soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

旅のsora「南の国の新年」

2006-01-03 20:50:42 | soramove
ある年の新年
僕は南の島にいた。

電気も水道もなく、高床式の住居で
芋を栽培し、近海の魚を食べ
娯楽は皆で火を囲んで歌ったり、眠くなるまで
話すことだ。

心配なのはマラリアを持つ蚊と
眠っている間にそこらじゅうを這い回るでっかいゴキブリ。

その島の子供達は日本刀に形の似た大きなナイフを持ち
椰子の実を木に登って落とし、それをかち割る、
器用にヤシの実ジュースを飲み、
ココナッツミルク作りは彼ら子供の仕事だ。

「今日はごちそうだよ」子供が知らせてくれる、
手を引かれて見に行くと
豚の丸焼き実演中、祭りのような
興奮とにぎやかな声がそれを取り囲む。

「新年を祝ってのごちそうだね」と言うと
「オマエがここに来てくれたお祝いだよ」と答える。

嬉しさより戸惑いが大きかった。
なんにも無いところだった。
豚はその家の財産で
皆大切にしていることを聞いていた。

自分の好奇心のまま、我が物顔で旅する途中
その家の一番の財産をなげうって歓迎してくれるということ。

それは受け取る側に忘れられない記憶として残る。

何か出来ないかなと思った、
ちゃんと返しているのかと、あの時もらった心を。
時々自分に聞いてみる、まさかあの時の嬉しい気持ちを
忘れたんじゃないだろうなと。

ちゃんと返せてるかな。

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