知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

拘置所に面会に行きました。

2016年01月28日 | Weblog
何回か投稿していた例の事件での裁判が始まっています。

そう、施設内での利用者の虚偽の告白が、大事件化した問題です。
拘留されている友人は、もちろん無実の罪なのです。本人と手紙のやり取りをして、今回実際に面会して本人にも出会い、簡単に話も出来ました。(実際の面会時間は15分間だけです)


今回は、私自身は拘置所の面会は初めてだったので、彼の友人に支援を依頼しました。(その方は、今回出会ったのは初めてでしたが、その後いろいろお話をして、今後も彼を救うために協力していこうということになりました。)


拘置所での面会については、別のブログである程度詳しく説明していますが(「早期退職後のぼちぼち生活」(http://blog.livedoor.jp/jg77kansai/)というブログです・・・よかったら見て下さい)、あまり運動することも許可されていないためか、身体が弱っているようです。また精神的にも随分衰弱気味で、なんとか裁判への気持ちで、維持出来ている・・と言っていました。(崩壊寸前状態かも・・・)
もう拘留されてからすでに4か月になるようです。
来月に3回目の公判があるようですが、ぜひ私も傍聴したいと考えています。



今回の起訴・裁判に至る過程ですが、資料を読んでみると、いろいろ見えてくるものがあります。
それは、真実が徐々に隠されていき、まず最初の虚偽の告白から始まった事象が、事実化していっていることです。嘘も何度も繰り返し言っているうちに本当になる・・・というのは、まさしくこういうことですね。

そのため、今回の事件での公判では、結局それ以降の話・・・ということになり、最初の事象が虚偽だったのか真実だったのかは、闇の中に隠れてしまっています。事件ありきの上で裁判が進んでいるのです。どんどん枝葉が付いて、本当の事実が何か分からなくなっている状況です。(つまりありもしない事が、あいまいな証言者のために、膨れ上がっています。)

そう結局は、今回の事件化に至った当の被害者になっている利用者の方が、全部否定すれば済む話なんですが・・・。(それで、事件解決です)


現在は、個人対検察の裁判になっているため、非常に不利なことは明らかです。検察は、どんなことがあっても、事件を認めさせて、有罪に持っていきたいらしいです。おそらく検察側も、知っていることは、その事件化された以降のことなので、しかたないとも思いますが・・・。



いろいろな事が、全部不利に働いている・・・そんな状況が続いています。出来る限りのことは、協力するつもりですが、やはり彼を救えるのは、(真実を知っている)当事者・・・利用者の方と、一緒に勤務していた職員だと思いますが、この辺りが一番の敵側にまわっている状況では、ほんとに難しいですね(この辺りのいろんな裏事情の話もありますが、まだ現在裁判が進行中のため、多くは書けないです・・・残念)。

今後、もしも判決が不利なものになったとしたら、おそらく民事裁判にも影響し、より勝ち目はなくなります。無実の罪でいろいろなものが失われていく・・・そんな今回の事件です。

こんなことが続けば、こういう業界の仕事は、益々閉塞的になっていき、人材確保なんて遠い状態になりますね。(世間やマスコミは、そんなこと気にも留めないでしょうが、この業界の方ならこの意味が分かると思います。)



普段、普通に仕事(支援)をしていても、急に嘘の話が出て、気がつけば事件になり、いつのまにか起訴され、塀の中に・・・なんて、誰もがそんな危険をはらんでいます。もっと、こういう福祉業界の内面を知っていただくと共に、施設等の管理・運営者は、自らの身の安全ばかり考えず、世間に正しい情報を提供していってほしいです。それはマスコミも同様です。


つくづく怖い世の中ですね。今回、特にそう思いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福祉施設職員のモチベーションの保ち方は・・・? 後編

2016年01月14日 | Weblog
前回の続きです。

前回は、いろいろ思うところを書き連ねたので、脈絡が無茶苦茶でした(反省)。

本題の「モチベーションの保ち方・・・維持の仕方」ですが、基本は働きやすい職場であること、が大切ですね。
そして、今やっている仕事の目的を明確にすること・・・。
一般企業のように、利潤追求ではないため、どうしてもこの部分・・・何が目的か?・・・が見えなくなって、目標喪失で働く意識が薄れている・・・悪循環が起きます。

また、結果が見えにくいこと。これは、学校現場との違いで、今日やったことが明日に効果が出ている・・・なんてことは稀です。(ほとんどありません)
10年頑張ってきても、全く効果が出ないときもあります。むしろ後退しているときもあります。

そんなときほど、このモチベーションをどう維持するのか?が大切になってきます。

以前の施設では、日中は作業や取組を計画的に行い、また行事やレクリエーション的な部分で、楽しみを作っていました。また利用者の方が自分たちで参加する状況も作り、生きがいも感じてもらえるように、そういう場面を設定してきました。

同時に、職員もそれぞれの得意な分野を活かして、活躍する場面を作り、それぞれに責任を持つ意識を持ってもらいました。(この辺が大事です)

私は、現場責任の管理職だったので、出来るだけ職員の意見を聞き、取り入れられることは実行し、各職員がやってみたいと思うことは、まず実行して・・・と了承してきました。(直接の上司は、慎重派だったので、即決はしてくれませんでしたが・・・)
※こういう方法が、他の管理職からは結構反発がありましたが・・・そのためかな?退職させられたのは・・・


失敗しても、そこから得る物はあるだろうし、次回に活かせばいいわけです。


現場の話ですが、利用者の方は各部屋に振り分けており、それぞれでの部屋で生活されています。(1人部屋から3人部屋まで)
だいたい3人から4人単位で、同じ職員が1年間その方々を担当します。(各部屋の環境、取組み等は任せています)

大きな問題がない限り、私は3年を限度に担当者を交代するようにしています。利用者にとっても、職員にとってもこういう変化は大切です。馴れ合いにならないようにも・・・


変更時は、誰と誰が相性がいいのか、職員は・・・等、いろいろ考えて十分に検討し、一応職員側の意見も入れて、発表します。(ここも私の性格的なものからか、あまり真剣さを前面に出しませんでした。)
今年はこれでやって下さい!・・・的な感じではなく、こんな感じでやりましょう・・・的な。(これが誤解を生じましたが)


また、職員室も1年ごとに(管理職以外は)席替えをしました。一部では、学校か!?なんて意見もありましたが、何年も隣の方が一緒なんて変化がないのも嫌ですね。(一応、職員は男女が近い人数なので、隣は必ず異性が来るように配置しました・・・実は毎年、年末にそのくじ引きをします。)

子供じみた方法・・・と思われる方もいるかもしれません。しかし、こうした方法は、少なからず気分を新たに出来ると思います。(私は、管理職だったので、10年間以上変化がありませんでしたが・・・)

私は、新しい職員にはオリエンテーションで、必ず「職場」と「プライベート」を区別して、プライベートでは十分遊んで、発散するように・・・」と言ってきました。
ただ、最近は私がオリエンテーションを行っていないので、近頃の新人の意識は分かりません(世間・・・遊びをあまり知らない、真面目な方が行っているようです。)

そのためか、その頃に勤務しだした職員は(結婚退職を除き)ほとんど現場で活躍しています。これは自慢ではありません。その部分の大事さを言っているだけです。

ただ、上司や経営者は、そのプライベートの楽しみ方を知らないのか?発散方法が分からないのか、私の考え方には疑問があるようです。


モチベーションの維持は、気持ちの切り替えでもあると思います。目標の設定と、実行・反省の繰り返し、常に新たな気持ちを持つことが大切だと思っています。


ただ、現在そういう意図を認めてもらえず、あえなく退職させられましたが・・・(悔いはないです)


まあ、あくまでも持論なんで、その施設環境によっても大きな違いはあることを前提に・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福祉施設職員のモチベーションの保ち方は・・・? 前篇

2016年01月13日 | Weblog
少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。


今年も、再就職待ち状態ですが、徐々に周りの情報等から、記事を書いていきたいと思います。飽きずに見ていただければ幸いです。




さて、新年ということで、この業界もどんな変化が待っているのか?ある意味楽しみではあります。

先日、大学の同窓会(毎年、同期会として数名で集まっています)があり、出席して、現在の世間の状況を知りました(もちろん一部ですが・・・)。


その中でひとり、昨年から知的障害者関係の施設(通所)に勤務しだした同期がいまして、施設環境や職員の気持ちの持ちよう、いわゆるモチベーションについて話す機会がありました。

知的障害者と言えど、基本は同じ人間です。

それが精神的、知的に障害を持っているということで、世間的な場面では同じ環境で生活・仕事が出来ない状況があり、また他者から見ると、不自然な行動や言動、また突然起こるパニック状態や、理解不能な状態・・・等、そのため施設や通所という形で、生きる場面を確保している(言い方は悪いですが)ということだと思います。

もちろん、それは違うぞ・・・という方もおられるでしょうが・・・


世間的に見れば、そういうことです。


例えば、理想的には、どんな障害があっても、一緒に生活出来る環境があれば、問題はない訳ですね。それが、人間が活動を開始して、それを理解して、いろいろな方が努力して(そういう環境を整備しようとして)も、ほとんど無理な状況になっています。

それは、障害者に対してだけではなく、世間の差別意識(それは様々な事象において)が、未だに人間の根底にあるせいかと思います。



施設職員や福祉職に就いている方の中で、最初からこの業界を目指してきた方は、極少数だと思います。ほとんどが、働く場所を探す際に、たまたま見つかった、ちょっと興味があった、悪いときは、そこしかなかった・・・なんて方もいると思います。

そういう職員が、今の仕事に興味・関心を持ち、やるぞ!という気持ちを持ち、そのモチベーションを維持してやっていくことは、ホントに難しいと思います。(一番は、報酬、いわゆる給与面なんですがね・・)



経営者が未だ、良心的な方ならば、少しでも給与面や待遇面で、やる気を起こす、モチベーションを維持させるために、よくしようと考えます。逆の場合もあります。経営が困難だから、まず給与をカット・・・なんて、最低ですね。

私も、管理職(直接、現場の管理なので、自分自身も同じ環境で仕事業務をこなしてきました)を20年以上やってきました。

自分が働きやすい環境・・・と思うので、特に若い方、新しい方が生きがいを感じ、やる気を起こさせる場面を作る・・・そういうことを考えてきました。
※私の性格からか、表だってそういう雰囲気は作っていません。真面目な方は、のんびり・・何も考えずやってる・・・みたいに思っておられたようです。(それなら、全く環境は変わらないし、状況の変化もなかったはずですが・・・)


一番は、利用者の笑顔です。(これはきれいごとではなく、笑顔を見せることは、職員の対応の成果でもあり、環境整備の効果が出ている証でもあります) 
また、職員の笑顔も同様です。

職場に笑いが起きることは大事です。

利用者が毎日、暴れて、暴言を吐き、笑顔も見られないのは、どこか間違った処遇内容があるためと思います。


私は、普通に暮らしている知的障害者の方を常に守る立場でいました、そのため、自分の精神状態が安定せず、また他の方に暴言を吐く・・・等の行為に対しては、厳しい対応をしてきました(決して暴力的な対応ではありません・・・ここは誤解のないように)。基本は遠ざけて、その方自身が落ち着ける環境・場面に移動してもらうことです。最終的には、服薬の検討もありました(もちろん精神科医との綿密な相談の上です)。


その方でも、自分が落ち着いているときに、他の方から暴力や暴言を浴びせられたこともあります。お互いさまではありません。


知的障害者の方の対応については、学者の方が研究されてはいますが、結局は十人いれば十人共方法が変わってきます。同じ方法をとっても、成功するとは限りません。現場におらず、上から指示だけしている方は、なぜうまくいかないんだろう・・・なんて言いますが、それは無理というものです。


一般世間の方でも同じですね。


皆さんが、毎日暮らしていて、何が大切なのか?考えられたことはありますか。


生活に必要なものは・・・お金、食べ物、衣類、生活環境(家や周りの状況)、家族、友人、趣味、等々・・・


どれかが欠けていれば、少し不安を感じ、それをまたどれかで補おうとします。多くのものがなくなれば、生きる気力もなくすこともあります。


施設内の生活でも、それは同じです。

自ら環境整備や、準備が出来ないために、施設経営者や職員がそれを行う訳です。



立ち返って、それならばその職員は、どうやって現在のモチベーションを維持しているのか、それを保つためにはどうしたらいいのか?
次回にいろいろ考えていきたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする