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『想い雲 みをつくし料理帖3』

2021-12-03 18:23:42 | 日記
『想い雲 みをつくし料理帖3』髙田郁

このシリーズ、一冊だけ読んだ事があった気がするのだけど
どうも、初読っぽい。
江戸時代の料理屋のお話しを読んだなあ…程度の、
相変わらずの記憶力で。

しょっちゅうウナギを食べているやつ…は
佐伯泰英の<居眠り磐音>シリーズである笑

うーん、他になかったかなあ。
料理屋が舞台で、具体的なレシピも出てくる江戸もの。

まあいいや。
こちらは初読ってことで。
<みをつくし料理帖>シリーズの、いきなり3作目です。
図書館で見かけて発作的に借りたもので。
大阪出身の女料理人・澪の成長譚みたいな連作短編集。

というわけで、大阪出身の澪ちゃん視点で
当時の江戸と大阪の食生活の違いが頻繁に描かれます。
おもしろいなあ。
夏といえば江戸はウナギだけど、
澪とご寮さんにとっての御馳走は鱧(はも)なのですね。

私は関東在住関東人ですが、近所に住む京都出身の友人が
「美味しい鱧と生麩が食べたい」と言ってました。
現代でも、こちらの食材店ではあまり見かけないなと
改めて気づいた。

ところで澪ちゃん、
大阪の元大店のご尞さん(奥様)のお芳と長屋で同居するとか、
その店を潰したと言われている息子探しとか、
生き別れの幼なじみが花魁になってる(身請けしてあげたい)とか、
働いている店に意地悪した江戸の大店とか、
なんか、心穏やかに読めない設定がてんこ盛り…。

それでもがんばる姿がこのシリーズの肝なのだろうけど。
もっと心穏やかに暮らしてほしいと思うのは私だけだろうか。
もしくはむじな長屋の連中くらい、能天気に生きてほしい笑

ところで、
吉原の楼主に「女のつくった料理なんか客に出せない」と言われて
ムッとするのはいいのだけど、
大逆転感謝されたあとに謝礼を受け取らないのは、
だいぶ失礼だと思うよ。
「忘七が稼いだ銭は受け取れないか」と言われて、
肯定はしないけど否定しないあたり、
そう思ってんだなあ、女料理人が差別される時代にがんばりつつ
女郎屋は差別してんだだあ、と思っちゃう。

まあ、いいんですけど。
私はこの主人公の女の子を応援できるだろうか。
他作品を読むかは未定。
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