思惟石

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『ガラパゴス』もっと評価されるべき!

2021-11-04 11:37:06 | 日記
相場英雄『ガラパゴス』
社会派警察小説と言えば良いのかな?
すごいよかった!!面白かった!!すごい!!

メモ魔で冴えない外見の田川刑事が主人公で、
地道に捜査をするのですが。
彼が聞き役というか学び役というかになって、
色々な知識を集約していくのが、すごくおもしろい。

作者が元々記者さんだそうで、
めちゃくちゃ取材もしているのでしょう、
現代日本(舞台は90年代から0年代ですが)の
様々な現象や社会問題がわかりやすく描かれています。

日本のエコカーは全然エコじゃないとか。
ハイブリッド=エコというのも間違い(知らなかった!!!)とか。
派遣業界のドブラックな仕組みや現場の悲惨な状況とか。
なんとな〜くニュースや新聞で齧って知った気になっていたけれど
まったく分かってなかったということがよく分かりました。

ルポや新書ではなく小説だということを差っ引いても、
ものすごく勉強になったし、何よりも理解しやすかった!それ大事!

ちなみにストーリーのメインは、
身元不明ファイルに紛れていた他殺事件。
被害者の「903」こと仲野くんの人柄も良くて、
読みながら「がんばれ田川のおっさん!事件を解決するんだ!」と
応援したくなる。

敵役のひとりである鳥居刑事も、良いと思う。
徳の分け方が間違っていたけれど、がんばって生きてほしい。

とにかくおもしろかった!
もっと評価されても良くないか?
山本周五郎賞の候補作って。
湊かなえとダブル受賞でいいじゃないか!

とはいえアマゾンよりも評価が厳しいブクログで
4.0超えなのは、さすがだと思う。

(余談ですけど、アマゾンの「美本でした」評価って、
 内容の評価と別枠にならないもんですかね)

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