某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

筑紫のきわみ陸(みち)の奥―蛍の光再々論

2015-04-24 15:05:23 | 心を打つうた
またまた「蛍の光」でしつっこいが、長く気になっているので、ここらで決着をつけたい。小学生の頃覚えた「蛍の光」の歌詞には、前に書いた「台湾・・・」と一緒に「筑紫のきわみ 陸(みち)の奥 海山遠くへだつとも・・・」というのがあった。これは九州から東北の青森までだから分かりやすいし、これが日本だ、と小学生でも実感できた。北海道というのは、地理で習ったし、ニシン・タラ・鮭・ます・カニ・こんぶ、と産物を暗記させられていたから知ってはいたが、どこか日本とは別の感じだった。いわば、なんだかちょっと西洋っぽい。懐かしさを感じさせない地域という感じだった(私だけだろうが。)だから本来の日本は九州から奥州まで。最初の「訳者」らしい稲垣千頴もそのような思いであったろうと勝手に想像している。
 ここまで書いて、念のため岩波文庫の『日本唱歌集』昭和33年で確かめてみた。明治14年の『小学唱歌集(初)』には4番まであって、3番に「つくしのきわみ、みちのおく」とあり4番に「千島のおくも、おきなわも、 やしまのうちの、まもりなり」とある。これこれ。今は、この領土問題に触れそうな3番と4番は歌わなくなっているのだ。まして、だんだんと広がっていった「植民地」を歌いこむような歌詞はご法度なのだ。それにしても文部省の役人は大変だな。小学生の唱歌にも日本の植民政策をうたいこむ。時節にあったように歌詞をいちいち変更する。今の教科書検定問題と同じ事が、きめ細かくスピーディに行われている。子供は歌で覚えるから、これは大変に効果的な教育だ。おっかない事。
コメント
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