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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

そういう店で 私は食べたい 中神『木偶の坊』

2020年02月02日 | そば、うどん
雨にも負けず 風にも負けず…
東にいい飲食店があると聞けば、すぐに駆けつけ飲み食いしまくる、
そんな私が今回紹介するのは、JR青梅線の中神駅近くにある、手打ちうどん店『木偶の坊』さん。


のれんをくぐり店内に入ると、カウンターと4人テーブル席がふたつ。壁にはなぜかギターが展示してあった。
「いらっしゃいませ!」と大声で迎えてくれた、男性店主がひとりで切り盛りしている。
「お好きなお席へどうぞ」と案内され、カウンター席でメニューブックを開くと、
最初のページに宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」が。店名は、この詩に出てくる「デクノボー」から得たのだろう。
自他ともに認める木偶の坊(=役に立たない人。気のきかない人。 goo国語辞書より)の私は共感する屋号だ。
お酒や一品料理もあったが、まずはお店自慢のうどんを食べようと思い、つけうどんの「肉汁(豚肉)」を注文。
店主は「ハイ、かしこまりました!」とハッキリとした声で返事をし、さっそく調理を開始。
国産の小麦粉だけで打つ自家製うどんを茹で、具材である豚肉を炙り…肉汁うどん850円が完成。


やや茶色っぽい麺は、手打ちならではの不揃いタイプ。一般的な並盛の1.5倍くらいか。


毎度のごとくヘタな撮影のつけ汁は、炒めた豚肉やネギを、さらに弱火で煮込んで仕上げていた。


さっそくつけ汁に浸して喰ってみると…おおっウマい! 
小麦の風味がする歯応えの強いうどんと、濃い味付けのツユや豚肉との相性は抜群。これは素晴らしいうどんだ。
一発で気に入り、お会計時「美味しかったです。また来ます」と告げると、「ありがとうございます!」の大声。
朴訥という表現が当てはまる店主だが、ちょっと声のボリュームが大きい気がする(苦笑)。
ちなみにこの日も、その後の再訪も、私は毎回、自宅から片道45分の距離を歩いている。
電車を使えば、立川から15分もあれば着くのだが、健康面を考慮し、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、通っている。

その後は、ツマミで一杯飲んでうどんでシメたり。以下でこれまでに注文してきた料理を紹介していく。
下記以外にも、焼うどんや温かいツユで食べるかけうどん、海苔巻き+サンマの「秋刀魚のまんま」というご飯もの、
さらには要予約のコース料理まである。店主はレパートリー豊富のようだ。

びんビールが600円、ウーロンハイ480円(少し値上げしたかも?)、種類豊富な日本酒や焼酎は450円~。
アルコール類には300円のお通しが付く。写真は山菜とお揚げを炊いたもの(料理名不明)だ。


まずは「鴨のつくね焼き」550円。つくねの間のシイタケと、右下の味噌ダレが鴨肉とよく合う。


こちらは、注文が入ってから野菜を刻み、さらに粉と水を混ぜてコロモを作る「かき揚げ」500円。


わかりづらいけど、結構なビッグサイズで、プリプリの海老が3尾入っている。塩と天ツユの双方がついてくるのも嬉しい。


もうひとつ揚げ物。これは「鶏のから揚げ(台湾風)」650円。


上記写真右下にある粉が、台湾風のヒミツらしい。シナモンのようなハーブのような…五香粉っていうんだっけ?


私の大好きな「もつ煮」は冬季限定で500円。右はお通しのスパイシー手羽揚げ。


煮込みは野菜もたっぷり入る濃厚タイプ。煮込みすぎてなくなったのか、汁っ気が足りない気がした。
お通しも含め、すべての料理が他の店では食べられない、店主の個性を加えたひと皿に仕上がっている。
店主独自のセンスは、もちろん麺類にも散りばめられている。

こちらは、「クリーミーカレーうどん」850円。


真ん中に卵黄、周囲に生野菜、そして汁なしタイプという、予想外のビジュアル!
後日聞いたら、「鶏カレーうどん」というのが、いわゆる一般的なカレーうどんらしいが、こっちの方が珍しくていい。
うどんをバターで炒め、さらにチーズも入っているので、洋風っぽい仕上がり。黄身を崩すと、さらにおいしい。


続いて紹介するメニューは、まず生卵、刻み海苔、ネギにダシ醤油がやってきて、


あとからうどんに乗せて食べる。そう、TKGのうどんバージョン「卵かけうどん」550円だ。

※一味も振りかけてみた

釜玉とは違い、うどんは締めてあるので、歯応えがある。半分ほど食べて、さらに玉子を追加(たぶん100円)。


カロリー過多だが、私は黄身が大好きなのでね。ちなみに、替玉子だけでなく替玉=麺のお替わりもできるようだ。
卵かけうどん、飲んだあとのシメにピッタリかもしれないね。

忙しくないときに、店主とお話しさせていただいた。なお、店主はこちらの質問には答えてくれるが、
普段は店奥のテレビで流れている、音楽の録画映像を凝視していて、相手してくれない(苦笑)。
店主は、おソバ屋さんや給食調理などを経て、うどんに目覚め、自分のお店を出すことにしたそうだ。
昭島市の中神で開業したのは、うどんやそばを打つのに重要な、水質の良さが理由とのこと。
確かに、昭島市は昔から、人間のガラは悪いが水はいいのである。立川市民に言われたくないか。
あと、店内壁にギターが飾ってあるのはやはり、昔ギタリストだったから。見た目の印象とは違うなあ。
さっき触れた音楽の映像も、私は不勉強で知らなかったが、有名ギタリストのものが流れているらしい。

そして、つい最近訪問した際は、女性の従業員が加わっていた。どうやら、この日から働き始めたらしい。
初出勤ながら、「かき揚げ美味しいですか?」などと声をかけてくれる。店主からは話しかけられたことないのに!
私よりもだいぶ若いが、私より間違いなく社交性があり、接客業は向いていると思う。いい人材を確保したものだ。
「今後ますます繁盛するのでは?」という私の問いかけに、店主は「イヤ~そうなるといいのですか…」とあくまで控えめ。

この日のシメは、まだ食べたことのないソバを希望し、メニューにない「うどんとの合い盛り」を作ってもらった。
ソバも自家製で、茹でる前は双方とも150グラムずつとのこと。結構多いが、なんとか食べられそうだ。
まずはうどんを、続いて茹で時間の短いソバが釜に入れられ、同時に盛りつけられ完成。

※ツユも特別に温めてもらった

う~む、合わせて300グラムとは、茹で上がったら500グラムくらいになるのかな?


さっそく食べてみたら、おおっ、木偶の坊さんはソバもウマい!
ちょっと前に、川口の『因業屋』さんで経験した、温める十割ソバも気に入ったけど、
キュッと冷やして、のど越しを楽しむソバも、やっぱりいいもんだね。
そんなソバをツルっと手繰ったあとに、うどんをガブリと噛み締めるのも、これまたたまらないね。 
さらに、「もり専用」のツユも、温めたからさらに味が強まり、ソバやうどんに負けない。合い盛り大正解だ!
「ここはソバもウマいですね!」と絶賛し、気分良くお会計をお願いし、伝票を確認したところ、
合い盛りは普通の「もり」と同額の700円。私「申し訳ない!」 店主「いえいえ」。
ただし、ビールを2本飲んだのに、バイト女性が1本の価格600円で足し算していたので、それについては自己申告。
店主「すみません、おっしゃる通りビールは1200円でした…」 私「いえいえ」。ドケチの私だが、会計はちゃんと払うよ。

雨にも負けず 風にも負けず…
自家製のうどんもソバもおいしく、一品料理にはそれぞれ個性が光り、
社交性ある女性従業員がいて、マジメで腕が良く、「木偶の坊」という表現には当てはまらない店主がいる。
サウイフミセデ ワタシハタベタイ
というわけで、私は今後も、木偶の坊さんにせっせと(徒歩で?)通うのであった。



お食事処 木偶の坊
東京都昭島市中神町1134-42
JR中神駅から徒歩約3分、立川駅からは徒歩約45分
営業時間17時~23時
定休日 日曜


※残念ながら、2023年7月で閉店なさったようです
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