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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

小さな名店の逸品「正田スペシャル」! 小平『まっちゃん』

2020年03月16日 | 居酒屋・バー
以前紹介した、東久留米市滝山にある中華食堂『珍来』さん。
先日は友人と一緒に、日が沈む前の酒を楽しんだ。注文したのは、名物の「焼ギョウザ」200円を2人前と、

※20個でも400円!

初めて注文した「炒麺(ヤキソバ)」500円。これでビールや酎ハイをゴクゴクと流し込む。


焼きそばは、ソース味ならペヤングが好きだが(焼いてないけど)、こういう中華風のも美味しいよね。
常連らしい先客たちも昼酒を楽しんでおり、ゆる~く流れる時間を満喫した。
会計後、初めてトイレを借りたが、通路やトイレ内に、味のあるイラストが飾ってあった。下記がそのひとつ。


急ぐとも 心しずかに手をそえて まわり散すな 松たけのつゆ
別の飲み屋のトイレでも、見かけた記憶のあるポエム(?)だが、ちゃんと言われた通りにしたよ。
まあ、私のモノは、松茸ほど立派ではないのだが…。 ※注 左記の告白、覚えておいてほしい

さて、この日は小平駅に15時集合。珍来さんへは徒歩で往復したため、再び駅に戻ると17時になり、
2次会に予定していたお店がオープンする時間となった。そのお店の名前は『まっちゃん』
小平駅南口を出て、少し歩けば見つかる、ご夫婦で営む渋い外観の焼鳥屋さんだ。


すでにお店は開いていて、店頭にはお持ち帰り串焼きを待っている女性、そして店内にも先客がひとり。
カウンター数席と4人用の小上がり席がふたつ。「そちらへどうぞ」と案内されたので、小上がり席に座らせてもらう。
壁に貼ってあったドリンクメニューから、私はビール大ジョッキ800円を、友人はレモンサワー450円を注文。


お通しの自家製らしいお新香は無料サービスらしかった。


お料理メニューはこちら。まずは基本の串焼きと煮込み。


串物7種の価格表記はないが、会計時にオール80円だったことが判明。安い!
そしてこちらが、ホワイトボードに記された、日替わりと思われるメニュー。


ヘタな撮影ではあるが、刺身系やサーロインステーキに混ざり、妙な品名があったのにお気づきだろうか。
そう、左から2番目の「正田スペシャル」100円である。
普段、正田を名乗っている私(本名なので当然だが)としては、頼まずにはいられない料理だ。
2軒目だったため、さほどお腹は空いてなかったので、煮込みと串焼き数本、そして正田スペシャルを2人前注文。
なお、こちらのお店は、温厚そうなおばちゃんが焼き物担当で、一見頑固そうなおじちゃんが接客担当という、珍しい体制。
まずは「煮込み」300円が到着。第一印象では、大きめにカットされた大根が目立つ。


まっちゃんの煮込みは、モツを使用しておらず、ほぼ大根でお肉少々、という構成であった。


上記サイズの大根が、器の中にすき間なく入っており、値段以上に量が多い一品だった。
続いて、おばちゃんが焼いた串物が登場。お持ち帰りの注文が次々と入ったため、やや時間がかかった。


左から「レバー」「ひなやき」「かしら」「しろ」「はつ」。味付けは全部タレでお願いした。
甘辛いタレで焼かれた串焼きは、やや小ぶりだが臭みなどはなく、お酒のツマミにぴったり。
小学生だった頃、父親がお土産に買ってきてくれた焼鳥も、こんな味だった記憶がある。
そして、わたくし正田が切望した、「正田スペシャル」2人前が登場。


その正体はウインナー焼きであった! そういえば、私のも松茸ではなく、この程度で…
どうだい、さっきの「注 左記の告白、覚えておいてほしい」という伏線を、ここで回収したぞ(笑)。

ネーミング理由をたずねたところ、予想通り、常連客の正田さんのリクエスト、ということであった。
だが、この人物は私のような小物(というか無名)ではなく、かなり大物の元プロ野球選手。
そう、広島カープのセカンドで首位打者にも輝いた、あの正田耕三さんのことであった!
知らない方のために説明すると、現役時代の正田選手は、好守好打で俊足のスイッチヒッター。
常に他人以上の練習量を課し、実際の試合でも、闘志あふれるプレイを心がけ、ユニフォームはいつも泥だらけ。
現役引退後は、コーチとして複数の球団で辣腕を振るっており、彼を高く評価するファンや関係者は多い。

しかし、広島の選手がなぜ小平に? 生まれも東京ではない(和歌山)のに? 私の問いに対しおじちゃんが、
「数年前、彼がリトルリーグのコーチをしていたことがあり、その帰りによく来ていた」と教えてくれた。
そうか。正田さんは近鉄バファローズや阪神タイガースのコーチだけでなく、少年たちの指導もしていたのか。
しかし、大のオトナである彼が、わざわざウインナーを要求するとは…よほど好きだったのかね(笑)。
どうやら、店主夫婦は野球好きのようで、店内には、リトルリーグや阪神タイガースの写真やグッズ、
さらには「Giants 55」のサイン色紙も飾ってある。サイン主はやはり、松井秀喜氏だろうか(吉村禎章氏の可能性は?)。
「実は私の名字も正田なんです…」と余計な告白をしたのち、酩酊&満腹のため退散。当然、お会計は安かった。

数日後、今度はひとりで訪問。小雨降る悪天候の中、持ち帰り客が頻繁に訪れ、注文の電話が何度もかかってきていた。
昭和の価格を維持するこちらの焼鳥が、地元の方々に愛されているのがよ~くわかった。
この日もビール大に、串焼き3本を塩で、さらに正田スペシャルを注文。

※左からレバー、かしら、ひなやき、正田

かしらは塩の方がウマかったけど、ここの串焼きは、個人的にはタレの方が好みかな。
この日はさらに、日替わりメニューから「うなぎ」1200円をかば焼きで注文。我ながら豪勢だな。


もちろん、その場で捌いたウナギを焼いて出す、専門店の商品にはかなわないが、
最近は価格が高騰し、スーパーマーケットで売ってるパックのヤツでも1300円以上するはず。
なので1200円は破格だし、そもそも、マジメなおばちゃんが焼いてくれたウナギだ。ウマいに決まっている。
調子に乗って、かば焼きには日本酒だろう、とチェンジ。「冷酒」は700円で「御酒」が300円。寒かったので熱燗を選択。

※熱燗=御酒=300円であった

滅多に飲まないため、日本酒の味はよくわからん私だが、いい気分になったのは間違いない。
お客さんが途絶えたのを見計らい、おじちゃんと少し会話し、名字が植松で、生まれは淡路島だということを知った。
植松さん=まっちゃんが店名の由来なのかな? その後、焼き場もようやく手が空き、おばちゃんもしばし休憩。
ご夫婦仲良く、お茶を飲みながら、店内に設置されたテレビを眺めてほほ笑んでいた。
そういえば、店内にかかっていたノレンには、かわいいフクロウのイラストと、
「楽しいときも 悲しいときも いつも一緒」という文字が記されていた。


実は、「おしどり夫婦」のおしどりは、雌が産卵すると雄は巣から出て行ってしまうのだが、
フクロウの雄と雌は、ずっとパートナーを変えないため、仲良し夫婦の象徴ともされている。
まさしく、ご夫婦を表すようなノレンに、ちょいとホロリとさせられ、日本酒と涙をグッと飲み干しお会計。
「また来ます」と告げてお店を出ると、相変わらず気温は低いが、小雨は上がっていた。

公称T170と、プロ野球選手としては小柄だった正田氏が、わざわざ通い詰めた『まっちゃん』は、
彼自身と同様、小さいながらも多くのファンに愛されている名店であった。
温かい雰囲気と、安くて美味しい串焼きを守ってきた、ご夫婦の多幸を願うと同時に、
こういうお店が近所に残っている、周辺住民の方々に、少々嫉妬してしまった。



まっちゃん
東京都小平市美園町1-28-17
西武線小平駅から徒歩約2分半
営業時間 17時~最近は21時くらい(とおっしゃっていた)
定休日 日曜 
※串焼き、煮込み、うなぎはテイクアウトあり
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4 コメント

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Unknown (豊田の住民)
2020-03-18 07:23:12
はじめましてこんにちは。いつも楽しく拝見しています。

当方の地元、中央線豊田の南口に「ふじ」という飲み屋があります。たぶん正田さん好みの店だと思うので、良かったら行ってみて下さい。

見た目ほど店内はきたなくないです。餃子と紫蘇が入ったチューハイが美味いです。お手洗いは必見です。
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Unknown (hobohobo)
2020-03-18 09:40:39
いつも自転車道を走っていると単調で飽きるのでいろいろ迂回するんですが、その迂回路の一つがここ。
昼間から気配があるので、ランチ定食やってないかなぁ… と覗き込んでしまう、すごく気になるお店でした。
そういえば、いつもおかあさんが焼き場近くにいますね。

それにしても安い!
うなぎも、いまその値段じゃ買えないでしょう。
今度お土産で買ってみようと思います。
もちろん、正田スペシャルも。
返信する
Unknown (日が沈む~(略))
2020-03-18 14:51:08
豊田の住民さま
どうもはじめまして。コメント&お店情報ありがとうございます。
豊田駅の南口は、子供の頃、『多摩テック』に行くときに下車した程度で、未知のエリアでした。
餃子でイッパイやりに、行ってみようと思います。
返信する
Unknown (日が沈む~(略))
2020-03-18 14:58:04
hobohoboさま
コメントありがとうございます。
教えてもらった『珍来』さんと、ハシゴさせていただきました。
快活なご夫婦が営む、お持ち帰り客の多いお店で、
串焼きとうなぎは、ほとんど儲けは出ていないと思われます。
ご夫婦のお店と言えば、『ひの食堂』さんの閉店には驚かされました…(涙)。
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