某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

はい、 チーズ。

2013-01-25 01:10:36 | ぼやき
 友人に勧められて、店でチーズの串あげというのを始めて食べた。うまかった(チーズそのものも大好きだが。)それで思い出した小学生の頃の話。
 地理の授業で北海道の産物を習っていた。「にしん、たら、さけ、ます、かに、こんぶ」と大声で暗唱した。すると先生が「チーズってのもあるんだぞ」といった。「だれか、チーズってのを知ってるか?」誰も手を挙げなかったが、お金持ちの子が、小さい声で「銀紙に包んであるの」といった。先生も「そうだ、銀紙に包んであるものだ」と言った。それで終わり。なんだかわからないが、チーズってのは銀紙で包んであるもの、ということになった。昭和17年、東京市中野区の小学校での話。多分先生も知らなかったのだろう。
 この話は、実は前にも一度したことがある。ゼミナールの学生達に戦時中の小学生の様子や学童疎開(集団疎開)のことなどを話していた時だ。すると、学生に「それじゃ、写真を撮るとき何と言ったんですか」と聞かれた。今なら、写真を撮るとき「はい、チーズ」と声をかけて皆を笑い顔にする。「オー、鋭いな」とまず褒めた。「でもな、写真はみんなまじめでおっかない顔をして撮ったんだよ。めったに撮らなかったしな」と。小学校で今は「1たす1は?」と言うこともある。皆が「にー」と、良い笑顔になる。これも、しかし、戦後だろう。
 父は会津の農家の四男だった。会津平といわれ、四方を山に囲まれた盆地。6年生の時修学旅行で猪苗代湖に行くことになったそうだ。先生が「猪苗代湖は広いぞ、おっきいぞ」というので「どのくらい広いのかし、海より広いかの」と聞いた。勿論子供達は誰も海を知らない。すると先生は「ああ、海より広いぞ」と大威張りしたそうだ。海水浴に連れて行ってもらうたびにその話を聞いた。
 先生は大変だ。知らないことでも教えなければならない。辛かっただろうな。
 
コメント (2)
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