思惟石

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『カペー朝 -フランス王朝史1』 フランス王朝史を駆け抜けろ!

2024-03-14 13:48:44 | 日記
『カペー朝 -フランス王朝史1』
佐藤賢一

『ヴァロワ朝』読了じゃあ!
と思ったら、前作である『カペー朝』の感想を書いていなかった…。

こちら、講談社現代新書から出ている佐藤賢一氏の
<フランス王朝史>三部作です。
著者は直木賞受賞作家。
とにかく読みやすい文章で
代々の王を描きながら歴史を辿るので、
親近感も湧いちゃいます。

フランス王は全員嫌いだったんですが、
気づいたら「その気持ちわかるよ…」と思ってしまいました。
わたしの思考がちょろすぎるのもあるけれど、
とにかく、文章がうまいんですよ。
「わかる〜」と相槌打っちゃうんですよ!!

美男王フィリップ4世は許さないけどな!
とはいえ、気持ち悪いなこの人笑。
知れば知るほど怖い人だとわかります。

著者は歴史の捉え方もおもしろくて、
フランス(カペー朝)を、フランク王国の末っ子に例えているの、
わかりみが深いし、理解がはかどります。

長男の東フランク(神聖ローマ帝国)も
次男の中央フランク(減りに減ってイタリア、というかローマ教皇領)
も世界の覇者として振る舞わなければならず(実態が無いのにね!)
どんどん疲弊していく横で、
王国として身の丈にあった「内実」をなんとか備えるに至った
ちゃっかりしっかりな末っ子が、フランス王国。
なるほどなあ。

そんなフランスの諸侯でしかないノルマンディー公が
気づいたらノルマンコンクエストしちゃって
諸侯兼イギリス王になっちゃっているのもおもしろいですよね。
そもそもが、ねじれ構造だったという。

イギリス王家(プランタジニット王家)アンジュー伯と、
フランス王ルイ7世の戦いも熱いんですよ!
元妻に振り回されるフランス王!
(元妻はアキテーヌ公領を持って英王と再婚しちゃう)
応援するしかない笑

次のフランス王フィリップ2世は
強敵アンリ(英王ヘンリー2世)の息子リシャールを味方にしたり、
って、リシャールあんたリチャードか。獅子心王か〜!
弟のジャンは、欠地王ジョンやんけ〜!

と、フランス読みと英語読みの名前の違いがコネクトする。
楽しい。
紛らわしいけど笑

この調子でヴァロワ朝・ブルボン朝も駆け抜けよう!

(と熱い思いで読書メモを書いたのが5ヶ月前です。
 ちょっと寝かせてしまった)
コメント
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