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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

独自のメニューが揃う立ち食い店 西荻窪『笠置そば』

2022年11月19日 | そば、うどん
西荻窪駅南口は、改札出てすぐの場所に、立ち食いソバ店が2軒ある。
1軒は大手チェーンの『富士そば』で、もう1軒は個人店っぽい『笠置そば』
実はこちらもチェーン店らしく、東京・埼玉に計7店舗あることを、こちらのブログ記事で知った。
そういえば昔、高円寺のガード下にも、同名のソバ店があった記憶がある。

個人店だと思っていた理由はいくつかあり、券売機がなく、商品提供と引き換えにお会計すること、
麺の茹で置きをしていないこと(注:私の訪問時は)、うどんが手打ちであること、
そして、他店にはない独自メニューが豊富なことである。

初訪問は、今から5年ほど前。並びにある『戎』などで日が沈む前の酒をたしなみ、シメに立ち寄ったと思われる。
注文したのは「かきあげそば」で、現在の価格は440円。かきあげ単品は、5年前から価格変動はなく120円。


ツユは、立ち食いソバ店ならではの濃い出汁で、かき揚げも、揚げたてではなく平凡だったが、
さっき書いたように、そばは茹で置きではないためか、しっかりとコシがあり、なかなかウマかった。
また、「立ち食いソバ店ならでは」と記したが、こちらのお店はちゃんとイスがあるため、
厳密には「座り食いソバ」なのだが、以降でも立ち食い店として扱わせていただく。

数年後、うどんに興味を持ち始めた頃、こちらが手打ちうどんを提供していると知り、再訪。
注文したのは、立ち食い店どころか、普通の蕎麦店でも見たことのない、「肉じゃがセット」を冷たいうどんで。
セットは、そばorうどん、温かいor冷たいが選べる。「冷」は+20円なので、当時530+20円、現在は600円。
専門店同様、うどんは注文後に茹で始め、さらに冷水で締めるため、完成まで時間がかかった。


お盆を運んできたのはおばちゃんだったが、私の訪問時は、店主らしきおじちゃんのひとり営業が多い。
ぶっかけ風の冷たいうどんは、少々のネギと丼の縁にわさび。


セットの肉じゃがは、小ライスに乗せられた、珍しい「肉じゃが丼」として登場。


上記にお新香が付くのが「セット」。+120円の「定食」だと、ご飯ものの量が倍になり、麺が半分になる模様。
肉じゃがの味付けは薄めで、野菜独特の甘さを感じ、ご飯との相性はイマイチ。あと、ちょっとヌルかった(苦笑)。
一方、うどんは自家製らしく不揃いだが、ほどよいコシと噛み応えがあり、専門店に勝るとも劣らないウマさ。


当時は「ざる」タイプが好きだったので、冷たいうどんを選択したのだが、
温かいツユの「かけ」でも絶対にウマかったと思うし、肉じゃがを入れて食べても面白そうだ。

飲んだシメに立ち寄りたい笠置そばさんだが、こちらは朝早くからの営業ゆえ、夜閉まるのは早く、
すぐ近くの『最後に笑え』さんの営業開始時間(最近は21時)には、すでに閉まっている。
さらに、その後はコロナ禍もあり、しばらく足が遠のいたが、先述した愛読しているブログで、
「もりカレー」という謎メニューがあることを知り、気になったので久々に行ってみることに。
19時頃に訪問したところ「今日はもう終わり」とのこと。また食べログの情報にダマされてしまった。
数日後、18時頃に再訪したところ、残念ながら夏休み(泣)。さすがは「日本一臨時休業に出くわす男」である

※訪問したのは8月12日

閉まっているドアに貼られた、季節限定の天ぷらが気になった。ハモや稚鮎なんて、普通の立ち食い店では扱わないよね。


ハモの天ぷらとは、さすがは京都の笠置(かさぎ)という地名を、屋号の由来にしているだけある…
という情報は最近知ったことで、それまでの私はずっと、「りゅうちそば」と呼んでいた(恥)。笠智衆のせいだ。

数日後、ようやく入店できたので、店内メニューの一部を撮影。まずはそば・うどん。

よくあるメニューに混ざり、「にしん」や黄色い紙の「ニラ玉あんかけ」など、個性的な商品もある。

こちらはセット、冷やしのメニュー。セットや定食とは、さっきの肉じゃがのように、麺+ご飯ものの組み合わせである。


なので、「コロッケセット」はコロッケそばではなく、麺+コロッケ丼である。
こちらも、「目玉焼き」「ひじき」などの珍品が目に付く。「照焼」は何の肉? 「天ぷら茶漬け」とは?
目玉焼き丼はわかるが、ひじき丼は個人的には惹かれないな。600円というのも、ちょっと高い気がするし。
とにかく、笠置そば西荻窪店の独自性というか斬新さをわかってもらえただろうか。
この日私が頼んだ「もりカレー」680円も、斬新というか奇抜(失礼)なメニューのひとつであろう。


上記画像の左上、妙に白く光っている(撮影失敗)のは、小鉢サイズのご飯である。


冷水で締められたそばを、カレーつけダレに浸して食べるのだが、ご飯の使い道がわからん。
カレーダレは、ニンジンなどの野菜の他、そばツユも混ざっているようで水分が多く、
けれどもスープカレーのようなコクはないので、ご飯にかけてもカレーライスにはならない。
だからといって、タレに浸したあとのそばと一緒に食べるのは、明らかに失策であろう。


しかも、キンキンに冷えたそばを付けていくうちに、カレーに含まれる脂肪分が分離してしまった。


そばは、ツユを少しだけ付けて啜るのが粋らしいが、野暮な私はでっぷり浸すので、このような不幸を招く。
ただ、温かいカレーダレで冷たいそばを食べる、発想自体は悪くないと思う。

そういえば、天ぷらの撮影を忘れていたので、つい最近4度目の訪問。
天ぷらケースの真ん前、通称「天ぷらアリーナ」(※そう呼んでいるのは私だけ)に陣取ることに成功。


さっきのハモのような特別メニューは、注文後に揚げるようだが、他の天ぷらは、ケースに入っているもの以外は売り切れ。
80円の「イモ」「かぼちゃ」から240円の「エビ天」「穴子天」まで、多彩な品揃え。「野沢菜漬天」は珍しいよね。
上記画像に収まらなかった部分には「マイタケ」、さらに「本日 せり天が美味しいですよ」のメッセージも。


日によって、おススメ天ぷらも変わるようだ。チェーン店とは思えぬ柔軟さ!
過去には「スープセロリ」「新茶」「うど」「ふきのとう」「モロヘイヤ」などの販売実績もある模様。
この日の私は、温かい「かけうどん」を食べたかったのだが、あいにくの品切れ。
なので「かけそば」320円に「とり天」200円と、これまた珍しい「あした葉」160円を追加。


メニューケースに「あした葉」の札がなかったのは、私が頼んだのが最後の1個だったからである。
具材をアップ。左の鶏天には、生姜風味が付いている。右の明日葉は、そばツユに負けない鮮烈な香り。


明日葉天だけさらに拡大。途中で七味も加えて、ズルズルサクサクと食べ終えた。


野菜嫌いで、明日葉なんて普段は見向きもしない私だが、天ぷらにするとおいしく食べられる。
もちろん、笠置そばのソバとツユのお陰であることは書くまでもない。
店頭看板、そしてノレンに記された、「味のつわもの」の文字が誇らしげだ。



以前、新秋津駅前の立ち食いソバ店『木曽路』さんを紹介した際に、
個人経営の立ち食いソバ店も、(中略)有名チェーン店やコンビニなどに押され、ここ数年でだいぶ姿を消している。と記した。
私の地元立川は、近年なぜか個人店が2軒増えたが、それはレアケースであり、
コロナ禍により、主流客であるサラリーマンの出勤自体が減ったため、苦境に陥ったり、廃業した立ち食い店は多いはずだ。
拙ブログでは、【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズを不定期に発表しているが、
今後は、【立ち食いソバチェーン以外のソバを食べた】もシリーズ化し、魅力ある個人店を探したいと考えている。



笠置そば 西荻窪店
東京都杉並区西荻南3-11-7
西荻窪駅南口から徒歩約30秒
営業時間 7時45分くらい~19時くらい ※店主に聞きました
定休日 日、祝、その他不定休
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (hobohobo)
2022-11-22 17:34:56
ブログを紹介していただきありがとうございます。

うどんは立ち食いとは思えない見た目でおいしそうですね。
天ぷらやサブメニューの豊富さ。
やっぱり面白いお店ですね。
「本日○○が美味しいですよ」とは、名の通ったそば屋でも、なかなか言えるものじゃないと思います。
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Unknown (日が沈む~(略))
2022-11-22 20:14:34
hobohobo様、
コメントありがとうございます。
文中の「スープセロリ」と「新茶」の天ぷらは、
hobohoboさんのブログから得た情報です。

数日前の『木曽路』のブログで記されていた、
「立ち食いそばは現在、東村山市に2軒、東大和市はゼロ」
には驚かされました。
まさに「絶滅危惧種」になりつつありますねえ…。
木曽路や笠置そばには、これからも頑張ってほしいものです。
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