今日のしんぶん赤旗は、コラム欄で森糸信氏が、「河野太郎デジタル相、総裁選ではなく、保険証廃止撤回こそ『有事』」の内容で記事を書いています。紹介します。
保険証廃止で混乱招く
「有事の今こそ、河野太郎」ー26日に自民党総裁選に立候補を表明した河野デジタル相のキャッチコピーです。政府による「デジタル化」を巡って「国民生活や自治体などの業務を混乱のもたらし、「有事」を発生させた当の責任者のことばでしょうか。
河野氏は2022年10月に『24年秋の健康保険証の廃止」を表明し、その後、12月2日の新規発行停止が閣議決定されました。法的にマイナンバーカードの取得は任意ですが、保険証が廃止されれば国民にとって実質的に義務化されたも同然。国民の大反発を受け、厚生労働省はカードに保険証利用登録を利用してない人には資格証明証の発行を決めました。
河野氏は立候補表明の会見で「資格確認証がでるので、マイナンバーカードがなくても特に問題はない」などと強弁。そうであれば、最初から保険証を廃止しなければよいはず。保険者や自治体に無駄な業務を増やし、国民には皆保険の崩壊への不安を広げました。
昨年、マイナンバーをめぐるトラブルが相次いだ際は、短期間で膨大な総点検を省庁や自治体、保険者に強制。一方で、「公金受取口座」の誤登録で個人情報が漏えいし、個人保護委員会からデジタル庁が行政指導を受けても謝罪の一言もなく、責任を部下に押し付けました。
河野氏は、世論調査での支持率の低さを指摘され、「デジタル化を進めていくうえで、いろんなことが影響している」と自らの失態を認めました。そうであれば、なすべきことは総裁選への立候補でなく、保険証の廃止を撤回し、国民にもたらした「有事」を解消することではないでしょうか。
(森糸信)