思惟石

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『シェイクスピアを楽しむために』

2024-03-06 11:11:36 | 日記
英米文学史の本を読んで、気づきました。
私、シェイクスピアを読んだことも観たこともないかも…っ!
と。
ロミジュリとか、「to be, or not to be」とか、
理解はしてないけど存在は知ってる!みたいなレベル。
なんなら、夭折した息子の名前がハムネットなのは知ってるけど、
ハムレットが喜劇か悲劇かは知らない、というレベル。
よし、なんとかしよう!

と思って読んだのがこちら。
<知っていますか>シリーズでおなじみ阿刀田高大先生の
『シェイクスピアを楽しむために』
(聖書もギリシャ神話も古事記も阿刀田先生に教わりました。
どれもこれも原典はいまだに読んでいない!)

シェイクスピアは1564年生まれ、1616年没。
「ひとごろし」「いろいろ」で覚えるそうです。
冒頭から、めっちゃ勉強になる〜!!

シェイクスピア演劇の11作品をそれぞれ章立てして、解説。
設定とストーリーだけでなく、時代背景や考察も豊かで
読んでいて楽しい。

『ハムレット』の舞台はデンマーク・エルシノアのクロンボー城。
ここ、中野京子さんの本に出た城だ!
ストルーエンセとの醜聞で王妃カロリーネが幽閉された城
進研ゼミでやったところだ!的なうれしさがありますね。

あと、『オセロー』の章での小ネタで、
肩書きは偉い順に「公・侯・伯・子・男(爵)」。
へえ〜。歴史本で「伯領」「公領」とかで争っているけど
肩書きランクを覚えておくと読書が捗りますね。

ちなみにシェイクスピアの生きた時代はエリザベス女王時代。

シェイクスピアの<史劇>と言うと14世紀〜16世紀の英国、
ランカスター朝、ヨーク朝を経て(薔薇戦争)
テューダー朝が成立するまでが舞台のものを指すそうです。
(『リア王』は古代なので<史劇>に含まれないし、
 『ジュリアス・シーザー』は英国ですらないので含まない)

<史劇>が史実かと言われると、まあ、テューダー朝に
下駄を履かせているらしく、むべなるかな。です。

あと個人的な学びですが、

罪の意識からずっと手を洗い続けて
「血が落ちない」と言う有名なモチーフ(?)は
マクベス夫人。
池井戸潤の小説『シャイロックの子供たち』でおなじみの
金貸しシャイロックは『ヴェニスの商人』。
黒澤明の『乱』は『リア王』のオマージュ。

シェイクスピアってすごいな!
そして分かりやすく解説してくれる阿刀田高さんは
本当にありがたいな!!

いつか、英語オリジナルのセリフで観劇してみたいです。
英語、ぜんぜんだけど。
コメント
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