拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「たとえば僕が死んだら」―消え去る『証』

2006-07-28 20:27:07 | 日記
えー、陰気な記事タイトルですみません(昔夢中で見てた『人間失格』というドラマの煽り文句です)。記事の内容は全然陰気ではありませんのでどうぞ気楽にお読みください。

昨日は帰宅したのが深夜0時を過ぎていたので記事の更新が出来なかった。このブログを見てくれているある友人は今朝、「(毎日欠かさず更新してるのに)更新されなてないから死んだのかと思ったよ」とコメントしてきた。まぁ、彼の思考はあまりにも飛躍しすぎだが(殺すなよ)、日々当たり前になっていることが突然途切れたりしたらやっぱり「ん?何かあったのかな?」と思うのは普通の事だ。元気ですよ、私。暑さでへろへろ気味だけどその他は腹立つくらい健康。
さて、思いもよらない「死んだのかと思った」発言を浴びせられ、私は思わず「もし今死んでしまったら」ということについてぼんやりと考えてしまった。当たり前だが、今こんなに元気でも明日死なないとは限らない。hideだって誰もが―当時は別に彼のファンでもなんでもなかった私ですら「うっそぉ…何でこのタイミングで!?」と驚くような亡くなり方をしたのだ。まぁ彼の死は極端すぎる例だが。この健康が一夜にして崩れ去るということは無いとしても、フラフラ夜出歩いてたら暴漢に襲われるとか、無いとは言えないしね。心当たりは無いけど拉致られるとかね。例えば、今このタイミングで私がそのような凶悪犯罪などに巻き込まれて死んでしまったら。そして「被害者」として実名報道されたら。多分、どっかしらのルートで私がこのブログの管理人であるということがバレるだろう。で、アドレスを教えていない身近な知人とか古くからの友人などにも多分見られるだろう。…恥ずかしい。昔さくらももこの短編漫画かエッセイで、高校時代、誰にも内緒でポエム集「乙女の日記帳」を作成していたさくらももこが「自分が死んだ後こんなもんが見つかったら大恥だわ」と思って処分したというエピソードを読んだことがあるが、それに似た心境。まぁ、「乙女の日記帳」程恥ずかしいことは書いてないつもりだけどさぁ…。
思ったのだが、実名報道された凶悪犯罪の被害者(死亡)が現在大流行のmixiをやっていたらどうなるだろう。犠牲者が学生の場合、mixiに入会している可能性は高い。mixi、私は数時間で退会してしまった人間なのだが(オイオイ)、あの世界に入ってみて驚いたのは、殆ど実名で登録している人ばかりだということ。知り合いの名前で検索すれば数秒で彼・彼女のページに飛べるわけだ。相手の本名を知っていればブログやHP等とは比べ物にならないぐらい素早く当人にたどり着くmixi。沢山のmixi利用者が被害者に対して大なり小なり好奇心を抱き、彼・彼女の本名で検索すれば、そのページにアクセスが異常なほど集中し、場合によっては株式会社ミクシィ側によって件のページを閉鎖せざるを得ない事態となるだろう(あの『グレアム・ヤング毒殺日記』ばりの事件を起こした「タリウム投与少女」のブログも運営側によって即座に削除されたのではないか?)。
犯罪被害者のmixi、及びブログが突然無くなれば多くの他人にとっては「あぁ、あの人のページ削除されちゃったね」で済むだろうが、その被害者の家族、友人、知人などにとってこれほど寂しいことは無いと思う。悲しい事件で亡くなってしまった人の「生きていた、そしてその日々を文にして綴っていた」という証が、当人の意思はもちろん、当人の関係者の意向も無視して即座に消されてしまうわけだ。登録時の「利用規約」に「いざという時は強制的に閉鎖させる場合がある」という旨のことが明記されている以上このような事態はどうしようもないことだが、これは遺族にとってはとっても辛いことだと思うなぁ…。
以上、shallowの「真夏のおせっかい」でした。

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