ある年の新年
僕は南の島にいた。
電気も水道もなく、高床式の住居で
芋を栽培し、近海の魚を食べ
娯楽は皆で火を囲んで歌ったり、眠くなるまで
話すことだ。
心配なのはマラリアを持つ蚊と
眠っている間にそこらじゅうを這い回るでっかいゴキブリ。
その島の子供達は日本刀に形の似た大きなナイフを持ち
椰子の実を木に登って落とし、それをかち割る、
器用にヤシの実ジュースを飲み、
ココナッツミルク作りは彼ら子供の仕事だ。
「今日はごちそうだよ」子供が知らせてくれる、
手を引かれて見に行くと
豚の丸焼き実演中、祭りのような
興奮とにぎやかな声がそれを取り囲む。
「新年を祝ってのごちそうだね」と言うと
「オマエがここに来てくれたお祝いだよ」と答える。
嬉しさより戸惑いが大きかった。
なんにも無いところだった。
豚はその家の財産で
皆大切にしていることを聞いていた。
自分の好奇心のまま、我が物顔で旅する途中
その家の一番の財産をなげうって歓迎してくれるということ。
それは受け取る側に忘れられない記憶として残る。
何か出来ないかなと思った、
ちゃんと返しているのかと、あの時もらった心を。
時々自分に聞いてみる、まさかあの時の嬉しい気持ちを
忘れたんじゃないだろうなと。
ちゃんと返せてるかな。
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僕は南の島にいた。
電気も水道もなく、高床式の住居で
芋を栽培し、近海の魚を食べ
娯楽は皆で火を囲んで歌ったり、眠くなるまで
話すことだ。
心配なのはマラリアを持つ蚊と
眠っている間にそこらじゅうを這い回るでっかいゴキブリ。
その島の子供達は日本刀に形の似た大きなナイフを持ち
椰子の実を木に登って落とし、それをかち割る、
器用にヤシの実ジュースを飲み、
ココナッツミルク作りは彼ら子供の仕事だ。
「今日はごちそうだよ」子供が知らせてくれる、
手を引かれて見に行くと
豚の丸焼き実演中、祭りのような
興奮とにぎやかな声がそれを取り囲む。
「新年を祝ってのごちそうだね」と言うと
「オマエがここに来てくれたお祝いだよ」と答える。
嬉しさより戸惑いが大きかった。
なんにも無いところだった。
豚はその家の財産で
皆大切にしていることを聞いていた。
自分の好奇心のまま、我が物顔で旅する途中
その家の一番の財産をなげうって歓迎してくれるということ。
それは受け取る側に忘れられない記憶として残る。
何か出来ないかなと思った、
ちゃんと返しているのかと、あの時もらった心を。
時々自分に聞いてみる、まさかあの時の嬉しい気持ちを
忘れたんじゃないだろうなと。
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