思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

ドライフライのハックルの巻き方

2013-03-09 21:58:40 | 毛針/Flies
私がフライフィッシングを始めたばかりの1980年に買ったフライタイイングの本を久しぶりに眺めてみました。
ティムコが出版した「フライ・タイイングの初歩(How to tie freshwater flies)」ケネス・E・ベイ著と「フライ・ドレッシング」沢田賢一郎著です。



ケネス・E・ベイという方は米国東海岸の方のようです。沢田さんは英国のジョン・ヴィニアード氏にフライ・タイイングを伝授されたと記載されております。そこで、一つの発見を致しました。



「How to」のドライフライの巻き方(ここではクイル・ゴードン)では、ハックルの先端を針のベントの方に向けて巻き止め、ハックルをアイに向かって巻くやり方の場合、ハックルの表がタイヤーの方に向く様に止めると記載されております。



一方、沢田さんの本では、同じくハックルをテイルからアイに向けて巻く場合、ハックルの裏をタイヤーに向けて巻き止めるとあります。





米国人のベイ氏のやり方で巻くとハックルはアイからテイルに向け傘の様な形になります。これは伝統的な英国ドライフライの巻き方、或はウェットフライのハックルの巻き方です。一方、沢田さんのやり方では反対になり今の日本で一般に行われている水面から出来るだけ離すためのハックルの巻き方となります。
米国人が英国のやり方で巻いているのに、英国人のヴィニアード氏に毛針の巻き方を伝授された沢田さんが反対の方法を行っているのです。

沢田さんはアイからテイルに向かってハックルを巻くやり方も紹介されております。このやり方で英国式にハックルを巻くと、アイ側からテイル側に向かってハックルのバーブが徐々に短くなりより奇麗な傘型になりますし、タイイングスレッドをハックルを通しながらアイまで戻して巻くためハックルが解けなくなります。

今のジェネティックハックルでは短いバーブが何センチも長く続くのでよりきれいな傘型のハックルを作る事は無理ですし、沢田氏のやり方で全く問題はないでしょうが、Old English Game Cockとかインディアンコックではちょっと格好が悪くなります。

という訳で、私はドライフライを巻く際は英国式に奇麗な傘になる事を目指して(中々奇麗な傘というのは私の不器用な指先では難しいのですが)、全てアイ側からテイル側にハックルを巻いております。

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