Sightsong

自縄自縛日記

ポルタ・キウーザ『because life should be so wonderful (I)』と大阪でのライヴ

2019-07-03 08:08:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

ポルタ・キウーザ『because life should be so wonderful (I)』(Herbal International、2014年)を聴く。

Porta Chiusa:
Hans Koch (cl)
Michael Thieke (cl)
Paed Conca (cl)

Maki Hachiya (vo)

ポルタ・キウーザはクラリネットのトリオ(日本語ではさまざまな表記がなされているが、ひとまずはこう書いておく)。リーダーで作曲も行うパエド・コンカはレバノン在住スイス人、ハンス・コッホはスイス人、ミヒャエル・ティーケはドイツ人。蜂谷真紀さんがこのトリオに加わった形である。

はじめて観たとき驚いた感覚が蘇る。役割を変え、なめらかに、流体のようなサウンドを形成している。これにはクラリネットの木管ならではの音が大きく貢献していて、マテリアルが鳴るという快感そのものが高度に昇華しているようだ。直接観ない分、ああ飛び出てきたのはコッホかな、などと想像する愉しさもある。蜂谷さんもこの流体劇場のなかでヴォイスによって見事に泳いでいる。

最近、澤居大三郎さんが録音したライヴ音源を送ってくださった。2018年12月26日、大阪のstudio T-BONEでの演奏であり、私はこの3日後に本八幡のcooljojoで観ている。ゲストは有本羅人さん、清野拓巳さんのふたり。

Porta Chiusa:
Hans Koch (cl)
Michael Thieke (cl)
Paed Conca (cl)

Rabito Arimoto 有本羅人 (tp, bcl)
Takumi Seino 清野拓巳 (g)

最初に清野・有本デュオ。思索しながら密でも疎でもないサウンドを形作る感覚がとても良い。有本さんの管の底を手探りするようなバスクラがとても気持ちいい。

そしてポルタ・キウーザを1セット、ポルタ・キウーザ+有本+清野を1セット。前者ではやはり流体のごときサウンド。後者では刺激剤が入ったためか、おそらくはコンカの曲に基づくとはいえ、当然ながら、決めた通りではなく即興の自発性が増している。全体の中で各人が主張したり、しかしその中で高度な即興アンサンブルが成立していて、素晴らしい。哲学的な祝祭という言葉を思いついた。 

●ポルタ・キウーザ
PORTA CHIUSA@本八幡cooljojo(2018年)

●蜂谷真紀
蜂谷真紀+永武幹子@本八幡cooljojo(2019年)
PORTA CHIUSA@本八幡cooljojo(2018年)
庄田次郎トリオ@東中野セロニアス(2018年)

●有本羅人
詩×音楽(JAZZ ART せんがわ2018)(JazzTokyo)(2018年)
西島芳アンサンブル・シッポリィ『Very Shippolly』(2017年)


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