かつて、JR横浜線の相模原市に、『肥後っ子 大石家』というラーメン店があった。
屋号でわかるように熊本ラーメンのお店だが、新宿『桂花』のような角煮入りラーメン(ターローメン)などはなく、
メニューは「ラーメン」600円に+100円の「大盛」のみと、いたってシンプル。
それだけ聞くと、店主はストイックな頑固職人風なのか、と想像する方もいるだろうが、
店主の大石治さんは、頑固どころかむしろ気さくでユニークな方。
どのくらいユニークかといえば、店頭には屋号の看板ではなく、自身の似顔絵を掲示するくらい(笑)。
※似顔絵の右下に、小さく屋号が記してある
営業形式も、火水木と週休3日、さらに夏休みと冬休みが1ヶ月ほどあり、飲食物の持ち込みも可能と、かなりフリーダム。
店内はカウンター6席ほど、飲料水はセルフサービスで、紙コップに注ぐ。珍しいことにお会計もセルフで、
所定の場所にお金を入れて、お釣りの小銭を取っていく。ごまかす客がいないか、心配したものである。
さらに、店内壁には多数の貼紙があったが、「私語厳禁!」といった客への注意事項はなく、
「英会話教えます」「○○ラーメンは、不評のため販売中止」など、一風変わったメッセージばかり。
「○○ラーメン」の正式名は覚えていないが、基本のラーメン以外にも、たまに限定メニューを考案していた模様。
英会話の他にも、「当店のラーメンの作り方伝授します」というのもあったが、これは後述する。
そもそも、店主は商売っ気がないようで、回転重視のラーメン店では珍しく、客との会話を楽しむ主義…というか、
常連・非常連を問わず、目の前に座った客へ一方的にマシンガントークを繰り広げる(苦笑)。
言葉遣いはやや乱暴だが、会話の内容はラーメンから世間一般のことまで、バラエティに富んでいて実に面白い。
食事中の私も何度か話し相手になり、お行儀悪く、麺やスープを噴き出したことがある。
会話に夢中になり、客に商品を出すのを忘れ、厨房内に置きっぱなしだったこともあった(笑)大石さんだが、
スープは無添加、麺は自家製で、豚骨、小麦粉、チャーシューの豚肉など、個々の原材料は厳選しており、
営業中はさておき、ラーメンの仕込みについては、いわゆる頑固職人だった。
そんな、店主の真摯なラーメン作りを称えたところ、大石さんは「ナニ言ってんだよ」という表情を浮かべながら、
「そんなのラーメン屋なら当たり前。ラーメン作るくらいでエラそうにしているヤツはダメだよ」と、
当時テレビによく出演し、「ラーメンの鬼」などと担ぎ上げられていた、『支那そばや』の佐野店主のことを小馬鹿にしていた。
地位の向上や、新たな食材の提案などで、ラーメン業界の貢献者とされる佐野氏だが、
彼の振る舞いだけを模倣・曲解し、腕を組んで睨みつけ、客を見下すような勘違い店主が増えたのは残念である。
大石店主は、1998年にアスペクトが発行したムック本「ラーメンマニアックス」で取材に応じており、
「俺、ラーメン屋って嫌いなのよ」と断言。
理由として、秘伝と称し製法を包み隠し、伝統に縛られ発展がないこと、を挙げ、
「板前には技があるけど、ラーメン屋には技やセンスはいらない。板前の包丁さばきは3日じゃできないけど、
俺が教えたとおりにやれば、誰でもウチのスープは作れる」と語り、実際にスープや麺の仕込み方を公開している。
そんな大石さんが作った、お店の看板メニューであるラーメンがこちら。

先述のムック本に載っていた画像だが、チャーシュー、きくらげ、味玉半個、にんにくチップの他、
紅生姜、ノリ、ネギ、ゴマ、そしてとろけるチーズと、なかなか具材が多い。
チーズとラーメンの相性はよく、私もたまに、「サッポロ一番 塩らーめん」に乗せて食べる。
いずれにしても、無添加スープと自家製麺に豊富な具材、これで600円は安すぎる。
自由な営業方針に安価な値段設定、さらに取材でのコメントや普段の会話などから、
大石店主には、「ラーメンは、自由に気軽に食べるもの」という哲学があったと解釈し、私はそれを全面支持する。
こちらでは何度か食事したが、下記のような、だいぶ前に撮影したガラケー画像が数枚残っているのみ。

その中でもマシなのが、2013年に食べた、ラーメン+100円の「たこ焼きラーメン」700円の画像。

たこ焼きは、市販の冷凍食品だと思われるが、味玉が半分から1個に、チャーシューは2枚から6枚にそれぞれ増え、
さらにパプリカ、コーン、カニカマ、プチトマト(私は抜いてもらった)なども入るのだから、700円は破格だよ。
基本のラーメンも、たこ焼き以外の上記具材がすべて入るが、豚骨スープが負けておらず、美味しく食べられた。
この頃はたこ焼きラーメン以外にも、「ちゃんぽん」や「海鮮ラーメン」などのメニューも加わっていたが、
翌年の2014年に廃業するまで、ラーメンは最後まで、600円の価格を維持していた。
その後、大石店主は熊本に帰郷し、悠々自適な生活を楽しんでいたそうだが、2016年に事故で急逝なさったそうだ。
「病気などで苦しむこともなく、最期まで明るく楽しい、師匠らしい急な旅立ちだったのかもしれません」
と語ってくれたのが、大石さんの愛弟子であり、今回のテーマである『梅吉』の店主。
いつも以上に長い前置きとなったが、大石師匠に触れないままでは梅吉さんは語れないし、
大石家があまりにも個性的なお店だったので、つい文字数を費やしてしまった。どうかカンベンしてほしい。
また、このときに「近日中に紹介」と予告したのに、1年以上たってしまったこともお詫びする。
店内の貼紙で弟子を募集し、書籍で調理法を公開するくらいだから、大石さんは修行希望者も快く受け入れており、
出身者のお店は全国各地や海外にもあるそう。そのうちの1軒で、最後の弟子と思われるのが梅吉さんだ。
お店は、大石家があった場所にそのまま居抜きでオープン。

建物の右側には、大石家時代からあった「The Raumen」の文字が残っている。
梅吉店主(本名は聞いたことがない)は、元々、日本中のラーメンを食べ歩くほどのマニアだったが、
縁があり大石家で修業を積み、レシピや丼なども引き継ぎ、大石店主引退から約1年後の2015年に開業。
九州ラーメンにも精通している梅吉店主によると、こちらのラーメンは佐賀のエッセンスも含まれるらしく、
看板には「佐賀熊本らーめん」の文字が記されているが、新店主の似顔絵を提示する予定はないらしい(笑)。
私の初訪問は2018年。母校日大三で野球部の試合を観戦した帰りに、淵野辺駅から徒歩で向かったのだ。
お店はJR横浜線の淵野辺駅と矢部駅の中間地点にあり、後日歩いて計ってみたところ、
わずかに矢部の方が近かったので、日記タイトルの最寄り駅を「矢部」にしておいた。
大石家と同様、提供商品を絞っており、こちらが最近の麺類メニュー。

右側の3種は、初訪問時からある不動のレギュラーで、一番左のメニューは、度々変わっている。
裏側がトッピングやサイドメニュー。大石家と違い、持ち込みは不可だと思う。

最初の訪問で注文したのは、お店オススメの「梅吉らーめん」で当時800円。
代金は前払いだが、セルフではなく、ちゃんと店主が対応してくれる。
大石さんのように世間話や同業者の悪口(笑)などを語ることなく、梅吉店主は調理に集中し、数分後には完成。

チャーシュー、きくらげ、ノリ、チーズは先代と共通だが、マー油と焦がしネギ&ニンニクが多く、スープが真っ黒だ。
大石家時代も、玉ねぎとニンニクを細かく刻んで揚げたものや、マー油も少々入っていたが、
梅吉さんはどちらもマシマシ。ビターな風味が口内に広がり、ニンニク好きにはたまらないだろう。
豚骨スープは、臭みはないがコクがあり、しつこくないけど満足感が残る、直伝のテイスト。
店内の製麺機で作る麺は、博多風よりやや太めで、ほどよいコシがあり、スープやチーズとの相性も良好。

チャーシューは大石家時代よりも分厚く、味が浸みていて美味しい。
個人的には、スープ本来の味を楽しみたいので、マー油と焦がしネギ&ニンニクが過多に感じたが、
豚骨ラーメンとしては、かなりレベルの高い一杯であった。
食後は店主に、常連というほどは通っていなかったが、大石家さんが好きだったことと、
そんな、好きなお店を継いでくれたことへの感謝などを告げたところ、新店主も応じてくれて、
既出した、師匠が数年前に亡くなっていたことや、師匠への想いや記憶(ラーメン出し忘れなど)、
さらにはラーメンへの深い愛情などを、一気にまくし立てる。まさか、新店主も話し好きだったとは(笑)。
ただし、大石さんは新規客にも一方的に話しかけたり、私の大好きな下ネタや他人の悪口(苦笑)が多かったが、
梅吉店主は普段の口数は少なく、話す内容や口調も丁寧で、聞いてて不快に思うことはないはず。
これまた先述した、私の前では批判していた佐野店主についても、
「師匠も実際は、佐野さんを認めていたはずですよ。本当に嫌いだったら、名前すら出さないでしょう」と解説。
ついでに、こちらは名前は出さないが、町田の某有名店の女性店主について、大石さんは「あのババア」とよく罵っていたが、
それについても「あのふたりは本当は仲がいいんです。女性店主も、何度か大石家に客としてやって来て、
“なんだよババア”“うるせえジジイ”などとやり合ってました(笑)」と教えてくれた。そうだったのか!
さすがは愛弟子。師匠のことはよく知っているし、話してみたところ、九州ラーメンの造詣も深い。
その後も、ラーメンを味わうため、そして店主とのトークを楽しむため、こちらには何度か通っている。
店主は研究熱心で、メニューだけでなく麺、スープ、具材なども、たびたび変えている様子。
なので、同じラーメンでも前回とは違う印象を持つこともあるし、一期一会となった商品もある。
我が道を貫いた迷匠…ではなく、名匠から受け継いだ味を、さらに進化させるべく日々奮闘している、
梅吉店主を、私は結構尊敬している。仕事関係で尊敬している人間は皆無なのに。 ※蔑視しているのは多数
そんな店主が作ったラーメンを、もっと紹介するため…後編につづく。
らーめん梅吉
神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-1-1 ※大石家も同じ場所でしたが、ゾロ目のいい住所ですね
JR矢部駅から徒歩約6分、淵野辺駅からは約7分
営業時間 月~金18時~22時、土日祝11時半~14時
定休日 不定休
※定休日についてはお店のブログで確認を
屋号でわかるように熊本ラーメンのお店だが、新宿『桂花』のような角煮入りラーメン(ターローメン)などはなく、
メニューは「ラーメン」600円に+100円の「大盛」のみと、いたってシンプル。
それだけ聞くと、店主はストイックな頑固職人風なのか、と想像する方もいるだろうが、
店主の大石治さんは、頑固どころかむしろ気さくでユニークな方。
どのくらいユニークかといえば、店頭には屋号の看板ではなく、自身の似顔絵を掲示するくらい(笑)。

営業形式も、火水木と週休3日、さらに夏休みと冬休みが1ヶ月ほどあり、飲食物の持ち込みも可能と、かなりフリーダム。
店内はカウンター6席ほど、飲料水はセルフサービスで、紙コップに注ぐ。珍しいことにお会計もセルフで、
所定の場所にお金を入れて、お釣りの小銭を取っていく。ごまかす客がいないか、心配したものである。
さらに、店内壁には多数の貼紙があったが、「私語厳禁!」といった客への注意事項はなく、
「英会話教えます」「○○ラーメンは、不評のため販売中止」など、一風変わったメッセージばかり。
「○○ラーメン」の正式名は覚えていないが、基本のラーメン以外にも、たまに限定メニューを考案していた模様。
英会話の他にも、「当店のラーメンの作り方伝授します」というのもあったが、これは後述する。
そもそも、店主は商売っ気がないようで、回転重視のラーメン店では珍しく、客との会話を楽しむ主義…というか、
常連・非常連を問わず、目の前に座った客へ一方的にマシンガントークを繰り広げる(苦笑)。
言葉遣いはやや乱暴だが、会話の内容はラーメンから世間一般のことまで、バラエティに富んでいて実に面白い。
食事中の私も何度か話し相手になり、お行儀悪く、麺やスープを噴き出したことがある。
会話に夢中になり、客に商品を出すのを忘れ、厨房内に置きっぱなしだったこともあった(笑)大石さんだが、
スープは無添加、麺は自家製で、豚骨、小麦粉、チャーシューの豚肉など、個々の原材料は厳選しており、
営業中はさておき、ラーメンの仕込みについては、いわゆる頑固職人だった。
そんな、店主の真摯なラーメン作りを称えたところ、大石さんは「ナニ言ってんだよ」という表情を浮かべながら、
「そんなのラーメン屋なら当たり前。ラーメン作るくらいでエラそうにしているヤツはダメだよ」と、
当時テレビによく出演し、「ラーメンの鬼」などと担ぎ上げられていた、『支那そばや』の佐野店主のことを小馬鹿にしていた。
地位の向上や、新たな食材の提案などで、ラーメン業界の貢献者とされる佐野氏だが、
彼の振る舞いだけを模倣・曲解し、腕を組んで睨みつけ、客を見下すような勘違い店主が増えたのは残念である。
大石店主は、1998年にアスペクトが発行したムック本「ラーメンマニアックス」で取材に応じており、
「俺、ラーメン屋って嫌いなのよ」と断言。
理由として、秘伝と称し製法を包み隠し、伝統に縛られ発展がないこと、を挙げ、
「板前には技があるけど、ラーメン屋には技やセンスはいらない。板前の包丁さばきは3日じゃできないけど、
俺が教えたとおりにやれば、誰でもウチのスープは作れる」と語り、実際にスープや麺の仕込み方を公開している。
そんな大石さんが作った、お店の看板メニューであるラーメンがこちら。

先述のムック本に載っていた画像だが、チャーシュー、きくらげ、味玉半個、にんにくチップの他、
紅生姜、ノリ、ネギ、ゴマ、そしてとろけるチーズと、なかなか具材が多い。
チーズとラーメンの相性はよく、私もたまに、「サッポロ一番 塩らーめん」に乗せて食べる。
いずれにしても、無添加スープと自家製麺に豊富な具材、これで600円は安すぎる。
自由な営業方針に安価な値段設定、さらに取材でのコメントや普段の会話などから、
大石店主には、「ラーメンは、自由に気軽に食べるもの」という哲学があったと解釈し、私はそれを全面支持する。
こちらでは何度か食事したが、下記のような、だいぶ前に撮影したガラケー画像が数枚残っているのみ。

その中でもマシなのが、2013年に食べた、ラーメン+100円の「たこ焼きラーメン」700円の画像。

たこ焼きは、市販の冷凍食品だと思われるが、味玉が半分から1個に、チャーシューは2枚から6枚にそれぞれ増え、
さらにパプリカ、コーン、カニカマ、プチトマト(私は抜いてもらった)なども入るのだから、700円は破格だよ。
基本のラーメンも、たこ焼き以外の上記具材がすべて入るが、豚骨スープが負けておらず、美味しく食べられた。
この頃はたこ焼きラーメン以外にも、「ちゃんぽん」や「海鮮ラーメン」などのメニューも加わっていたが、
翌年の2014年に廃業するまで、ラーメンは最後まで、600円の価格を維持していた。
その後、大石店主は熊本に帰郷し、悠々自適な生活を楽しんでいたそうだが、2016年に事故で急逝なさったそうだ。
「病気などで苦しむこともなく、最期まで明るく楽しい、師匠らしい急な旅立ちだったのかもしれません」
と語ってくれたのが、大石さんの愛弟子であり、今回のテーマである『梅吉』の店主。
いつも以上に長い前置きとなったが、大石師匠に触れないままでは梅吉さんは語れないし、
大石家があまりにも個性的なお店だったので、つい文字数を費やしてしまった。どうかカンベンしてほしい。
また、このときに「近日中に紹介」と予告したのに、1年以上たってしまったこともお詫びする。
店内の貼紙で弟子を募集し、書籍で調理法を公開するくらいだから、大石さんは修行希望者も快く受け入れており、
出身者のお店は全国各地や海外にもあるそう。そのうちの1軒で、最後の弟子と思われるのが梅吉さんだ。
お店は、大石家があった場所にそのまま居抜きでオープン。

建物の右側には、大石家時代からあった「The Raumen」の文字が残っている。
梅吉店主(本名は聞いたことがない)は、元々、日本中のラーメンを食べ歩くほどのマニアだったが、
縁があり大石家で修業を積み、レシピや丼なども引き継ぎ、大石店主引退から約1年後の2015年に開業。
九州ラーメンにも精通している梅吉店主によると、こちらのラーメンは佐賀のエッセンスも含まれるらしく、
看板には「佐賀熊本らーめん」の文字が記されているが、新店主の似顔絵を提示する予定はないらしい(笑)。
私の初訪問は2018年。母校日大三で野球部の試合を観戦した帰りに、淵野辺駅から徒歩で向かったのだ。
お店はJR横浜線の淵野辺駅と矢部駅の中間地点にあり、後日歩いて計ってみたところ、
わずかに矢部の方が近かったので、日記タイトルの最寄り駅を「矢部」にしておいた。
大石家と同様、提供商品を絞っており、こちらが最近の麺類メニュー。

右側の3種は、初訪問時からある不動のレギュラーで、一番左のメニューは、度々変わっている。
裏側がトッピングやサイドメニュー。大石家と違い、持ち込みは不可だと思う。

最初の訪問で注文したのは、お店オススメの「梅吉らーめん」で当時800円。
代金は前払いだが、セルフではなく、ちゃんと店主が対応してくれる。
大石さんのように世間話や同業者の悪口(笑)などを語ることなく、梅吉店主は調理に集中し、数分後には完成。

チャーシュー、きくらげ、ノリ、チーズは先代と共通だが、マー油と焦がしネギ&ニンニクが多く、スープが真っ黒だ。
大石家時代も、玉ねぎとニンニクを細かく刻んで揚げたものや、マー油も少々入っていたが、
梅吉さんはどちらもマシマシ。ビターな風味が口内に広がり、ニンニク好きにはたまらないだろう。
豚骨スープは、臭みはないがコクがあり、しつこくないけど満足感が残る、直伝のテイスト。
店内の製麺機で作る麺は、博多風よりやや太めで、ほどよいコシがあり、スープやチーズとの相性も良好。

チャーシューは大石家時代よりも分厚く、味が浸みていて美味しい。
個人的には、スープ本来の味を楽しみたいので、マー油と焦がしネギ&ニンニクが過多に感じたが、
豚骨ラーメンとしては、かなりレベルの高い一杯であった。
食後は店主に、常連というほどは通っていなかったが、大石家さんが好きだったことと、
そんな、好きなお店を継いでくれたことへの感謝などを告げたところ、新店主も応じてくれて、
既出した、師匠が数年前に亡くなっていたことや、師匠への想いや記憶(ラーメン出し忘れなど)、
さらにはラーメンへの深い愛情などを、一気にまくし立てる。まさか、新店主も話し好きだったとは(笑)。
ただし、大石さんは新規客にも一方的に話しかけたり、私の大好きな下ネタや他人の悪口(苦笑)が多かったが、
梅吉店主は普段の口数は少なく、話す内容や口調も丁寧で、聞いてて不快に思うことはないはず。
これまた先述した、私の前では批判していた佐野店主についても、
「師匠も実際は、佐野さんを認めていたはずですよ。本当に嫌いだったら、名前すら出さないでしょう」と解説。
ついでに、こちらは名前は出さないが、町田の某有名店の女性店主について、大石さんは「あのババア」とよく罵っていたが、
それについても「あのふたりは本当は仲がいいんです。女性店主も、何度か大石家に客としてやって来て、
“なんだよババア”“うるせえジジイ”などとやり合ってました(笑)」と教えてくれた。そうだったのか!
さすがは愛弟子。師匠のことはよく知っているし、話してみたところ、九州ラーメンの造詣も深い。
その後も、ラーメンを味わうため、そして店主とのトークを楽しむため、こちらには何度か通っている。
店主は研究熱心で、メニューだけでなく麺、スープ、具材なども、たびたび変えている様子。
なので、同じラーメンでも前回とは違う印象を持つこともあるし、一期一会となった商品もある。
我が道を貫いた迷匠…ではなく、名匠から受け継いだ味を、さらに進化させるべく日々奮闘している、
梅吉店主を、私は結構尊敬している。仕事関係で尊敬している人間は皆無なのに。 ※蔑視しているのは多数
そんな店主が作ったラーメンを、もっと紹介するため…後編につづく。
らーめん梅吉
神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-1-1 ※大石家も同じ場所でしたが、ゾロ目のいい住所ですね
JR矢部駅から徒歩約6分、淵野辺駅からは約7分
営業時間 月~金18時~22時、土日祝11時半~14時
定休日 不定休
※定休日についてはお店のブログで確認を