Sightsong

自縄自縛日記

森重靖宗+徳永将豪@Ftarri

2018-06-24 09:08:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2018/6/23)。

Yasumune Morishige 森重靖宗 (cello)
Masahide Tokunaga 徳永将豪 (as)

徳永ソロ。あまり無いことだと思うのだが、目の前に楽譜を置いた(あとで訊くと、コンセプト等ではなく普通に音符が書かれているということ)。そのためか、抑制気味にアルトを吹き、随所で曲をまじえてくる。これにより、突き抜けた周波数を中心としたわけではなく、音が出されたり抑えられたりするときのマージナルな部分のトーンがより前面に提示され、別種の緊張感を孕むものとなった。演奏の最後にふたたび用意された旋律を吹き、やや唐突に終わった。唐突というのは自分だけの印象かもしれないのだが、その定まらなさに次の展開の入り口があるのかもしれないと想像した。

森重ソロ。弓による弦や胴のこすれが、硬い石の表面のマチエールやホワイトノイズを思わせる。その中からときどき立ち現れる弦の振動と胴の共鳴に毎回意表を突かれ、そのたびに少し驚く。パフォーマンスにはこれ見よがしなところが皆無であるにも関わらず(であるから)、身体を折り曲げ、次の展開を模索する姿を凝視してしまう。演奏は外に向けられたものであるのと同時に、音の世界をすべて受け容れなければならないかのように自身に向けられたものにもみえた。

デュオ。徳永さんは今後は譜面台を脇に退け、独特の重音と倍音を形成しては再び次に備える。それは円環を思わせる。最初はピチカートで間合いをはかっていた森重さんは、ほどなくして弓で弾きはじめ、アルトの円環とのシンクロを形成した。ときに円環には両者によって亀裂が入れられた。はじめてのデュオとのことだったが、今後も続けてほしいところ。

終わってからその場でちょっと懇親会。先日『別冊ele-king』のNY特集をご一緒したお三方や、ヴォイスの赤い日ル女さんもいらしていて、もろもろの話。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4

●徳永将豪
Zhu Wenbo、Zhao Cong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)
高島正志+河野円+徳永将豪+竹下勇馬@Ftarri(2018年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+徳永将豪+増渕顕史+中村ゆい@Ftarri(2017年)
Shield Reflection@Ftarri(2017年)
窓 vol.2@祖師ヶ谷大蔵カフェムリウイ(2017年)
徳永将豪『Bwoouunn: Fleeting Excitement』(2016、17年)
徳永将豪+中村ゆい+浦裕幸@Ftarri
(2017年)


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