山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ヌルデ五倍子

2012-11-23 10:08:38 | 被子植物離弁花

今日は11月23日勤労感謝の日、今日から3連休の人も多いと思いますが、昔、私が勤めていた

会社ではこの日を含めて連休になると、お客様に迷惑がかかるということで、休日出勤をしていた

記憶があります。冗談で「勤労に感謝して働く日なんだ」などと言っていました。

しかし今、改めて考えてみると、いったい誰が誰に感謝する日なんだろうという気がしないでもありません。

まあ、1年に一度位は、健康に働ける自分自身に感謝し、自分で自分を褒めてあげることも

必要なことではないでしょうか。

 

さて、画像は紅葉したウルシの仲間、ヌルデです。

中央に不規則な形をした果実のようなものが見えていますが、これはヌルデミミフシアブラムシ

の幹母1令幼虫の寄生によってできた五倍子と呼ばれる虫嬰(虫こぶ)です。

五倍子と書いて「フシ」と読みますが、漢字が三文字なのに読みが二音とはいかにも不可解ですが、

元々は「ゴバイシ」であったものが時代と共に何らかの理由で転訛したものだと思います。

この幹母1令幼虫は全てが♀で、この五倍子の中で単為生殖によって増殖します。

この時期には翅のある成虫となって飛び立ち、チョウチンゴケへと寄主を変え、単為生殖で

♂と♀を産みます。

その後ここで生まれた♂と♀は成虫で越冬した後、新たな幹母1令幼虫を産むという、やや複雑な

世代交代を行っている昆虫です。

五倍子には50%以上のタンニンが含まれているため、古くから黒の染料として利用されて

きました。

 媒染液としては、酢に鉄を浸したものが使われていたようですが、正月のおせちに使われる

黒豆の色だしにも錆びた鉄釘が使われるのもこのような触媒としての効果によるものでしょう。 

ヌルデ五倍子

コメント (2)
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