいいし、職員はそのために最低限必要な能力もつけることが必然になってきます。(資格も検討しなけれなりません・・・比較的取りやすい状況で・・・仕事を続けながらでも取れるように・・・)



また施設によって、同じだけのサービスを受けられるようにしなければなりません。
「あの施設は、全然ダメだから、こっちの施設に移ろう・・・」なんてことも・・・。
施設の設立者によって、左右されるような施設もなくなっていくと思います。(結構、今でもワンマンな施設も多いですね。また同族経営の施設も減っていません・・・私の元勤務していた施設もそうですね。)



未だに福祉施設は、旧態依然のところが多く、基本的な考え方を示す方もいません。ボランティア的な精神が、未だにはびこっている業界なのです。このままでは、報酬なんて上がるのは、ずっと将来か、そのままか・・・(むしろ下がっていくかも・・・)。

職員の人材的な発掘も絶対に出来ません。育成も出来ていないのですから・・・。




いわゆる職業としての福祉関係業界・・・を考えると、これからは明確な設定も必要なのでは・・・と思います。




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