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しらの風景

自然と野鳥や生き物が大好き!自然の中には学びがいっぱい。
デザインの仕事をしながら、楽しく生きる智慧を探します。

輪読会。(5/1*木)

2008-05-01 | 読書大好き!
仲間たちと輪読会をやっています。
場所は仲間の一人のお店、メロメロポッチというライブハウス。
いろんな活動をしている人たちが集まる場でもあります。
今、みんなで読んでいるのは「スローライフでいこう」。
インドのエクナット・イーシュワランさんが書いたこの本は
ガンジー哲学が基本になっています。

今日は第5章の“自由な心で生きる”。
最初にイギリスの詩人であり画家である
ウィリアム・ブレイクの美しい詩が引用されていました。

・・・・・・・・・・・・
快楽に執着するものは
その翼のついた生命を壊してしまう
去りゆく快楽を口づけとともに送るものは
永遠の日の出に生きることができる
・・・・・・・・・・・・

過去も未来も考えずに完全に『今、ここ』に
生きることに集中することが
無執着(とらわれない心)を実現させる秘訣だという。
生活の中で忘れそうになる大切なことを
いくつも考えさせてくるメッセージが詰まっています。

この輪読会、何故か仲間たちが一人は仕事で九州へ
二人目はやはり仕事で四国へ旅立ち、
今日集まった6人のうちの3人がもうすぐ
結婚などで東京へ旅立ちます。幸せな旅立ち!
寂しくなるけどお祝いも兼ねて
今夜はみんなで食事&飲み会をしました。

出会いがあって別れがありますが
その中で共に学び合えたことが幸せ!
今度また会えるのはいつになるのだろうね。

『東京湾にガンがいた頃』(2/26*火)

2008-02-26 | 読書大好き!
鳥の大先輩から「これ、読んで見なさい」と渡された本。
これは3冊目の本(課題書)になります。

今までは自分の趣味で本を選んで読んできたのですが
ここのところご縁があって、尊敬する二人の方から
それぞれに勧められた本を読んでいます。

今日は、用事で外出先で待ち時間があったので
この本を一気に読みました。

いい本だった~!中学生の頃から野鳥に興味を持った1939年生まれの
著者が東京湾で仲間たちと鳥見をしながら識別能力をつけ
人生を豊かにしていくお話なのですが
時代の流れで、どんどん自然が破壊され鳥がいなくなり
これからの人のあり方に警告を発している本です。

私は著者より若い世代ですが、
やはり周りの環境がどんどん変わり大好きな自然が失われ
生き物たちが消えていく経験を持っているので
すごく共感できる本でした。

エピローグの最後にあったジ~ンと来たこの言葉、
忘れないように手帳に書き留めました。

「私たちにできることは?私に言えることは“前後”(未来・過去を読む)、“左右”(身のまわりをみる)、“上下”(みえにくいものを探る)を視野に入れ、人生賭けてできることに精進すること。バードウォッチャーなら、野鳥たちや自然を守るなにかをしながら社会に働きかけていれば、やっていることできっと道がひらけてくる。そう信じて、無情な未来へと手探りですすんでいくのだ。私の人生にはまだ先がある』

『スローライフでいこう』(7/5*木)

2007-07-05 | 読書大好き!
今週は集中講義のためデザイン専門学校へ。
朝から雨のため、バスで行こうと家を出たけど
空が明るくなってきたので、引き返して自転車で出発。
30分くらい走って、学校近くの公園までたどり着くと、
もう雨は上がっていました。

早めに着いたので、公園のベンチに
ビニール袋をしいて、ほんのひととき読書を!
今、読んでいる本は、『スローライフでいこう』。
朝のひとときをゆっくり過ごすことが
一日をゆったりと過ごす秘訣、なんて書いてある。
このひとときも、なかなかリッチな時間です。

著者は、エクナット・イーシュワランさん。
ガンジーを師と仰ぎ、スローライフを
提言しているインドの学者です。
この本、実は仲間たちと輪読会をしている場で、
テーマになっている本なのです。
心をスローにして、本当に大切なものに向かって
充実した生活を送ろう、といった内容の本。
なかなか興味深い部分がたくさんあって面白い!

筆者が豊かな人生を営むために実行してきた
8つのステップの紹介は、
1.スローダウン(朝の時間をゆっくりと大切に過ごす)
2.一点集中(一時に複数のことやらない)
3.感覚器官の制御(好き嫌いを減らす努力を)
4.人を優先させる(人と意見がくい違っても、対立する必要はない)
5.精神的な仲間をつくる(精神的に高めてくれる人と過ごす)
6.啓発的な本を読む(崇高な精神性をたえず心の中に入れておく)
7.マントラ(あなたの意識を変容させるパワフルな言葉)
8.瞑想(朝の30分の瞑想をすすめる)
というもの。

この本には、それについて詳しく書いてあります。
今、輪読会のメンバーも募集中!
金沢市近隣にお住まいの方で興味がある方は
この輪読会に一度参加してみませんか。
私にとっては、輪読会の場は5番の
精神的な仲間がいる場となっています。

絵本『木を植えた男』。(2/15*木)

2007-02-15 | 読書大好き!
毎晩、いつも眠る前には本を読むのが習慣です。
繰り返し読む自分の好きな本の場合もあるし、
図書館で借りて来た本を読むこともあります。
だから私のお布団の頭の上には、
いつも何冊かの本が積み重ねられています。

好きな本は、自然関係の本やノンフィクション関係、
生き方や心がテーマになったもの。それに
音楽や絵画などの作家がテーマになったものも好きです。
繰り返して読んでいる本は、星野道夫さんや龍村仁さんの本、
インディアンの本などでしょうか。

先日は図書館で絵本をたくさん借りてきました。
最近の絵本は、子ども用とは限らずに
大人が読んでもじ~んと来る絵本がたくさんあります。
ノンフィクション作家の柳田邦男さんも
最近、絵本にはまっているようです。
何年か前になりますが、友人が貸してくれた
絵本「あらしの夜に」は読んでいて泣けてきました。

今日、紹介するのは『木を植えた男』です。
一人の羊飼いの男が、荒れ果てた地に種を植え続け
森を再生する物語です。実話に基づいたこの話は
一人の人間の持つ力に、自信を与えてくれるようです。

今、この地球では森は壊滅的な状況です。
特に経済のために熱帯雨林の消失(=生物種の絶滅)が激しく、
伐採はとどまるところを知りません。
森だけでなく、地球温暖化も深刻さを増し
自分の力の無力さに、なす術もなくなるような状況。
だからこそ、この本は力を与えてくれるような気がするのです。

荒れ地から森が再生した場所には、
生き物たちが戻って来て人々の笑い声が響きます。
誰もこの森を一人の男が作り出したとは思い至りません。

男が、質素な生活の中で淡々と
自分の生きる使命を果たした結果。
不屈の精神とたゆまない熱情。
彼ほど頑張れなくても、一人ひとりが動き出せば
やっぱり世界は変わると思わせてくれるステキな絵本です。

映画『ガーダ~パレスチナの詩~』(9/16*土)

2006-09-16 | 読書大好き!
金沢では、今日から4本のドキュメンタリー映画が
香林坊のシネモンドで上映される。
どれもこれも、観なければ損な映画ばかりだと思う。
今日は初日で大サービスの監督のトーク付き映画が2本。
午前に「六ヶ所村ラプソディ」鎌仲ひとみ監督、
午後に『ガーダ~パレスチナの詩~」古居みずえ監督の
上映とトークがあったので、さっそく仕事の終わった午後に出かけた。

遠くの日本でおぼろげにニュースで流れるパレスチナの
難民キャンプの問題を、どれだけ頭で想像してみても
私には、なかなか現実感が湧かない。
でもこの映画を観て、ガーダという一人の女性を通して
パレスチナという場所をみていくと
同じ人(女性)として生きる哀しみや喜びがしっかり伝わってくる。
前向きに生きる彼女は古い因習とぶつかりながらも
パレスチナ人としての自分自身のテーマを探し求めていく。
それは、古老たちから故郷を奪われた体験や暮らしを
しっかりと次代に伝えるというものだった。

飛び交う銃弾の中での生活。人々は進撃する戦車に
石を投げて抵抗し、その人々に向って銃が撃たれ毎日人が死んでいく。
憎しみと憎悪の繰り返し。そして家を壊され、
畑を奪われる悲しみの中でも彼らは愛をテーマとした
詩や踊りを楽しむ、そんな人として明るく必死に生きる姿。
私の中でパレスチナという場所がこの映画を観てやっと見えて来た。
古居監督が12年間撮り続けて作り上げた
この映画からは、ニュースでは知ることの出来ない世界や
そこで生きる人々の等身大の姿が見えてくる。

映画のあとは、県のNPOセンターで二人の監督さんの
対談があったので、それにも参加。
そこでは、今日本が向おうとする方向が
いろんな状況からとても危険な方向に向かって来ていることを知った。
そこからは戦争に関わっていこうとする国の姿が見えてくる。
まず、地域を守ること。人間関係のつながりをしっかり持つこと。
そして、いろんな問題を一人でも多くの人と共有していくこと。
一緒に悩んでいくことが大切!といった鎌仲監督の言葉が印象的だった。

『戦争とフォト・ジャーナリズム』(8/19*土)

2006-08-19 | 読書大好き!
NGOの活動を入り口に、地球環境や平和をテーマにいろいろ学んできた。
石川では、それぞれのグループを越えてピースをテーマに
メーリングリストがある。私もお誘いを受けてそのMLのメンバーの一員
になっているので、リアルな日本や世界の状況がMLを通して送られてくる。
その情報は時として、政府やマスコミの情報と異なっている事も多い。

真実はどこにあるのか?そして、国家や社会のからくり。
それがこういう活動をしていると見えてくる。
そして、その中でも私が情報源として最も信頼しているのは
フリーのフォト・ジャーナリストからのメッセージかもしれない。

先日図書館で借りて来た世界の戦場シリーズの中の一冊。
広河隆一さんの『戦争とフォト・ジャーナリズム』。
その中には大切なメッセージがたくさん込められていた。
命をかけて真実を伝えようとする情報を
私たちはどこまで受けとめる事が出来るのだろうか。
・・・被害者、犠牲者のことを伝えることこそがフォト・ジャーナリスト
の仕事。しかし、今は従軍記者として加害者側に取り込まれた戦争報道が
大方を占めてしまっている・・・と広河さんはこの本の中でも書いている。
ごまかされた情報が流され正当化されて行く戦争。
被害者側の真実を闇に葬ろうとする戦争。
以下、『戦争とフォト・ジャーナリズム』からの抜粋。

今、「日本では戦争に反対」というなんでもない言葉を、口にしにくい時代が来ようとしている。今、戦争は暴力の顔をしていない。人道支援とか復興支援という顔をしているのだ。世界は今、「正義」という名の暴力にさらされている。爆弾を落とす側が「正義」という言葉を使い、爆弾を落とされる側は「テロリスト」と呼ばれている。復興支援という言葉を考えてみよう。復興支援しなければならない橋や道路や発電所や浄水場を誰が壊したのだろう。それらはアメリカとイギリスの爆弾で破壊され、日本はそれらの破壊の後押しを行った。だとしたらこれは復興支援などという綺麗事ではなく、戦後補償なのではないか。

『もったいない』ワンガリ・マータイ(3/23*木)

2006-03-16 | 読書大好き!
『もったいない』というこの本は、昨年書店に出た時にちょっとしたニュースになった本。書いたのはケニアの副環境大臣のワンガリ・マータイという名の女性。日本に来日した時、日本語の“もったいない”に出会い、地球環境を守る世界共通語として“もったいない”を世界各地で訴えている。この“もったいない精神”がこの日本から消えていこうとしている気がするのは地球環境を考えている人たちの共通の意識かもしれない。この日本に暮らしていると、意識しようがしないでおこうが大量生産大量廃棄の社会構造に巻き込まれる。でも、視点を広げて世界に視野を持っていくと、豊かさの裏では地球環境の悪化に拍車をかけてしまっているのが自分たちの生活なんだと見えてくる。(経済=お金のために地球を破壊してしまっている)そこで自分の生活とどう向き合うかが個人のテーマとなるのだ。
この本は短い文章とイラストで、子どもでも読めるように“もったいない”をテーマに絵本のように綴れている。その中の1ページは『毎朝、時刻を知るだけのためにテレビをつけっぱなしにしている家があります。たとえば1000万軒の家庭が朝の1時間、テレビを消せば、9万9300キロリットルの石油と14万7000トンのCO2を削減できます。』とあり、最後のページには『発展途上国の子どもたちに、最低限の生活を保障するためのお金は年間約800億ドルです。いっぽう、世界中の政府が軍事費として使うお金はその10倍にもなります。もったいないの究極がここにあります。』と締めくくられている。日本人が忘れつつある“もったいない”。この本に目を通して、できることにトライしてみるのもなかなかいい生活のスタイルかもしれない。

『恋するために生まれた』(2/18*土)

2006-02-18 | 読書大好き!
『恋するために生まれた』 江國香織×辻仁成

バレンタイン特集として並んでいた本の中から
何気なく手にとり市立図書館から借りてきたのがこの本。
名前は知っていてもこの二人の小説はまだ読んだことがない。
この本は二人がテーマを投げ合って交互に文章を書いていくと
いう形式ですすんでいく。二人の思う恋の形、愛の形が書かれていて
二人の個性が感じられて面白く読める本だった。
そして物書きらしく、言葉にあらわしにくい感情や状態を
上手に文章で表現してあった。こういう文を読むと
「あ~、そうそう!こういう感じかもしれないなぁ!」
と思わず心の中で頷いてしまうのだ。

私が印象に残った部分をほんの一部抜粋してみると・・
〈江國香織〉
『どんな人だって、どんな恋だって、どんな状況だって、
世界全部とか宇宙全部から比べれば、鳥籠の状態です。
でも、出る必要はない、そこに全てあるから。それが恋の本質。
その場所に世界を見いだしてしまうことが恋ですし、
それまでその人が全人生をかけて
構築してきた世界の外に出てしまうことが恋です。』
〈辻 仁成〉
『もしも本当に愛した女性がエイズであったとして、
そのことを知らずに関係を持ち、自分が感染者となったとしても僕は、
性教育のない国で育ったことは嘆いても、
決してその人を憎んだりしないと思いますね。
逆に、二人はお互いが抱えた困難を一緒に乗り切るために
より強い愛を養おうと誓い合うはずです。
・・・エイズの蔓延する今の時代、僕たちは愛で武装しなけれなならない』

何だか二人ともカッコいいですよね!
日頃から、いろんなことを考察し
自分なりの答えを持っているところがいい。
“起こってもいない先のことをいろいろ考えてもわからないから考えない”
という考えもあるが、もしかしたらその場合肝心のときになっても、
やはりわからないままなのかもしれない。
思いを巡らす楽しさと大切さを改めて感じた。

『インディアンの言葉』

2006-02-07 | 読書大好き!
いつからだろう?
私がインディアンの生き方を敬うようになったのは。
小さい頃から自然の中で遊ぶのが好きだった。
命ある他の生き物も好きだった。
大人になってもその気持ちは変わっていない。

学校などで文明の発達を教えられ
先進国と途上国が、富める国と貧しい国があることを知り
先進国がいかに優れているかを学んだ。
しかし、私たちは本当の意味で幸せだろうか?
豊かさの影には、環境汚染や他の国の犠牲、自然破壊がある。
それが私たちの豊かさを支えていると知った時
環境汚染もせず、他の国に犠牲も出さず、自然破壊もしない
そんな生き方をしている民族があるのを知った。
それがインディアンをはじめとする先住民族といわれる人たちの生き方。

彼らの歴史は悲しくてむごい。
白人に略奪され虐殺され土地や文化を奪われていく。
しかし、そんな中で彼らの残した言葉の中には
大いなる自然への熱い想いが託されている。
アメリカインディアンのシアトル酋長が
白人たちに奪われていくインディアンの土地を自分たちと同じように
心から愛してほしいとアメリカ大統領に懇願した手紙を初めて読んだとき
大地(自然)を愛する深い思いに涙があふれた。
きっとあらゆるものの中に神を信じた日本のかつての先祖たちも
同じ想いで生きていたに違いないと私は思う。
私たちはいつの頃から
彼らのような大地に寄せる心を失ってしまったのだろうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
白人の町には、心を落ち着けられる場所がない。
そこには、春になれば木々の葉がぐんぐんと広がっていく音だとか、
昆虫の羽ずれの音などを聞ける場所がないからだ。
町の騒音は、耳を傷つけると思うのだが、どうなのだろう。
夜鷹の寂しい鳴き声や、池のほとりの蛙のおしゃべりを
耳にすることができないとしたら
そんな人間の生活が、面白いのだろうか。
インディアンは池の水面を矢のように
吹き抜けていく風の優しい響きが好きなのだ。
また、お天気雨に洗われた松の幹が放つ香りや
松の実の芳香が大好きだ。
私たちにとって空気は貴重だ。
それというのも、万物が同じ空気の息吹を
分かち合っているからだ。
動物も木も人間も、みんな同じ空気を共有している。

(本:『インディアンの言葉』より抜粋)


図書館通い。(2/5*日)

2006-02-05 | 読書大好き!
今日も朝から雪。本好きが子どもにうつって、
最近は逆に小五の娘に引っぱられて
私も図書館に通い続けている。
金沢には大きな市立図書館が二つあるが、
いつも通うのはレンガ作りの金沢市立玉川図書館。
寒い冬の楽しみとして本を読むのはなかなかおつなもの。
何だかいつも気ぜわしい気持ちを抱えて生活してしまっているが、
時々何もせずに読みたい本を抱きしめて読みふけるのも贅沢な時間だ。
こんな寒い季節、心があったか~くなる恋の本もいいかもしれないな。
ってなことで図書館のバレンタインデー特集コーナーに
置いてあった「恋するために生まれた」江國香織×辻仁成を借りてきた。
この二人の作品は読んだことがないので
さて、どんな話が飛び出すのか楽しみだな。

『証言・臨死体験』(1/23*月)

2006-01-23 | 読書大好き!
『臨死体験』なんて言葉を見ると何かおどろおどろしいイメージがあるかもしれないが、この本の取材をしたのが立花隆さん。立花隆さんは、今まで社会問題、科学技術に対しての鋭いルポをいろいろやっている方で、私も原発関係を取材した本が印象に残っている。
今回、立花隆さんが取材したものということで興味があって読んでみた。この本には23人の体験者が登場し、体験談の信頼性の確保のためにわざと比較的著名人を選んであるらしい。立花氏は前書きで「取材開始からかぞえるとこのテーマに関わってからあしかけ7年になる。それほど長期にわたってこのテーマを追い続けたのも、この問題が、人は死ぬとどうなるのか、人は死ぬとき何を体験するのかという、人の生死の根源的問題に深くかかわっており、そこに興味を持ったからである」とある。最後には「臨死体験にいたるまでの経緯、体験者の臨死体験の受けとめ方、それによる死生観の変化などを含めて、どの体験もユニークである。そこに人間存在の多様性と奥行きの深さを感ぜずにはいられない」とある。
私がこの数々の体験を読んで印象に残ったのは、死ぬ時にはある種の時空(現実の世界とは違う次元のもの)に入ることがあるんだということ。そういう空間が確かにあるのかもしれない。そして、体も動かせず息も絶え絶えで周りからはほとんど植物人間状態で死んでいるように見えていても、その人の意識はちゃんとあるんだということ。これは臓器移植の問題にもからんでくることだ。そして体験者がほぼ全員云うことは、死ぬときはとっても気持ちがよく安らかな心地、死ぬのはちっとも怖くなくなったという言葉。生きるのも死ぬも大きな力に委ねられているという感覚らしい。
そんな体験は持ちえない私だが、何となく伝わってくるものはあった。死を恐れず人は自分らしく生き、思いきりしたいことをして命を天に任せて満足して死んでいけたらいいのかもしれない。

ウェンデルベリー輪読会1(1/19*木)

2006-01-19 | 読書大好き!
ウェンデルベリーは、現代アメリカの作家・詩人・評論家・哲学者。
アメリカはもとより、オーストラリアやニュージーランドなどにおいて、環境問題や環境保全、環境教育などに関心を持つ研究者、NGO・NPO関係者、一般市民に広く支持され影響を与えている人物。日本では、ほとんどまだ知られていないが、このたび身近かな存在の北陸大学の哲学の先生三国千秋氏がウェンデルベリーの本を訳して出版された。これを機会に三国先生を囲んでこの本をみんなで深めてみようと、Tくんの呼びかけで輪読会が始まった。昨夜がその1回目。
本のタイトルは『ライフ・イズ・ミラクル』。このタイトルは、シェークスピアの「リア王」に出てくるグロスター伯の有名なセリフからの引用。自己の生命を所有物だと思い自殺しようとしていたのだが、生命が奇跡であり神秘であるという新たな視点に立ったときの彼の言葉がこの本のタイトルとなっている。
本は第1章~第8章で成り立っているが、今回は第1章【無知】を読んできての勉強会。呼びかけに応じた7人が集まった。それぞれ自然や環境に関心を持っている人たちの集まりだったので、初対面の方ともいろんな話ができた。具体的な地域の環境の話や子どもたちの話、それぞれの宗教観を交えてウェンデルベリーの世界を理解しようと話が盛り上がった。こういう時間を共有することこそが自分を育ててくれるのかもしれない。

本の中味は細かく説明しないが、ここではウェンデルベリーが言わんとしていることや私の中に残った言葉を記しておこうと思う。もし、興味があれば一緒に輪読してみませんか。

第1章【無知】
生命(命)とは、生きている間に起こるすべての出来事をいう。
経験は知識を超えるものであり、苦しみ喜ぶもの。
人の知識とは不完全なもの=無知。
人は生きるためには行動しなければならない。
無知でありつついかに行動すべきかという問題点。
◎不完全な知識が傲慢で危険な振る舞いに陥らないように、
 科学や専門知識の基準と目標を変えることへの提案。

技術革新よりも熟知することへ。
 力から優雅さへ。
   多くのお金を費やすことから節約へ。

『1リットルの涙』最終回。(12/21*水)

2005-12-21 | 読書大好き!
実話を基にしたドラマ『1リットルの涙』が昨日、最終回だった。15才で「脊髄小脳変性症」という難病にかかり、今まで普通の生活をしていた女の子が少しづつ体の自由がきかなくなり、治療法も見つかっていないので最後には亡くなってしまうというとても哀しいストーリー。
でもこのドラマは、ただ可哀想なだけのドラマではなく、そんな中にあっても前向きに生きる主人公の木藤亜也ちゃんの姿、自分だったらどう生きれたか、親としての姿勢、家族のあり方、友人のあり方、医者としてのあり方、障害を持った人に寄り添う人とそうでない人、など考えさせられることが多かった。生きることは死ぬことに繋がっているから、誰かの話ではないのかもしれないね。ささやかな気にも留めないようなことが、実は=幸せに結びついているんだって亜也ちゃんは教えてくれたのかもしれない。娘が図書館で借りてきてくれたので亜也ちゃんの原本も読んだ。実際には存在しなかったボーイフレンドの麻生くん、いい味出していたな。彼の存在に見ていて救われた。私が亜也ちゃんのお母さんだったら画面の中だけでも、こんな男の子(ハートがステキな)に想われて幸せな気分になるよ。男性に叱られるかもしれないけど、こんな大人な男の子、大人の中でもなかなかいないだろう。昨今、男の子の起こすいろんな事件、生きるということを亜也ちゃんから麻生くんから学んでほしいと思った。そして亜也ちゃん、やさしくて前向きでいてくれて、ありがとう!!人の役に立ちたいと最後まで願っていたんだね。ドラマの終わりにいつも写っていた亜也ちゃんのガッツポーズ、私は忘れない。

ジリハジを持つ。(12/15*木)

2005-12-15 | 読書大好き!
『ボクネン~大自然の伝言を彫る~』を読んで。

初めて名嘉睦稔さんを知ったのは、『ガイヤシンフォニー』という映画を観たとき。版画家である彼の制作の原点は沖縄・伊是名島の自然なのだと感じた。他のアーティストと何かが違うと感じたのは、彼の中に自然への畏敬、人の持つ能力の原点、心のあり方などを感じたからなのだろうか。とにかくひと言でいうと、魅力的な人だと思った。
今回、図書館で偶然見つけたこの1冊の本。読んでみると心にずしりと来るものがあった。日頃から、人の持つ力が科学信仰に傾き過ぎて見えなくなって来ているのでは?とか、自然の中にこそ人類が学んでいくものがあるのでは?と思っているので、その答えをこの本の中で一緒に探しあてた気がした。日頃から私が求めている原点となるものが、その中では星のようにキラキラちりばめれて語られていた。そして、言葉というか文章が彼の版画のように個性的でビジュアル的で美しい。沖縄にはまだ息づき伝えられている大いなるもの。私たちの場所では、さっさとそういうものを捨て去る選択がされたのだと思う。きっとそれは突き詰めると経済(お金)のために。
一番印象に残った言葉は「ジリハジを持つ」ということ。これは簡単にいうと『義理と恥』の意味らしいが、沖縄ではもっと深い意味があり、“ジリ”とは約束事。他の生命を尊重すると同時に自らの生存の権利をまっとうすること。“ハジ”とは人が他の動物と何ら変わらないのにもかかわらず自覚も気づきもしていないどころか、他の動物に負けているところさえある。その無知が恥ということ。それを知り、己を制御して他とうまくバランスをとる。人に与えられた叡智が、すべての生命体の存続のためにあることを自覚することの意であるらしい。
沖縄という場所、ここには私たち人類が学ぶべきことが、まだたくさん残されているような気がする。(写真は晩秋まで我が家で咲き続けた“あかばな”沖縄では冬でも咲いている)

青い月のバラード。(12/7*水)

2005-12-07 | 読書大好き!
先日、加藤登紀子さんの書いた『青い月のバラード』という本を読み終えた。~獄中結婚から永訣まで~というサブタイトルのあるこの本は、藤本敏夫という全学連のリーダーをしていた夫との出会いから最後の別れまでを綴った本で、とても読み応えのある一冊だった。遠巻きに何となくおぼろげな情報は知っていたが詳しくは何も知らなかった。ここ最近、私は自分の先輩として人生を歩む人たちにとても興味が湧いて来ている。それも女性の。それでいつか本屋さんで見かけて記憶に残っているこの本を読んでみたいと思ったのだ。ものすごく個性的な二人が自分の人生を生ききろうとするエネルギーや葛藤やぶつかり合いが伝わってくる。自分の価値観と相手を信じられるからこそ選択できたいろんなこと。
とにかく“音楽”と“農”という全然違う場所にいながら、理解し合い情熱を持って生きる二人の生き方が素晴らしい。特に、女性である登紀子さんの選択して来た道は、愛情のために安易に自分を犠牲にしないやり方。男社会の日本では、一見容易そうに見えてなかなか大変なこと。しかし相手も自分も生かす方法。それは困難そうに見えても探し求めればきっとあるのだ。大人の生き方など誰も教えてくれないけれど、この本の中からはびしびしと伝わってくるものがあった。