Sightsong

自縄自縛日記

エレクトロニクスとヴィオラ、ピアノの夕べ@Ftarri

2019-04-29 08:51:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2019/4/28)。

suzueri すずえり (prepared p, self-made instruments)
Yoko Ikeda 池田陽子 (viola)
Tengal (electronics)

ファーストセット、すずえり・池田陽子デュオ。すずえりさんは小さいカセットテープレコーダーをいくつか鳴らし、それと連動させているのか、ふたつの電極の間に渡されたコイルを半自動的に動かす。ピアノの弦がモーターによって擦られて異音が(それを忘れるほどにずっと)鳴る中で、池田さんがヴィオラを弾く。足許にとどまるような微かな音であったり、流れ出して周囲のものと人とを取り巻くようであったりして、その震えと間とがとても良い。すずえりさんは円盤をクレーンのように回し、また、小さいピアノを大きなピアノに連動させてときおり鍵盤を叩く。それらの佇まいは自律的な機械であり小動物であり、『ブレードランナー』における寂しいエンジニアの部屋を思い出した。

セカンドセット、テンガルソロ(テンガルさんはフィリピン出身)。エレクトロニクスのプラグとPCとで創っていくそれは意外にポップなもので、他人事の物語をつなぎあわせるように感じられた。コラージュ的な生活空間のアジアにも感じられた。

サードセット、トリオ。池田さんとすずえりさんが演奏し、テンガルさんに加わるよう促す。すずえりさんが向きを変えて何やら弾き語りをはじめてもテンガルさんはPCを睨み何も音を出さない。ふたりは笑いながら焦り、動け動けと大きなジェスチャーで合図をする。やがてテンガルさんが遅れてきた物語をみせた。それは作戦だったかどうなのか、しかし焦りと大きな隙間と笑いとがインプロの過程として面白かった。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4、7Artisans 12mmF2.8

●すずえり
すずえり@Ftarri(2019年)
すずえり+大城真『Duo』(2018年)
ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri(2018年)
角銅真実+横手ありさ、田中悠美子+清田裕美子、すずえり+大城真@Ftarri(2018年)
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
Zhao Cong、すずえり、滝沢朋恵@Ftarri(2018年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
すずえり、フィオナ・リー『Ftarri de Solos』(2017年)

●池田陽子
鈴木ちほ+池田陽子(solo solo duo)@高円寺グッドマン(2019年)
池田陽子+山㟁直人+ダレン・ムーア、安藤暁彦@Ftarri(2018年)
森重靖宗+池田陽子+増渕顕史『shade』(2018年)
佐伯美波+池田若菜+池田陽子+杉本拓+ステファン・テュット+マンフレッド・ヴェルダー『Sextet』(2017年)
クリスチャン・コビ+池田若菜+杉本拓+池田陽子『ATTA!』(2017年)


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