私は、宇都宮たのしい授業体験講座では、「道徳のプラン」に参加しました。
そこで、学んだことを2つ紹介します。
この文章の途中で、先の結果を予想する問題がありますから、予想しながらお読みください)
ともだち
山路敏英
「ねえ、ボク、大きくなったら探検家になりたいな。トシちゃんは何になりたい?」
タカオちゃんは、草をかき分けながら、振り向いて言った。
ボクはそんなこと考えたこともなかったが、仲良しのタカオちゃんが言うので、「ボクも探検家になりたい」と答えた。
小学生の2人はいつも一緒に遊んだ。ボクはチビ、彼はデブ。2人はけっこう弱虫だったから、強くなりたくて、よく探検ごっこをした。
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ある夏の日の午後だった。
2人は自転車で、上野の不忍池まで行くことにした。家からは40分くらいかかる。今まで、そんなに遠くへいったことはなかったが、何しろ探検家になるにはそのくらの度胸が必要なのだ、ということになった。
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カンカン照りの中、東京大学の校内を通り抜け、坂を下ると、緑に囲まれた不忍池が見えた。2人は顔を見合わせて笑った。自分たちだけで来られた満足感でいっぱいだった。
ついてしまえば、なんと簡単なことだろうと思った。青空を写してまぶしい水面、浮かぶボートを2人は眺めていた。
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気が付くと、池に黒い雲がうつり、あたりが暗くなり、ボッツンポッツンと降り出した。
「せっかく来たのにね」
「でも帰ろう。カサもないしね」
2人はまた自転車にまたがった。
帰りは上り逆立った。雨は次第に増えてきた。気はあせっても、自転車は進まなかった。そのうち、ドオーッと滝のように降ってきて、2人ともみるみるうちにずぶぬれになった。
どこかのおばさんが玄関先から、「雨宿りしていきなさいよー」と声をかけてくれたが、早く帰りたくて断った。
雨はますます激しくなり、空が光り、ゴロゴロ鳴り出した。
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東大の校内を抜ければ、もうすぐもうすぐ家に着く。しかし、最後に農学部のグランドをつっきらなければならない。近くに雷がバリバリ落ちる。
「こわいよー」とタカオちゃん。
「じゃ、この建物の下で雨宿りしていこうか」とボク。
「でも、寒いよー。早く家にかえりたいよー」・・・・・・・・・。わがままなヤツだ。
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問題1、雷が鳴り響く、広いグランドを前に、トシ(自分)ちゃんとタカオちゃんは、この後どうしたでしょうか。
予想
ア、全力でグランドを走り抜けた。
イ、雷がやむまで、建物の下で雨宿りした。
ウ、行くか、行かないかで、ケンカした。
エ、タカオちゃんをそこにおいて、自分だけ帰った
オ、その他(自分の考えがあったら書いてください)
(この続きは次回に。4回連載予定)