▼この3月のあいだに、つまり今月の月末までに、新しい本が書店に並びます。
かつて、ぼくの名前が表紙にある本が初めて出たのは、対談本でした。
今回は、それに続く、ほんとうに久しぶりの対談本です。
本のタイトルは、「青山繁晴、反逆の名医と『日本の歯』を問う」(ワニ・プラス)。
え? 日本の歯? 歯ですか? は?
…なんちって、思われた人もいるでしょう。
これは、ぼくの中高時代からの親友との対話です。
その親友が今や、日本の歯科治療の常識に真正面から反逆する、新しい治療を押し進める歯科医になっているのです。
彼の歯科医院には、北海道から沖縄まで、そして海外からも患者さんが集まってきています。
▼対談本を出すのは、正直ぼくにとって苦痛です。
だから、これまでずっと出していなかった。
オファーはかなりありますが、すべてお断りしていました。
なぜか。
対談をすると、それをテープから起こしますね。
それが文章化されると、そこに手を入れていくのですが、その方が、自分で一から文章を書き起こすよりも、はるかにはるかに手間も時間もかかるのです。
これは、ぼくの生き方にも関わると思います。
ふつうは、対談本をむしろ歓迎する発信者も多いと、出版社からは聞いています。
「対談しただけで本を出せる、みなさん、そう考えるのですよ」と、あるベテラン編集者は明かしてくれました。
しかし、ぼくは、対談しっぱなしで、後を人に任せたりしません。
プロの物書きなんだから、それが当たり前だと思います。
一からどんどん書き進めていくより、既に文章化されている言葉にあとから手を入れるのは、ほんとうに苦しい作業です。
しかし、今回はありのままに申して、わが親友と、それから間違った治療で苦しんでいる沢山の患者さんのために、ひと肌脱いだというのが本音です。
ぼく自身は、両親のおかげで歯が生まれつき丈夫で、歯の悩みはありませんが、歯で悩む人は周りでも少なからず見ます。
そして、この対談が進めば進むほど、思わずぼくが「あちゃあ」と叫んでしまう衝撃的な事実が、てんこ盛りに出てきました。
したがって、この新しい本には「アチャア~」という、ぼくの変な叫び声が、かなり出てきます。
それは、ちょっと恥ずかしいけど、そのままにしました。
だって、実感だから。だって、事実だから。
大切なことは、わが親友が、そのショッキングな事実に対して、ちゃんと歯科医師の良心をもって、かつ謙虚に臨み、彼なりの解決策を考え、それをたった今、実行しているということです。
対談を通して、少年時代からの友だちに、あらためて深い敬意を抱いたのも、うれしいことでした。
▼ただね、この対談の記録に手を入れる作業のために、ぼくの過密日程は、余計にひどくなりました。
先週の金曜に、ニューヨークに出発する日も、前日から徹夜でその作業を進め、午前6時半に自宅を出なければならないのに、その作業が終わったのは午前6時15分。
さすがに焦りながら、たった15分で荷物をパッキングし、待っていた編集者に分厚い3種類のゲラを渡し、そして成田空港に着くと、そのゲラの確認をめぐって搭乗時刻のギリギリまで、メールで作業したのでした。
これも、ありのままに申して、ジェットラグ(時差ぼけ)などの影響を大きくしました。
ちょっと今のぼくは、頭がぼけすぎ。
ひとつ下のエントリーでも、「日曜の夜に帰国した」という趣旨がありますが、実際は、「日曜にはもう、ニューヨークで帰国便に乗り込み、機内で半日、時間が経ち、そして昼夜逆転の14時間の時差があるので、成田に着いたときは月曜の夜になっていた」のがホントです。
今朝の、RKBラジオ(福岡)の生放送でも「日曜夜に帰ってきた」と話してしまったと思いますが、事実は上記の通りです。
あちゃあ!
アチャア~。
みなさん、ごめんなさい。
お詫びして訂正します。
▼ちなみに、この対談を受けた以上は…ということで、もう一つの話も受けました。
それは、アベノミクスをめぐる須田慎一郎さん、三橋貴明さんとの鼎談です。
これも、まもなく本になります。
いずれ、あらためて詳しくお知らせします。
写真は、その親友との対談風景です。
これは出版社から派遣されたプロの撮った写真で、別のひとこまが、新刊書の帯(おび)に載ることになります。