Sightsong

自縄自縛日記

Hubble Deep Fields@Ftarri

2019-07-04 08:12:26 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2019/7/3)。

Masashi Takashima 高島正志 (ds, G.I.T.M., composition)
Yuma Takeshita 竹下勇馬 (electro-b)
Masahide Tokunaga 徳永将豪 (as)
Yoko Ikeda 池田陽子 (viola)

高島正志さんの事前の書き込みによれば、曲を演奏するファーストセットの構成は以下の通り。

1.Beginning -起源-
2.HOW SLOWLY DARK -ゆったりとした暗さ-
3.FAR DOWN A BILLOWING PLAIN -渦巻く平原のはるか下で-
4.FAINT LIGHTS -ほのかな光-
5.The Blandishments Of Color -色彩の甘言-
6.The Shape Of Night -夜の形-
7.The Silence -沈黙- (5-7は組曲のような感じ)

これらの曲の演奏は緊張感を伴うものだった。というのも、各々の即興要素が分割され、そのフラグメンツを入念に配置しなおす作業がかなりのエネルギーを要するからであるようにみえた。

高島さんのドラムセットは極めてシンプルで、ときにそれを鳴らす音がエレクトロニクスで姿を変えて再生産された。またその音も、他の三者による音も、ドラムをびりびりと震わせてノイズを発生させた。手作業からエレクトロニクスを介してまたマテリアルに戻る奇妙なフィードバックがあった。

曲の中でフラグメンツと化したとはいえ、各人の音はそれぞれの楽器特有の時間の進み方を持って共存しており、それはとても面白いものに感じられた。曲のつくりによって、フラグメンツの配置の結果が、弧の交錯であったり、突起の衝突であったり、ハーモニーの形成であったりした。互いの凝視や意図的な看過が音楽的にあらわれていた。

セカンドセットは曲ではなく20分ほどの即興。ここでも高島さんは配置という作業方針を持ち込んでいたようにみえた。自律か意地悪かわからない竹下さんのノイズ、ゆったりと共振の弧を放つ池田さんのヴィオラ、サウンドに融合しながらも同時にその融合を強く拒むような徳永さんのアルトがそれぞれ別々に耳に入ってきて、やはり面白かった。だが、フラグメンツ化と再配置という作業がセカンドセットの形の即興を抑制するものと捉えたからか、終わった直後に徳永さんは不満を表明した。(では次は?)

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●高島正志
アレクサンダー・ホルム、クリス・シールズ、クラウス・ハクスホルムとのセッション@Permian(2019年)
高島正志+竹下勇馬+河野円+徳永将豪「Hubble Deep Fields」@Ftarri(2018年)
高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri(2018年)
高島正志+河野円+徳永将豪+竹下勇馬@Ftarri(2018年)

●池田陽子
謝明諺+秋山徹次+池田陽子+矢部優子@Ftarri(2019年)
アレクサンダー・ホルム、クリス・シールズ、クラウス・ハクスホルムとのセッション@Permian(2019年)
エレクトロニクスとヴィオラ、ピアノの夕べ@Ftarri(2019年)
鈴木ちほ+池田陽子(solo solo duo)@高円寺グッドマン(2019年)
池田陽子+山㟁直人+ダレン・ムーア、安藤暁彦@Ftarri(2018年)
森重靖宗+池田陽子+増渕顕史『shade』(2018年)
佐伯美波+池田若菜+池田陽子+杉本拓+ステファン・テュット+マンフレッド・ヴェルダー『Sextet』(2017年)
クリスチャン・コビ+池田若菜+杉本拓+池田陽子『ATTA!』(2017年)

●竹下勇馬
高島正志+竹下勇馬+河野円+徳永将豪「Hubble Deep Fields」@Ftarri(2018年)
Zhu Wenbo、Zhao Cong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)
高島正志+河野円+徳永将豪+竹下勇馬@Ftarri(2018年)
TUMO featuring 熊坂路得子@Bar Isshee(2017年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
二コラ・ハイン+ヨシュア・ヴァイツェル+アルフレート・23・ハルト+竹下勇馬@Bar Isshee(2017年)
『《《》》 / Relay』(2015年)
『《《》》』(metsu)(2014年)


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