アシモフ作品かなり続けて読んでちょっと満腹感が出てきたので、毛色の違ったSFに手を出しました。
SFを読むにはそれなりに「SF頭」にならないときつい感があったりもするのでとりあえずSFにしてみました。
本書は、昨年末ふらっと入ったブック・オフで105円で売られており、先日読んだ「人間以上」が面白かったのでスタージョンが気になっていたため迷わず購入したもの。
あらすじ(裏表紙記載より)
養父にひどい折檻をされ、家を飛び出したホーティ少年は、街を旅するカーニヴァルの一座に保護された。団長のモネトールは、奇形動物や奇妙な人間を集めるかたわら、不思議な能力をもつ水晶を探していた。一見なんの変哲もないその水晶は実は生きており、痛みや憎しみなどさまざまな感情を発する。そして水晶が夢見るとき、土の塊から花や昆虫が、小鳥や犬が生まれるのだった・・・・・・。幻想SFの巨匠がつむぎだす珠玉の名品
これを読むとなんだかメルヘンチックな展開を思い浮かべますが、暗いトーンで割とシュールな作品です。
裏表紙を読んだだけで買った人だと最初の数ページで読まなくなるかもしれません。
同じ「SF」ですが、読み出しからアシモフに慣れた頭を切り替えるのに苦労しました....。
「サイエンス」の要素がかなり薄く、「ファンタジー」の要素が濃厚な作品です。
アシモフが「理科系」アプローチだとすると「文科系」アプローチですね。
アシモフは初期作品集で「ファンタジーを書きたい」との意欲を語っていますが、アシモフはこっち系のアプローチは無理だろうなぁということを感じました。
初期作品集で試みている作品を何作か読みましたがとても成功しているとは思えないですし、純粋に理科系からアプローチしていって、そこから「人間」の問題が垣間見えてくるという展開がアシモフの小説の魅力なんじゃないかと思います。
ただ本好き一般の人は文系的アプローチの方がなじみ深いせいか、アシモフ全盛時に知名度では全然比較にならなかったスタージョンの作品、見直しの機運が出てきて結構人気のようです。(ネットでみた限りですが)
サービス精神豊富なアシモフよりいわゆる「文学的」でちょっとわかりにくいスタージョン的な作品の方がなんだか高級な感じがするような気もしますし。
余談が長くなりましたが本作、先日読んだ「人間以上」でも感じましたがとにかくうまいですね。
幻想的な世界の中でいろいろと場面が展開していきますが、最終的に「なるほど~」と思わせるような結末に向けてまとめていく力はとにかく感心しました。
序盤は若干重い展開でしたが、それがしっかり生きて中盤から終盤にかけてどうなるか先が気になってどんどんページが進みます。
全編通じて幻想的で切ない感じの世界観もとても好感が持てました
ただし最後のドタバタが終わってからのラストはちょっと書き過ぎな気がしました。
もう少し切り詰めた方が感動的だったような気がします。
この辺うまくやっていたらかなりの名作という評価になったのではないかと思います。
人間以上でもラストが「ちょっとどうかなぁ」とも感じたのでこの作者の特徴なのかもしれませんね。
スタージョン、長編の代表作は本作と「人間以上」のようです。
人間以上の方が完成度は上な感じがしますが、全編通じて割と重い展開なので、この作品のフワフワとしながらコンパクトにまとまった感じも好きな人は好きでしょうね
良書だと思いますし長く生き残りそうな気がしました。
でもアシモフ的アプローチも結構好きなのでこっちも今後とも生き残って欲しいと切に思っていたりもします。
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本書は、昨年末ふらっと入ったブック・オフで105円で売られており、先日読んだ「人間以上」が面白かったのでスタージョンが気になっていたため迷わず購入したもの。
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養父にひどい折檻をされ、家を飛び出したホーティ少年は、街を旅するカーニヴァルの一座に保護された。団長のモネトールは、奇形動物や奇妙な人間を集めるかたわら、不思議な能力をもつ水晶を探していた。一見なんの変哲もないその水晶は実は生きており、痛みや憎しみなどさまざまな感情を発する。そして水晶が夢見るとき、土の塊から花や昆虫が、小鳥や犬が生まれるのだった・・・・・・。幻想SFの巨匠がつむぎだす珠玉の名品
これを読むとなんだかメルヘンチックな展開を思い浮かべますが、暗いトーンで割とシュールな作品です。
裏表紙を読んだだけで買った人だと最初の数ページで読まなくなるかもしれません。
同じ「SF」ですが、読み出しからアシモフに慣れた頭を切り替えるのに苦労しました....。
「サイエンス」の要素がかなり薄く、「ファンタジー」の要素が濃厚な作品です。
アシモフが「理科系」アプローチだとすると「文科系」アプローチですね。
アシモフは初期作品集で「ファンタジーを書きたい」との意欲を語っていますが、アシモフはこっち系のアプローチは無理だろうなぁということを感じました。
初期作品集で試みている作品を何作か読みましたがとても成功しているとは思えないですし、純粋に理科系からアプローチしていって、そこから「人間」の問題が垣間見えてくるという展開がアシモフの小説の魅力なんじゃないかと思います。
ただ本好き一般の人は文系的アプローチの方がなじみ深いせいか、アシモフ全盛時に知名度では全然比較にならなかったスタージョンの作品、見直しの機運が出てきて結構人気のようです。(ネットでみた限りですが)
サービス精神豊富なアシモフよりいわゆる「文学的」でちょっとわかりにくいスタージョン的な作品の方がなんだか高級な感じがするような気もしますし。
余談が長くなりましたが本作、先日読んだ「人間以上」でも感じましたがとにかくうまいですね。
幻想的な世界の中でいろいろと場面が展開していきますが、最終的に「なるほど~」と思わせるような結末に向けてまとめていく力はとにかく感心しました。
序盤は若干重い展開でしたが、それがしっかり生きて中盤から終盤にかけてどうなるか先が気になってどんどんページが進みます。
全編通じて幻想的で切ない感じの世界観もとても好感が持てました
ただし最後のドタバタが終わってからのラストはちょっと書き過ぎな気がしました。
もう少し切り詰めた方が感動的だったような気がします。
この辺うまくやっていたらかなりの名作という評価になったのではないかと思います。
人間以上でもラストが「ちょっとどうかなぁ」とも感じたのでこの作者の特徴なのかもしれませんね。
スタージョン、長編の代表作は本作と「人間以上」のようです。
人間以上の方が完成度は上な感じがしますが、全編通じて割と重い展開なので、この作品のフワフワとしながらコンパクトにまとまった感じも好きな人は好きでしょうね
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でもアシモフ的アプローチも結構好きなのでこっちも今後とも生き残って欲しいと切に思っていたりもします。
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