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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

関東屈指の老舗たこ焼き店 立川『高橋』

2022年03月01日 | たこ焼き、お好み焼き
以前、「たこ焼き」について語ったとき、コメントをいただいた。
たちかわ競輪場近くの「たこやき高橋」がずっと気になってるんですが、行かれたことはありますか?
ああ、そんなお店があったなあ…と思い出した。住宅街の中にある、近所の方以外は知らなそうな小さなお店なのだが、
すぐ近くに競輪場があるため(笑)、私はたまたま存在を知り、だいぶ前に1度だけ、お持ち帰りを買ったことがあった。
昔のSNSを調べてみたら、ガラケー映像が残っていた。3個100円と安価で、とりあえず200円分だけ購入。


お子さんでも買えるお手頃価格は、私の理想とするたこ焼きの条件のひとつである。
安さと並ぶ、ここのたこ焼きのもうひとつの特徴が、中にタコだけでなく、タクアンが入ること!
ガキの頃から大根が苦手だった私が、人生で初めてタクアンを口にしたのが、ここのたこ焼きである。
このときは、焼き場のお母さんから購入したのだが、店内をのぞいたところ、常連風のお客たちで混んでいた。
タクアンは苦手だし、非常連ゆえ入りにくそうだし、立川競輪の帰りは金がないしで(苦笑)、その後はご無沙汰していた。

冒頭の質問コメントをいただいたのが2月23日。ちょうど、大レース(取手・全日本選抜競輪)の決勝戦があり、
立川競輪場で前売り車券を買った帰りに、お店の様子を見に行ってみた。
競輪場の北門から出てすぐ、現在は赤いノレンを出しているお店が『高橋』さんだ。


こちらが店頭の画像。ノレンには「たこ焼」の白い文字が躍っている。


お店の真ん前には公園があり、お子さんたちが元気に遊んでいる。まるで昭和の風景のようだ。


数年ぶりの訪問だったが、「たこやき3ヶ¥100」と、値段は変わっていなかった。


以前、200円分だけ買ったテイクアウトたこ焼きは、現在は500円からなのかな。それでも『銀だこ』1人前より安いけどね。
店内にお客さんがいなかったので、初入店してみることにした。
なお、ネットでは「たこやきや高橋」「たこやき高橋」「高橋本店」など、いろんな店名表記があるが、
電話では「はい高橋でーす」と応じていたので、拙ブログでは『高橋』表記にしておく。

中に入ると「いらっしゃい!」とおじちゃんが迎えてくれた。私は初めて見たが、旦那さんもいたのか。
カウンターは7席で、間隔はやや狭め。背後には、小さいテーブルとイスが3つ。
一番端に着席し、「ビール大瓶」600円と、「たこやき3個」100円をタクアン抜きで、
そして「おこのみやき」300円を注文。こちらにもタクアンが入るそうなので、抜いてもらった。
お母さんが、熱した鉄板に生地を流し込む。たった3個で申しわけない。


調理の様子を見ていると、たこ焼きを熱している部分だけでなく、隣の鉄板も温めている。
しばらくすると、ある程度周囲が固まったたこ焼きを、隣の鉄板に移し、2度焼き状態にしている。
私もたこ焼き調理の経験はあるし、プロが焼く工程も何度か目にしてきたが、このやり方は初めて見た。
旦那さんに理由をたずねたところ、「このやり方だと、パリッと仕上がるんだよ」とのこと。
おそらく、生地で温度が下がった穴から、熱々の穴に移すことで、低温油→高温油の2度揚げのような効果があるのだろう。
繰り返しになるが、3個しか頼んでないのに、手間をかけていただき申しわけない!
しばらくして、愛らしい姿の「たこやき3兄弟」が完成。


ソースなどの調味料は、カウンター上に用意されているので、店内で食べる場合は、自分で好みの味付けをする。


この日は車券を購入していたので、黒星●を避けるためソースや醤油は付けなかった。
生地自体にほんのり味が付いているし、店主が冷蔵庫から出してくれたマヨネーズと、青海苔だけでもおいしい。
しばらくして、旦那さんが焼いてくれた、おこのみやきが登場。


パンケーキくらいの大きさで、半等分してある。300円と安価なのに結構分厚い。
具材はキャベツ、タコ、紅生姜など。本来ならここに、タクアンも入る。
全体的に黄色いのは、生地に溶き玉子を混ぜているから。玉子の風味がして素朴だけどウマい。
こちらには、ソースやマヨなど、いろんな調味料を試させてもらった。


玉子が含まれているせいか、ソースより醤油の方が合う気がしたね。
私が食べている途中で、常連らしいご夫婦が入店し、たこやきを500円分注文。さらに持ち帰り予約の電話も入る。
すべての鉄板のガスが灯り、タコ、タクアン、紅生姜を冷蔵庫から取り出し、焼く準備に入る。


アップした画像がこちら。黄色いのが細かく刻まれたタクワンだ。


マヨネーズだけでなく、タコやタクアンも、調理後はすぐ冷蔵庫に戻される。提供する商品は安いが、仕事に手抜きはない。
途中で、公園で遊んでいたと思われる女の子がやって来て、「すみませんトイレを貸してください」と頭を下げる。
公園にトイレがないため、こちらに借りに来る子がよくいるそうだが、敬語を使っているのに驚いた。
場所柄、競輪ファンの溜まり場のような、入りづらい店という印象があったが、それは誤解だった模様。
現在は閉店した、2軒隣にあった飲食店の記憶と混ざったのかな?

とにかく、高橋さんが良店なのはよくわかった。再訪してよかったよ。
聞いたところ、開業から今年で61年目とのこと。1961=昭和36年から営業しているとは!
また、常連客に競輪ファンはあまりいないそうだが、旦那さん自身が競輪好きだった(笑)。
帰宅して競輪中継を観るため、お替わりはせず退散。お会計はちょうど千円であった。
競輪のハナシを少々して、旦那さんが「ぜひまた来てください」と仰ってくれたので、
「明日の木曜は定休日なので、あさって払い戻しの帰りに寄りますよ」と、
確定前にもかかわらず、図々しく的中宣言をしてから、お店を出た。

帰宅後にTVで観戦した、この日の全日本選抜競輪決勝は、押さえ車券が的中。


たいした浮きではないが、負けなかったのだからヨシとしなくては。翌々日、立川競輪場で払い戻しを済ませ、
再度高橋さんを訪問した私を待っていたのは、「本日都合により休業」の貼紙(泣)。


「日本一臨時休業に出くわす男」を自負しているので、気落ちすることなく(?)、数日後改めて訪問すると、
お店はちゃんと営業しており、お母さんが焼き場の前に立っていた。
この日はまず、ビール大瓶と、たこ焼きを400円分、12個オーダー。下記が高橋さんの全メニューだ。


ビールを飲みながら、店内に置いてあったスポーツ新聞に目を通し、焼けるのを待つつもりだったが、
しっかり競輪面が抜かれている(笑)。しばらくすると、その競輪面を手にした旦那さんが登場。
予想どおり、前売り車券を買ってきたらしい。ちなみに金曜日に休んだ理由は「釣りに行ってた」だって(苦笑)。
まあ、おふたりが病気などで休んだのではなく、元気だったのならばいいよ。
下記画像は、お母さんが私の分と、電話注文分を焼いている場面。鉄板の場所を移し、2度焼きするのは先述した。


数分後、焼き上がった12個が、お皿に盛られて登場。この日はソースも付けて食べる。


ラー油や醤油など、いろいろ試してみたけど、一番ウマかったのが、一味&マヨネーズかな。


ビールを飲み終え、「ウーロンハイ」350円を追加。焼酎は意外と濃かった。


たこ焼きも食べ終えたので、注文したことのなかった「やきそば」300円も追加した。
旦那さんが専用の鉄板で、麺に水を含ませ、具材のキャベツとモヤシを入れ、最後にソースで仕上げる。


麺はかなり柔らかめで、具材もチープなため、プロというか家庭的な味わいなのだが、それがまたいい!
毎回、このようなソフトな仕上がりなのかはわからないが、私はすごく気に入った。

※青海苔とマヨも合う

ソースは、卓上に設置してあるものと同じらしい。ウスターソースのようにサラサラだが、独特のコクがある。
聞いてみたところ、立川の某店に置いてある、某メーカーのソースらしい。今度私も買いに行こう。
ソース以外のことも、店主である旦那さんと、いろいろお話しさせていただいたので、以下でQ&A形式で紹介。

私「今年で61年目ということですが、立川で一番古いたこ焼き屋さんなのでは?」
店主「立川どころか、関東でもかなり古い方じゃないかな。大阪にいた私の母があっちで覚えて、
(たこ焼きの)機械をわざわざ送ってもらって、ここ立川で始めたんだ」
ウィキペディアでは、「1960年代中頃には、関東地方でも屋台での販売が見られるようになる」とある。
ウィキ~に全幅の信頼は置けないが、1961年創業のたこ焼き店は、関東では相当な老舗なのは間違いなさそう。

私「タクアンが入るのは珍しいですが、これは昔からですか?」
店主「味も作り方もメニューも、みんな昔から変えていないよ。お客さんみたいにタクアン抜きを頼む方もいるし、
逆にタコを抜いてくれって人もいる。あ、あとウチはね、タコじゃなくてイカを使っているんだ」
私「えっ!? イカなんですか!」 
店主「そう。一時期タコも使ったことがあったけど、不漁で使いづらいし、今はずっとイカだね」
言われてみれば、タコにしては色が白いとは思っていたけれど、たこ焼きじゃなくて「いか焼き」だったのか。

※イカは、たこやき1個あたり2~3粒入っている

私「昔は、『高橋本店』と名乗っていたようですが?」
店主「実は、親類がやってるたこ焼き店が羽村にあるんだ。だからこっちが本店で、あっちが支店ってことで。
羽村の店は、今は日曜だけの営業だし、ウチ以上に“知る人ぞ知る店”だと思うよ」
確かに、ネット検索しても全然出てこない。羽村の『高橋支店』、ご存知の方は情報をください!

私「味やメニューは変えてないそうですが、値段もここ数年間、変わってませんよね?」
店主「そうだね。今でも近所の小中学生が買いに来るから、あんまり(値段を)上げるワケにはいかないねぇ。
長いことやってるから、中学生が大人になって自分の子どもと一緒に来て、さらに孫を連れてきたケースもあるよ。
小麦粉も油も値上げが続いてるから苦しいけど、もうしばらく今の価格で頑張ってみるよ」
親子三代で通う客がいるってのは、歴史ある良店ならではの「いいハナシ」だね。
あと、個人店が努力して、なんとか価格を抑えているのに、値上げばかりのテンイチは、やっぱりけしからん。
「超こってりラーメン」1200円なんて作ってねえで、もう一度価格を見直すべきではないか!?
テンイチはさておき、店主とはこの他にも、「立川競輪の現在・過去・未来」といった、
有意義な会話も交わしたのだが、皆さんの興味を惹かなそうなので、今回は割愛する。

立川及び関東でも屈指の、歴史あるたこ焼き店『高橋』さん。
競輪場からは近いものの(笑)、一般の方にはアクセスは良くないかもしれないが、
安くて美味しいたこ焼きなどを食べたいときは、ぜひとも寄ってみてほしい。テイクアウトも大歓迎とのことだ。



高橋 (たこやき高橋)
東京都立川市曙町3-36-7
立川駅北口より徒歩約17分 西国立駅からも同じくらいだと思う 立川競輪場からは北門出て徒歩30秒
営業時間 11時半くらい~19時
定休日 木曜、その他不定休 夏場は休みがあったはず
※来店前に電話連絡がおすすめ
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2 コメント

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Unknown (hobohobo)
2022-03-01 11:12:14
いつもながら鋭く切り込んだリポート、敬服いたします。
ずっと抱いていたイメージどおりな感じで安心しました。

1961年創業、イカにタクアン、羽村に支店… と、驚きの連続でした。
今度思い切って飛び込んでみようと思います。
返信する
Unknown (日が沈む~(略))
2022-03-01 13:01:14
hobohobo様、
コメントありがとうございます。
文中で記したように、常連客が占めていた、
2軒隣のお店と勘違いしていたのかもしれません。
いろんな意味で「ほぼ昭和」のお店ですので、
気に入っていただけると思いますよ。
返信する

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