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読書と旅行と柴犬のブログ
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書籍「赤の他人の瓜二つ」この物語に希望はあるのか?

2011-05-06 00:09:22 | 読書の時間
「赤の他人の瓜二つ」★★★
磯崎憲一郎 著 ,
講談社、2011/3/18、初版
( 174ページ , 1,470 円)


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「血の繋がっていない、
その男は、私にそっくりだった。
青年の労働の日々はやがて
日眩くチョコレートの世界史へと接続する―。
芥川賞作家入魂の“希望の小説”。」

(紀伊国屋書店HP紹介文より)


前作2作読んでいる
@「肝心の子供」106ページで語る親子3代記
@「終の住処」過ぎた時間は一瞬に思えても、確実に時間は経過している


自分にそっくりな人間は
地球上に2人くらいはいると言われてるが
この小説はそんな偶然を描いたわけでもなく、
HPの紹介では「希望の小説」とまで
書かれているが、
自分には希望はどこにも見えなかった。


だいいち「希望」って何だろうか。

チョコレート工場で働き
社宅に住む一家、
彼らを描くかと思えば
チョコレートの歴史に話が及び
身近なところでは現代のバレンタインにまで。

ひとつの対象はかなり詳細に書かれているのに
話は歴史の教科書をザクッとめくるみたいに
時空を飛び越え過去から現代へ、

読み進める今目にしている文章は
読みやすいのに
ふと目をあげて全体を見ようとすると
全く分からないような妙な感覚。



読み終えても全く釈然としない
だからと言って読み返すとかいえば
もうこれでいいやと
別の本を読み始めるわけで。


作者はこの本でやりたいことを
きっと緻密に計算し構築して
ここに描き切ってきるのだろうが
自分のような分かりやすく
感情移入出来るような本が
基本的に好きな人間には
とても不親切な出来となっている。



登場人物の感情ってものは
書かれた以上のものは全く
窺い知ることが出来ない。

この作家はこの道をいくんだどろうな
なんだか玄人受けする作風だけれど
せっかくなら
心をわしづかみにされて
しばらく放心状態になるような
そんな心情に深く踏み込んだ作品も
読んでみたいと思うが
どうだろうか。

前2作と同様、時空を飛び越えた内容でありながら
どこへも行けないような
希望というより閉塞感のよなものばかりが残る

そんな読後感、
不思議な時間を体験したいなら勧めるが
万人向けはしないな。


★100点満点で65点

soramove
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この路線をいつまで続けるのだろう、
変わった作家だけれど、心に残る名作かって?

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