思惟石

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杉浦日向子『ゑひもせす』初版が欲しい…!!

2020-05-15 14:32:21 | 日記
久しぶりに読み返しました。
杉浦日向子先生の初期作品集『ゑひもせす』。

おもしろいわ〜!
胸と脳に沁みるわ〜!
好き!!!

22歳という若さで雑誌「ガロ」デビューした作品
『通言室之梅』(つうげん むろのうめ)を含めた
9編が収録されています。

特に評価が高いのが赤穂浪士討ち入りを
ひなこ先生の情報力と、ひなこ先生らしい視点とで
まさに文字通り「考証」した作品『吉良供養』。
どこから資料をひっぱってきたのかな?
ひなこ先生、現場にいらっしゃったのかな?
というレベルのものすごい細かい挿話が多数描かれています。

赤穂浪士は正義、吉良は悪、みたいな構図は
現代では疑問視されて久しいけれど、
1980年代当時、まだその視点はあまりなかったんじゃないかな。
資料だって紙であたらなければならない頃で、
この時代考証の確かさというか、頼もしさ。
すごいですよね!
20代前半ですよ!
私は大学で呑んだくれてましたよ!

個人的には、
現場から逃げちゃったご家老や菓子蝋燭の役人への共感とか、
吉良家の家督を継いだばかりで災難に遭った
若き当主へのまなざしとか、胸に来ます。
彼らに対するまことにひなこ先生らしいコメントを加えつつ、
事後の聞き取りの内容や、死者やけが人の数字など
厳然たる事実の圧倒的パワー!

すごい作品ですよ。
これだけで1冊分のお値段支払っても良いんじゃなかろうか。

もちろん他の作品も素晴らしいですけど!
22歳〜24歳でこれだけ描くって、
すごいよなあ。
何度も言うけど。

個人的には『袖もぎ様』が好きです。

ところで。
私が持っているのは双葉社の新訂版なんですよね。

1983年当時に担当をされた小倉美千子氏が
あとがきで書かれているのですが、
初版本は相当に凝ったものだったそうです。

何しろ小口が真っ黒。
それも職人の手塗り。

なにそれ!

カバー裏には、カバーに描かれた花魁の着物に合うように
本物の古い留袖からとった鶴の刺繍柄が印刷されていたとか。

ステキじゃないか!!欲しい!!

残念ながら予算的にはハマらなかったんでしょうね。
どちらも、新訂版には反映されていません。
ホント残念…。

復刻版つくってくんないかな。
相応の値段を払うからさあ。
(と言いつつ、払えない値段だったらどうしよう)

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