知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

障害者施設関係のニュースは・・・

2020年08月07日 | Weblog
連日、コロナ関係のニュースが大々的に報じられていますが、徐々に障害者施設内でも、感染者が出てきたようですね。

外部とのつながりで言えば、当然職員や外部業者からしか、考えられないのですが(特に入所施設は)、無自覚も怖いのですが、「自分は大丈夫」と思い、いろいろな場所へマスクなしで行ったり、大勢で飲食したり、夜の盛り場や密に接触できる店に行っても、気にしない・・・そんな一部の人間が、ネズミ算式に、ウィルスを広げているような、そんな感じもします。

2週間前の自身の行動なんて、多くの方が意識していないので、毎日同じ工程の仕事や通勤をされているならともかく、そうでない場合は、経路を確認なんて、ほんとに難しい問題ですね。


今日のニュースで気になったのは、そういうコロナ関係ではなく、障害者施設の代表が、施設内の利用者に暴行をしたとして逮捕された・・・そんな事件です。

「障害者施設代表が、入所者暴行疑い」
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200806/1000052376.html


事件の内容は、未だ十分に伝わっていないようですが、記事によれば、「女性入所者の尻をたたいた・・・」とのこと。
どちらかといえば、セクハラ事件かな?と思う記事なんですが、施設内のビデオに記録されているとのこと。

おそらく、この代表って、他の職員から、よく思われていなかったのかな?と感じます。(そういった行為を常時行っていたのか、あるいは、正義感いっぱいの職員が目撃して、訴えたか・・・)

そのあたりが、未だよくわからない状況なので、判断がつきませんが・・・


普段、暴行事件で目にするのは、物や手で直接、利用者の頭をたたいた・・・とか、首をしめた・・・とか、羽交い絞めした・・・とか、それは暴力でダメだろう!って感じるものが多いですね。なんか、今回の記事の書き方が、お尻をたたいた・・・とのことで、その程度は分かりませんが、悪意を込めたものか、それとも親しみを込めたものか(多少セクハラははいりますが)、本人通しでないと分かりません。

本人通しが納得していたら、軽い”こずき”や、”たたき”は、意識的に暴力として認識していないと思います。


ただ、第三者から見たら、あっ!”たたいてる”とか、”なぐってる”と見えなくもない・・・

本当に、障害者施設の支援の内容が分かっておられる方ならば、どの程度までが支援で、どの程度までが暴力なのか・・・?ある意味、分かると思います。

当然、意味もなく、また叱責も含め、暴力行為はダメなことは確かですが、障害者の方と職員間の人間関係がどうなのか?信頼関係はどうなのか?なんてことは、二の次になっています。


また、その事象の前後関係も分からないまま、事象のみを見て、判断するのも問題です。


以前に、私の友人が、施設内で利用者に暴力をふるった・・・とのことで、禁固刑に処され、また裁判でも(執行猶予付きの)有罪になり、この業界を去りました。
事実は、まだ闇の中です。(証言者が事実を隠していることもあります)

裁判長は、「障害者は純粋だから、嘘はつかない」なんて、時代錯誤の判決を出しました。(何年もかかっての裁判の結果がそれです)


「暴力」というと、思い切りなぐられた・・・とか、蹴られた・・・とか、そういった事象なのだと思いますが、世間なんて、言わばそんな事象はいっぱいあります。いちいち取り上げていれば、きりがないほどです。

(最近は、大学の運動部関係や相撲関係、その他スポーツ関係でも、よく出てきましたね)


目に見える暴力・・・という意味では、分かりやすいですが、世間には言葉の暴力やマスコミの(記事の)暴力、直接的には見えなくても、ネットでの書き込みや中傷等もあります。

どちらかといえば、そういった直接的でない様々な見えない暴力のほうが、人間を傷つけていると感じますが・・・


今回でも、その暴力の記事が出れば、いっきにその人は悪者になります。(後から正しくても、マスコミは無視します・・・記事について、あやまることはしません。)特に、某新聞社系はそうですね。

(芸能人ならば、そういう記事が出れば、いっきに人気が落ちますね。それも手段にしている場合もありますが・・・)



障害者施設の記事などは、どちらかというと、一方的な見方での記事になりやすいですね。

それは、世間(記事を書く記者も含め)が十分に理解せずに、記事にしている・・・という部分もあります。

老人施設や障害者施設なんて、いつも職員が暴力ふるってる・・・そんな印象を与えているかもしれません。現場も知らずに・・・
(職員がなぐられ、血を流しても、そんなものはニュースにもなりません。私も何度もありましたが・・・)


もし、何かのきっかけで暴力をふるってしまったら(怪我のない程度の軽いもの)、その場で直接、本人に手をついてあやまればいいと思います。そんな人間関係でいいと思います。
怪我をした、出血するほどならば、それは問題ですが・・・

それぞれ施設というところは、人間対人間の接するところです。いろいろな事象が起きます。


ニュースを出すなら、その事象だけを報じず、その経過や施設内の状況等まで説明してほしいと思いますが・・・。

だから、ニュース報道って、表向きの表面上だけをつくろったものなんでしょうね。(そういうものだという目線で、判断してほしいです)

だから、こういったニュースを目にすると、私は内部的に何があったのかな?といろいろ考えてしまいますね。

(今回の上記のニュースでも、おそらく代表と職員間の問題が表面化したのかな?と想像してしまいました・・・そういう感覚です)

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職場で生き抜いていくこと・・・

2020年08月05日 | Weblog
障害者福祉関係の業務について、約30年余り・・・、重度知的障害の方から、就職前の就労移行の方まで、様々な障害者の方と接してきました(まだまだ知らない分野も多いですが)。

障害者施設や事業所で勤務する職員というのは、最初からこの業界を目指してやってきた方と、何かのきっかけで関係してみたいと思った方、またどこも就職先がなく、しかたなくこの業界に入ってきた方(なんとなくの方も含め)、それぞれ経緯は様々です。


今まで、7,8か所以上の事業所や施設・法人を経験し、感じたことですが・・・

それは、利用者や職員それぞれに言えることなんですが、「その職場で生き抜くこと」って、非常に大事なテーマですね。

特に、対人関係を必要とする職場だと、どうしてもコミュニケーションや雰囲気に馴染むという、”面倒な”対応が必要になります。


(言葉は悪いですが)長年、自宅等で周りとの接触を避けてきた方などは、一旦社会に出ると、壮絶な社会の荒波に飲まれます。(これが辛くて、すぐに退避する方も多いですが・・・)

小学校から中高生時代での、他人と関わる技術は、やはりこの時代に(ある程度)つちかわれるものですが、ただその後の人生で、また違う環境で影響を受け、新たに身に付ける方もおられます。それは、少し遅くても、人生の半分である30歳代から40歳代頃に、身に付けても(私は)遅くないと思います。

※それ以降だと、自身の持っている価値観等が邪魔をして、なかなか難しいようですが・・・


面白いのが、集団生活を否応なくしている方は、生きる知恵を身に付けておられるようで、それは障害者の方であろうと、関係なく持っています。

経験では、長い間施設生活を続けておられた知的障害の方(高齢)ですが、実際に知的レベルは低く(いわゆる数値的なものは重度さんでした)出ているにも関わらず、その人生経験で身に付けた社会で生き抜く力はすごいもので、自分の意志で施設を抜け出し、タクシーや公共交通機関を(無料で)うまく使って、自宅に帰ったり、自分の生きたい場所へ行くことが出来る・・・そんな方がおられました。

逆に、子供の頃から両親や周りから高評価され、自身でも常に「自分は出来る人だ」と思い込んでいたため、実際に社会に出たときに、全く今までの経験が役に立たないことを知り(それでも社会を拒否し)、実力は確かに持っているのに、活かせていない方もいました。これは、一般の方でも結構存在すると思います。


まあ、これは極端ですが、どちらが生き抜いていけるかというと明確ですね。


特に、最初は社会に出たときは、誰しもが”新人”であり、先輩がおり、上司がおり、雇う経営者等がいるわけです。

そういう方々と、どういった関係を築けるか・・・というのが、社会での重要な課題で、これが一般会社や事業所と、障害者サービスの基礎に立っている事業所・法人を利用する部分でも違いもあります。(サービス利用ならば、事前にそういう部分が足りないことを踏まえて指導・援助するので、基礎から行えますが・・・)

先日、元職場のカウンセラーの方と話ししていて、説明されていたことで、普通の職場でも、「この人は、少し精神疾患があるなあ・・・」とか、「この人は、過去にLD(学習障害)やADHD(発達障害系を含む)等、それで苦労されてきた方かな・・・」等々、ある程度考え方や話し方、他人等とのコミュニケーション、行動様式等で、分かる部分がある・・・と言っておられました。

それがどうなんだ・・・という問題ではなく、その後、それを克服して社会で活躍されている方は、非常に頼もしいと思いますが、逆に自身がそれを十分に意識しないで、中途半端に大丈夫だとか、そのまま改善せずに生きてきた方は、おそらく(大きな部分で)他人に迷惑をかけていますね。


先日まで勤務していた事業所の上司は、まさにそのタイプだっだそうで(そのカウンセラーの方の言葉)、自分のやり方が正しいと思い、それを実践してきたが、間違っていることに気づかず、多くの人材を無駄にしてきたようです。
(そのカウンセラーの方が言うには、まともな人間は、すぐに辞めていく・・・、(上司の)間違いに気づかない人だけが残っている・・・とのことです。・・・と言っても、その時点でたった開所7か月で続いている人がいませんでしたが・・・開所以降10名近くの方が辞めているようです)


別に元職場の批判をしているわけではなく、どこの職場でも、自身の悪い部分を理解し、良い方向性を見出すことが重要ですが、半年も同じ業務を続けていて、それに気づけないのは、どこか(その自身に)根本的な問題があるということですね。
言ってみれば、その方をその上司に据えている経営者が悪いんですが・・・


また、以前の職場でもありましたが、若い職員さん(3年未満)が、見習う先輩職員や、ついていく上司を見誤っていることがあります。

私が、長年勤務してきた法人を辞める原因を作ったのも、その若い職員さんだったようですが、常に経験不足な部分や、経歴・本人の不足部分等を批判していたのが、その経営者であり、逆にそれを見守って、かばっていたのが私たち、少数の人間・・・だったのですが、その経験不足な若い職員さんは、排除する人間を間違えたのか?かばってくれていた人間を陥れたのですね。
(例では、記録文章が下手だとか、運転免許の試験が通らないのは頭が弱い・・・だとか、平気で言っていましたが、それは徐々に経験でよくなっていきます・・・と常にカバーしてきましたが)

そういう事実は、全く本人には伝わっていませんでした。


経営者に常に媚を売っている上司がいい人だとか、陰で利用者に暴力的な行為や言葉をかけている先輩をいい人だとか、そういう見方をしていたようです。

あくまでも、これも経験なのかな・・・と考えればしかたないですが、結果は非常に悪い方向にいきました。

職場での人間の見極めも難しいですが、これは大切な部分です。


就労支援事業所では、A型でもB型でも、利用者の方は意外に?よく職員を観察しています。「あの人は、言葉かっこいいけど、中身がない」とか、「たいして仕事してないのに、長いこと(職場で)続いている・・・悪い意味」とか、逆に「頑張っているのに、評価されていないね」や、「私たちのことを、考えてくれていない」等、聞いてみると、その通りだと思うことも多いです。

精神疾患を患っている方などは、周りの状況や雰囲気を読み取るのが、非常に敏感で、一般職員以上に、いろいろなことを感じ取られていて、話してくれます。


ただ、社会で生き抜いている方が、そういう部分がうまく出来ている・・・というわけでもなく、運がいいとか、たまたま・・・とか、あまり目立たずに生きているだけ・・・という方も多いですね。

逆に、雰囲気を読んだり、気を遣ったり、自身を控えめにしている方のほうが、うまくいっていないかも・・・


そういう意味では、社会で生き抜くのは、要領がいい人・・・って結論に? それはあまりにも寂しいですね。

このままでは寂しいので、親戚の姪っ子の飼っている犬の写真を・・・(笑)





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