拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

空蝉/変態、ホームセンターに現る

2006-07-21 21:17:14 | 日記
今日は少し浮かない気分なので凄く軽いことでも書こうか。まず最初は、そろそろその鳴き声が街中に響き渡り、人々をイライラさせたり逆に風流な気分にさせたりするセミについて。次は日曜大工道具売り場について。

●セミ…幼虫の間土の中に七年近くも埋まったままで過ごし、いざ羽化して外に出たと思ったら約一週間でその命が果ててしまうというその生き様に対して人が抱くイメージはさしずめ「悲劇の短命昆虫」といったところだろうか。せっかく外の世界に出れたのにすぐに死ぬなんて。都市開発の進むような場所に産み落とされたセミの場合、長期間を土の中で過ごすうちに外の世界がガラっと変貌し、土だったはずの場所がセメントで塗り固められ、いざとなった時「出られない!!」と涙をのむ場合もあるだろう。子供の頃、「セミってなんのために生きてるんだ、セミの一生に何か愉しみはあるのだろうか」とよく同情してたもんです。
しかし成長するにつれて私のセミに対しての考え方は変わってきた。七年近くを土の中で過ごすということは、セミにとっての親しみある場所は土。どうしても土の外の世界のほうが明るいイメージがあるけど、長年親しんだホームスイートホームから羽化のために抜け出すのは実はセミ的には不本意なのではないだろうか。もしかしたら、「土の外なんて出たくねぇよ~、ここでぬくぬくしててぇんだよ~」と嘆く「モラトリアムゼミ」が殆どなのではないか?だから地上での生活が短命に終わるのだ。引きこもりの人間が外の世界に居心地の悪さを感じるのと同様、セミだって「地上なんて居心地悪りぃ。とっとと子孫残して逝くべ」ぐらいに思ってるのだ、きっと。セミにとっての地上は生きる場所ではなく、土の中と天国の間に位置するいわば天国の階段。森で林で街でミンミン鳴いてるセミは、天国の階段を性急に駆け昇ってる途中なのだ。

●授業で使うエナメル線を買いにホームセンターに行った。昔からホームセンター好きで、行ったら意味も無くウロチョロし、ずらりと並ぶ日曜大工道具を眺めてはワクワクしていた。別に私はDIY(Do it yourself)精神を持ち合わせているわけではないので日曜大工なんて一切やらないのだが、「これで水道直すんだぁ」とかいろいろと考えるのはとても楽しい。特に好きなスペースは木材コーナー。いい匂い、いい手触りのする資材が並ぶ様は圧巻。ついつい近寄って軽く匂いをかぎながらなでなでと触ってしまう…変態だ!うすうす気づいてはいたけど、日曜大工売り場でこんなにどきどきワクワクしている私はちょっと変態だ。日曜大工フェチ…。そんなことを考えていたら、昔読んだ『分解ファイル』という漫画を思い出した。電化製品を分解して修理するのが得意なメカ好きの男子高校生が主人公。彼は好きな女の子に熱を上げるあまり、その子を分解してみたいという変な衝動にかられる。そして彼女の体を分解する夢を何度も見て、「俺、絶対頭おかしい!」と気づき、解決策を考えるお話。まぁ、私はあの漫画の男子高校生ほど変態じゃないけど…。

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