知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

年末年始の帰宅期間の始まりです。

2011年12月26日 | Weblog
昨日から年末年始(冬季)の帰宅期間が始まりました。


施設は少々山間のところにあるため、冬のシーズンは雪の心配があります。都会のほうから迎えに来られる保護者の方にとっては、ちょっと気になる部分ですね。(今年は寒波が到来して、この日も寒かったのですが、幸い雪が降り出したのは夜中でした)


まあ、自家用車が心配な方は、鉄道を利用されるので(最寄りの駅まで・・20分程度・・マイクロバスで送迎しています)、その点は大きな予定変更(帰宅日を変える等)は、あまり見られないですね。



例年、帰宅期間に帰宅される方が、年々少なくなっています(これはどこの施設でも同じかも・・?)。


利用者の方が高齢化するということは、必然的に保護者の方も高齢になってきます。また、実際に保護者の方が、本人さんの両親ではなく兄弟さんや、甥姪の方・・・、さらには親族の方に移行している現実もあります。(親族関係の保護者の方がおられなくなった方もいます。)



特にこういった親族の方がおられない利用者の方はしかたがないと思いますが、近い親族の方、それも両親がおられるのに一度も帰宅出来ない・・・(帰宅を考えておられない・・)ところもあります。


こちら側は当然、無理を言うこともありませんし、強制的な部分も全くありません。(それぞれに事情がおると思われます)



逆に兄弟さんや親族(甥・姪や、叔母・叔父等)の方で、迎えに来ていただける方は、非常に嬉しく思います。これは職員側よりもむしろ利用者さん本人が一番感じている部分ではないでしょうか?



帰宅期間は(今回は12月25日から1月5日までです)約10日間ほどありますが、全期間帰宅するのではなく、せっかくのお正月ですから、せめて数日間、あるいは1泊でも2泊でも施設とは違った環境でのんびりするときがあっても・・・と感じます。


もちろん、職員側の勝手な思いです。




高齢者の方中心の棟などは、ほとんど帰宅されないため、帰宅期間といっても普段と変わりません。ただ、普段行われているような作業や取り組みがないだけです。休みの日がずーーーっと続いているみたいな感じですね。


この期間は、職員も休暇をいただきますので、必然的に職員体制も薄くなります。(現在、通常は5人の宿直・夜勤者対応をしていますが、帰宅期間中は4人に減らしています。)


職員体制を確保するために、優先的に入浴日だけは数名の日勤者を配置します。(これも2日おきになります)



しかし、私自身昨晩宿直をしていて感じたのが、それも難しくなってきたなあ・・・ということです。



どうしても重度の利用者さんが残留されますと、通常の宿直体制が必要になってきます。(数年前から、このために3名体制を4名体制に変更しました)  いずれは、通常と同じ5名体制にならざるをえませんね。



帰宅期間の存在の意味が問われる時期もきています。


もちろん、職員の休みの確保もありますが、利用者の方がどう感じているのか?普段、いろいろな経験をされ、外の世界へ出て行っても出来るだけ周りの方々と変わりないように生活できるように、いろいろな学習をされています。


その実践が帰宅期間でもあるのです。


1泊でも2泊でもそれを経験すれば、より本人にとっては大きな力となっていくと思います。



職員(支援員)のいない場面で、どのように過ごしていけるのか?大きな課題です。



施設は預ければ、終わり・・・的な考え方は、もう昔のことと思いますが、未だにそういった感覚の方がいらっしゃることは残念ですね。



せめて・・・
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クリスマス会が終わりました。

2011年12月18日 | Weblog
一昨日の16日のPMに、例年好例の「クリスマス会」が催されました。


雰囲気を楽しもうということで、夕食(「クリスマス会」のメインである食事)をみんなで食べることにしたため、催し物やケーキを食べたりも、すべて午後からになります。


まずは、3時のおやつの時間にみんなでケーキを食べ、その後は「催し物」の発表です。


毎年、カラオケを中心に楽器演奏やダンスや合唱等、それまでに練習してきたことを発表しました。楽器は、自分で持っているハーモニカやキーボード等、また各作業班で普段練習されている歌を歌ったり、今はやりのAKB48のダンスもありました。


この日は、入所支援の方だけではなく、通所の方も一緒に発表し、見学します。約1時間40分くらいですが、途中には好例の新人職員の出し物もあり、非常に受けていました。新人職員さんは、部署にかかわらず、毎年出し物をしてもらっています。今年は新人さんが1人(男子)だったので、頑張ってソロステージで盛り上げてくれました。




例年、1時間半以上もの間、いろいろ発表があり、なかなか重度の利用者の方には、おとなしく過ごすことが困難になっていますが、意外にも?今年はそういった例年途中で退席される方が、最後まで(比較的)おとなしく見学されていたのが驚きでした。
雰囲気になれてきたのか?みんなと一緒に過ごすことが楽しかったのか?・・・いい面が見られましたね。




最後には5時半頃から夕食です。

クリスマス会用に特別に作っていただいたメニューなので、いろんな食材が揃っています。


みんな大好きな揚げ物や、ポテト、スープやサンドイッチ、もちろんジュースもあり、おなかいっぱいになりました。


そして、いよいよサンタさんに扮した利用者の方の代表が、みんなのプレゼントを配ります。(一応、事前に自分の欲しいものをプレゼントとして買っておき、このときにもらうことになっています。)



また、毎年のことなんですが、食事を提供されている業者さんからも、プレゼントがありました。



まだ、実際にクリスマスには1週間以上ありますが、雰囲気を感じ取っていただいたようです。(施設の庭には、LEDの電飾も飾ってあり、これは一応25日まで・・と考えています)



さて、来週の日曜日25日には、いよいよ冬の帰宅期間が始まります。帰ることの出来る利用者の方にとっては、また楽しみが増えましたね。
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利用者の方の観察と状態把握は大切。

2011年12月15日 | Weblog
先日、高齢の方が入院されました。


この方はすでに70歳の半ばを超えていますが、自分でほとんどのことができ、また会話もできます。ただ、元々心臓に持病を持たれていたので、十分な注意が必要な方でした。



血圧も朝夕と測定しており、夜間の見回り時にも気を付けるようにしています。


ところが、急に血圧が下がり(元々高血圧気味のため、降圧剤を服用されていました)、それも異常な値・・・。ただ。本人は特に変化はなく、普通にしておられる(自分からの訴えもなし)ので、様子観察をしていました。もちろん、血圧測定や検温等は普段以上に行いましたが・・・。


こういった日は3日間続いたため(3日目には発熱も)、急遽通院しました。たまたまその日は日曜日でしたが、救急ということで連れて行きました。まだ、本人さんは元気にしておられますが、さすがに移動等が困難に・・・。



通院の結果は、CRP(炎症反応)が20近くの値が・・・。そのまま入院となりました。




入院されて数日がたち、徐々に値も下がり、本人も少しずつですが元気を取り戻されています。


今回は連日の宿直職員が様子観察し、その結果を施設の常時看護師に報告していたため、その対応も早く出来たと思われます。


大切なことは、特に年齢の高い方はもちろん、元気な利用者の方であっても、日常の様子との変化をよく観察すること、そして大きな変化(小さな変化も見逃さずに)の際は、早めに看護師等に連絡すること。また、ちょっとこの人(体調)おかしいかも?と思ったら、報告すること・・。それが思い過ごしでもいいと思います。変化を見逃さないことが大事です。



施設では、自分の受け持ちの居室班や作業班の方の様子や状態を日々記録しています。


また、宿直者や夜勤者は利用者の変化や特記事項を日誌に記録し、報告します。



やや体調の変化を感じた際は、すぐに検温したり、血圧測定します。


その原因が、すぐに分からない場合も多いです。精神的な影響もあり、その日の食事内容や作業内容、他の利用者とのトラブルかもしれません。見える状態の変化(咳・鼻汁・異常な発汗・顔色の変化・失禁・食事の摂取量の変化・歩行状態等々・・)が見える場合はいいのですが、重度の方になると、自分から訴えもなく分からないことも多いです。

また、職員の見ていない場面で、転倒したり喧嘩したり・・・も考えられます。



今回の事象により、こうした観察する目を持つことや、状態把握や報告の重要性がより大切であることが分かります。



いままで以上に意識して取り組みたいですね。
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皆さんの旅行もようやく終わり・・・

2011年12月04日 | Weblog
今年は例年通り、4つの班に分かれ旅行を行いました。


比較的、元気に行動出来、移動もそれほど困難でなく、夜間も睡眠がとれる方を中心にしたグループ。
高齢の方を中心に、温泉旅館・ホテル等でのんびり楽しめる方のグループ。
年齢に関係なく、やや歩行に援助がいる方や、遠い距離が苦手な方、宿泊と食事を中心に、上記の旅行よりは時間を短縮したグループ。
特に、重度の方中心で、旅行等で睡眠がとれない方、移動が困難な方、食事に援助が必要な方等(ご本人の希望による場合もあります)のグループ。



年度初めにそれぞれに係を設けて、旅行会社と相談し、適切な場所や行程等を設定します。


私は、最初のグループに引率で参加しましたが、今年はどのグループもそれなりに楽しめたようです。



ただ、全体的に高齢化が進んでいる状況の中、この4グループでは十分な対応が出来ないことが考えられます。


もう少し細分化(小グループ化)していく必要が出てきました。



特に4つ目のグループなんですが、基本的に旅行を楽しむために、マンツーマンに近い職員体制を取りますが、逆に残留職員が減り、その他の旅行に参加しない方の対応が出来なくなってしまいます。


このグループを、2,3の小グループに分けて、別の日を設定すれば、内容の充実した旅行が可能と考えられます。



中には、ここ数年前からですが、外の食事が摂れない方や、車への乗車が出来ない方(精神面の関係で)等がでてきました。それに対応するためには、旅行気分を味わうためにも、施設内で豪華な料理を食べる方法が考えられます。

最近はケータリング的なすべて食事を準備されて、持ち込まれて、食べられる業者も出てきたようです。こうしたものを利用するもの方法かと思います。(実際に作業班のレクリエーションでは、寿司店やお鍋等おこなった経験があります。)



必ずしも、どこかへ泊り、食べて、見学して帰る・・・という必要もないと思います。それぞれに合った形態があってもいいんじゃあないかと・・・。


もちろん、従来通り元気な方や、高齢の方でも大きな援助の必要でない方は、上記の同様の旅行を計画していきます。


毎年、旅行の反省で、移動が非常に辛そうだった・・とか、食事の援助が困難だった・・とか、全然睡眠が取れないことがある・・とか、疲れ方が激しい・・・とか、様々な問題点があがってきます。


支援する職員を増やすとか、場所設定を変えるとかで対応できる部分ならばいいのですが、基本的に本人自身の問題となれば、根本から考え直す必要が出てきますね。



旅行先の設定が出来た後には、自分で意見を言える方や選択できる方等には、説明し選んでもらっています。


より多くのパターンや旅行先を設定し、利用者の方が満足できる旅行を目指したいものですね。
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