夕刊/金田ヒサ

THE RAMBLINGSのフロントマンが贈る漂流記

壁の手前で何を語る

2009-10-30 | Weblog
JAZZやBLUESを演っていても飯は食えない。

とある夜、先輩ミュージシャン2人が呑みの席で

真顔で俺に語ったのが冒頭の台詞であった。

俺は諦め話しを熱心に話す2人に苛立っていた。

何を言ってるんだ、このオッサン達は?

確かに薄っぺらい色恋もんの歌がよく売れるこの国で

JAZZ&BLUESを奏で一線で仕事する事や

ましてヒットチャートを駆け上るのは難儀だろうさ。

しかしだよ。

はなっから諦めてんのは何だか合点がいかぬのだ。

(2人とも確かな技量を持つ素晴らしいプレイヤーだよ。)

JAZZやBLUESという自分達が愛してやまない

音楽やジャンルのせいにして語っている事に腹が立った。

自分達が勝手に作った常識に捕らわれて挑まず

ましてやジャンルにかこつけるとは情けないではないか。

認められずメゲるならまだわかるさ。

俺がつくるルーツ・ミュージックをベースにした

音楽だって生業にするのは容易じゃないだろうよ。

だけど物知り顔で諦め話しなんかしねぇよ。

俺はこの国の音楽業界の事情なんて知らない。

認められなくても信じている音楽のせいにはしない。

自分の才のなさに己でガッカリするだけだぜ。

諦めてんならやめちまえば良いじゃねぇか。

わかってんなら売れる音楽ジャンルに転向しろよ。

何の為に素晴らしい音を求めて演ってきたんだい?

いいかい?俺は何ひとつ諦めてなんかいないよ。

この曲はいつかわかってもらえると思ってるんだ。

音楽の力とソウルがまだまだ足りない俺は

世の流行りなんて意識して音楽やってる暇はねぇ。

素晴らしい音楽は必ず残り時を越え人の心に届く。

ある音楽家曰わく、世には2つの音楽しかないらしい。

それは良い音楽とそうじゃない音楽だと。


年齢と共にキャリアを重ねていく事で

何でも知っているような気分になるんだろう。

だけど本当に知らなければいけない事は

通り過ぎてきた日々の中にあるように思えてならない。

諦め話しに花を咲かすのはまだ早いだろ(笑)。

そんな話しより古いギターの話しを聞かせてよ。
コメント (4)
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