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有栖川有栖『双頭の悪魔』楽しめた!

2019-08-23 14:41:36 | 日記
有栖川有栖という作家が描く、
有栖川有栖という名前のキャラクターがワトソン役の
有栖川有栖シリーズは2種類あります。

って、何言ってるのかわかりませんね。
私も何言ってるのかわかりません。
でも、ありのままを話してるんだぜ…。

それはさておき。
ありのままを話すとですね。

<作家アリスシリーズ>は、探偵役が火村英夫。
・有栖川有栖は作家、34歳前後の設定
・火村英夫は犯罪社会学の助教授(現在は准教授)
・何かとタイトルに国名がつく
 (エラリー・クイーンの国名シリーズのオマージュ)
・長編もあるが、短編も多い
・多作。

<学生アリスシリーズ>は、探偵役が江神二郎。
・有栖川有栖は英都大学の法学部学生(1~2年)
・江神さんは永遠の大学4回生。27歳くらいか。
・何かと「読者への挑戦状」がつく
 (エラリー・クイーンへのオマージュ。ホント好きなんだな)
・作家シリーズに比べると、青春臭い記述が多い。
 (とはいえ作家アリスも歳の割に乙女チックな感傷が多い)
・基本的に、長編。で、クローズドサークルもの。
 作者は何でこんなに辛い枷を自ら設けたのか。
・そのせいでしょうね、寡作。

という感じで分類できます。
個人的な感想が大半ですが。

で、『双頭の悪魔』です。
<学生アリスシリーズ>の3作目にして、
最も評判の良い作品です。

1作目『月光ゲーム』、2作目『孤島パズル』を読んだのは
8年ほど前ですかね。
当時は、あまり良いと思わなかったんですよね。
学生アリスの青春臭い語りの部分が私の好みに合わなくて、
肝心のミステリ部分に身が入らなかったというか。

というわけでだいぶ間が空いてしまいましたが、
なんとなく気が向いて3作目を読んだ次第です。

お、意外とイケるぞ。
むしろ学生の自分語りが、ちょっと、愛らしく感じちゃって、
温かい気もちで読んじゃうぞ!!

要するに、歳を取ったということである。
こんなとこで実感したくなかった…。

<学生アリスシリーズ>は
ごりごりの本格ミステリでありパズルミステリです。
気を散らさずにマジメに読んでいくと、
ちゃんとトリックや犯人への手がかりが書かれていて
「読者への挑戦状」に対して回答できる構成になっています。

と言いつつ私は謎解きしたくてミステリを読むタイプではないので、
そこで頭使わずに読み進めちゃうんですが。

『双頭の悪魔』は、アリスとマリア、二人の語り手がいて
ふたつのクローズドサークルがあって、
ふたつの事件が起きます。

そして、物語を通じて3つの「読者への挑戦状」が突き付けられます。
奮発したなあ!
ひとつめのトリックだけわかりました。
だから勝ちとか負けとかではないですけどね。
楽しく読めたので、大勝利ではなかろうか。

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