思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

米英竹竿の違いの軽い考察(その二)

2020-12-27 11:18:21 | Hardy Palakona

軽さを追求する米国竹竿。それに対する答えとしてHardyが作り出した軽量竹竿。その代表選手はDe Luxeで、リング(ガイド)はスネークではありませんが、竿尻のボタンもなくフェルールはロック機構の無いサクション。こうした軽量化を計る一方、特別注文があれば、竿を地面に突き刺し、誤って踏んでしまったりという事故を防ぐ事の出来るスピアをつける事も可能でした。
上は1935年製De Luxe 8'。下は1938年製De Luxe 9'。下の竿にはスピア、「Hardy's Patent 'Reversible' Spear and Button」が特注で装着されております。

下の9'竿はコルクグリップも長いのですが、スピアが仕込んであるためかリールシートも長くなっております。

ボタン部分のアップ。継ぎ目が隙間なくぴったりと合っており、一件一体成型されている様な印象です。

側面からボタンを見たところ。

ボタンを捻っていくと。

一体成型ではなくボタンは二つのパーツで出来ていることが判ります。

ボタンの外側を外すと、

スピアの部分のみのボタンが残ります。

スピアを竿尻から抜いて行きます。

スピアは竿尻に納められております。

スピアとボタンを構成する二つのパーツ。

スピアを抜いた竿尻。洋松材でしょうか、軽い木材が仕込まれスピアを固定する様になっております。

ボタンとスピアをスピアが出る様に合わせ、

繋ぎ目が感じられない精度でぴったり合わせます。

ボタンを竿尻に捻って付けていきます。

捻り終わるとスピアは直立。

幅広い面はカメラが映るくらいピカピカ。軽量のアルミ製です。

上から見るとこんな感じ。

継ぎ目もぴったりの精度です。
軽さを追求する米国竿では考えられない装備ですが、竿を踏みつけてしまわない様に精巧な部品を追加したいという釣り人の要請に答えた仕掛け。スキューズには余計な重さであると怒られてしまうかも知れませんが、釣りという遊びに使う竿という玩具に潤いを与えると思うのは私だけでしょうか。
尚、今から10年以上前に紹介したHugh Falkusは夜の釣りになるシートラウト釣りにおいてスピアは余分なラインがリールに絡む事を防ぐ素晴らしい役割があるとして、スピアが仕込んでいない竿は竿尻にショットガンの薬莢を被せ竿じりを長くしたりとの工夫をしております。機能重視に対し耐久性・安全性・玩具の楽しさも味付けした英国竿も中々捨てたものではないと思う年末の一日です。

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27 コメント

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釣り竿 (budsek)
2021-01-08 21:23:32
Halford_Knockabout様
コメントを頂きありがとうございました。
私の経験した限りの話でありますが、キャスティングは良くても魚をかけて寄せるとき、Hardyの方が安心して使えるなぁ、と感じさせる竿には幾つかお目にかかっております。軽さのみを追求するに非らず、HardyのPalakonaは魚を釣り上げるための耐久性にも優れた竿としての総合性能を追求して作られていると思います。早くPalakonaを担いで川へ湖へ行きたいものですね。
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palakona (Halford_knockabout)
2021-01-07 22:01:25
皆さん 竹竿の構造、キャスティングのメカニズム等
それぞれ深い見識を持っておられ大変感心させられました。私がPALAKONAについて感じているのは徹底的にフライフィッシングロッドであるとゆうことです。
知り合いにコレクターがおりますので国内外の様々な竹竿を振ってきました、それぞれ個性があって素晴らしいのですが フライフィッシングロッドとしてPALAKONA以上の物には出会っておりません。
見た目は当然、キャスティングの楽しさ、魚とのやり取りやランディング性能等々 PALAKONAを携えて水辺に立つことは他の有名メーカーや有名ビルダーの竿とは一線を画します。

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Unknown (おじゃまる)
2021-01-01 18:45:57
昔は私も合わせ切れの問題があり、ハエ竿を好んで使っておりました。キャスティングを学んでから好みが変わりました。もちろんマーベルもハエ竿の1つなのですが、この竿でもピンピンのラインを放出させることが可能です。テンポは遅くなります。私の知る限り海外の本場でキャスティングを学んできた日本人は 川本 勉氏 ハーディー、沢田 賢一郎氏 シャルルリッツと直接お会いしておられる。この2名です。そのうちの1人が川本氏なわけですが、フライ イナガキに土日とかに行かれると練習されておられる方が何名かおられます。目的は色々です。お客さんの中に ふたむらさん という方がおりますので、その方ですとトラディッショナルスタイル改シングルハンドディスタンスキャスティングを行っておられます。大胆な動きで川本氏のスローでは分からない、力を加えるタイミングのこつや力を発生させるためのストロークなど分かりやすいと思います。二人の違いを見つけ出すことです。行ってみるといいかもしれませんね。
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Unknown (はいからはくち)
2021-01-01 18:13:37
おじゃまる様 色々ご教授ありがとうございます。
私はウェットフライの釣りが多いので スピードの遅いワイドループでスルスルとラインを出すのが好きです。リッツのハイスピードハイライン(間違った解釈のハイスピードハイラインが多いです 自分のもそうかもしれませんが)を学んだはずが いつのまにかスロースピードローライン(笑)で投げてます。
竿がそれを要求するみたいです(笑) 今1番心地いいのは76年製のベロンベロンなマーベルで20ヤード先にフワリとドライフライを落とす様な釣りですね。マーベルはグリップからリールシートの辺までぐっと曲がる感触が本当に良くわかる竿です。WFの7フィート半 昔全てのパーツが揃ったフルオリジナルの77年製を¥39800で手に入れた事ありました。良い竿でしたが70年代のハーディーはどうしても曲がりが付きやすく 手放した覚えがあります。今うちにあるハーディーは60年代と70年代ばかりで 決して竹の素材は良くない時代ですが不思議と曲がりが出ないか 曲がってたのが元に戻った個体ばかりです。ジェットのリールシートも手で曲げるとかなり曲がるんですよね(笑) やはりハーディーは何かあると思います。キャスティングは松竹梅の皆さんを遥か上に仰ぎ見るヘッポコですが イギリス竿の良さを皆さんと共有できればと思います。これからもご指導よろしくお願いします。
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Unknown (おじゃまる)
2021-01-01 17:36:06
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。昨年から引き続きの話題になってしまいます。はいからはくちさんが工業高校やそれ系の職についておられる方であれば話は速いです。支点 力点 作用点。この原理を利用してグリップより下の太い部分を曲げた力をフライラインに伝えられるようになればランク 竹の下 です。竹のランクはこれに自在にワイドループ ナロウループを意図的に作り出せるようになることです。ワイドループが必要なのか?疑問に思われる方もおられるかもしれませんが、ウエットフライでのドロッパーをキャストする場合には必要です。梅 のランクはといいますとプロ(すたあー)が歌って踊るのを見て猿真似しているだけの方々になります。松 はと申しますと、トラディッショナルでもディスタンスでも卓越したキャスティング理論を持ちその理論を 竿 という商品にできる人。こんな感じでしょうか。竹 のランクまでいきますと、それまでの好みであった竿と違ったものを探すようになります。ようは物足りなくなる。それとは別に人がいいという竿ではなく自分自身に合った竿を見つけ出すことが可能となりますし、名竿と呼ばれる竿たちのいい部分を味わうことも可能となってきます。JJH氏やJET氏もやっていたはずなのですが、写真で残っているのはリッツ氏のみです。不可能なのか いえ可能です。日本人ではフライイナガキ 川本 勉氏しか見たことはありません。竿をブンブンハイスピードでおしおき棒のように扱ってしかやれない方はニセモノ。ウルトラスローのハエがとまりそうな速度でも可能です。シラメとなれば人より少しでも遠くに飛ばせると有利な場合が多々あると思います。チャレンジしてみてください。あとは針のアイの出来に注意して毛ばりを巻くことでしょうか。毛バリアンドフライさんのブログの中でも談義しましたが、バリのある不良品も過去に出回っておりますので、100本箱買いした場合は巻く前にティペットを結び引っ張って切れないか何本かテストが必要です。ダブルハンドもやられるのでしたら ブログ 悠々気ままな時間 Yamaさんのブログ内 2020 -11-08 今日の本栖湖は のコメントで出てくる動画や 2020-11-01 のコメントなどを参考にしてみてください。しかし私ですと ぷらすちっく なのですが べ~くらいと。かっこいーですよね。(笑)ごく最近ヤフーのオークションでウイリアムフレデリックハーディーの7.5ft 5番 3pc が10万1千円で落札されたのですが私の財布の中身は凍り付いており無理でした。復刻版だったのですが べ~くらいと のリールシートのモデルでした。残念!!
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新年明けましておめでとうございます (budsek)
2021-01-01 13:31:42
おじゃまる様、はいからくち様、yugawaski様
新年明けましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
年末から詳細なキャスティングと竿についての論議を共有頂き大変ありがとうございます。コロナの影響が春まで続くのかどうか分かりませんが、今年は皆様も昨年よりも釣り全般を楽しめる年になればと祈念致しております。引き続き貴重な知見をご教示下さい。
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Unknown (はいからはくち)
2021-01-01 12:31:51
皆様明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします。
おじゃまるさん 私の師匠は岐阜のテイルウォークの森正幸さんです。基本的に沢田ーペゾンーテイルウォークのオリジナルロッドであるウォーカーと パラボリック系な竿でリッツスタイルのキャスティングを学びました。
私はイギリス竿が好きで 持っている竿がハーディーばかりになってしまいました。先日断捨離して 本当に使う竿3本残して後は処分しましたが…
今はキャスティング練習用に残したジェットであれこれ試しています。
只先日も色々調べましたが 1930年頃までのキャスティングスタイルの写真拝見すると 皆さんサムオントップでフィニッシュの際に竿尻が手首の内側に入る方が多い様に思いました。それ以降に活躍した方々は ゲベーツロイターを除けば概ねサムオントップないしVグリップのどちらかだと思います。その辺りからもバットの弾力の利用の仕方が変わってきてる気がします。
一度 トミー エドワーズ マービン ヘッジ ピエール クルーズボウ アルベール ゴダールらのキャスティングを見てみたいですね 皆さんどうやってバットをひん曲げてかっ飛ばしていらっしゃるのか…
今日は仕事始めですので 昼休みの一服に書いてみました。明日からは長良川に立ち シラメのライズ観ながら黙々とキャスティング練習とバットエンドの作用点について考えてみようと思います。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-31 22:49:55
良いお年をと言いつつコメントに戻ってきてまいりました。(笑)ひょっとしてはいからはくちさんフライイナガキで習っておられるのでしょうか。川本 勉氏         
のキャスティングを見られたことがある方で、アンダーが垂れ下がらずピンピンにまっすぐで風を切り裂くループヘッドのキャスティングをしたければ練習してみてください。このリストをとじてフォワードキャスト時にバットエンドを押し付ける動作を行えるようになるだけでフライラインの飛び方が違ってきます。第一歩です。小指を使わなくともフォワードキャストスタートからストップになるまでの間に閉じたリストをさらに勢いよく閉じる動作(バネ)を行えば効果がフライラインの飛び方にあらわれます。フォールは行わず1回1回丁寧に確実に行うことです。大事なのは動作を変えたらここがこう変わったという実感です。あのお方は私が通っていたころは答えは教えず見せてくれる方式だったので 自分との違い を見つけ出し なぜこの動作を行うのか 自分自身理解することが必要です。動作のみの猿真似では習得できません。がんばって練習してみてください。ユニバーサルフィッティングシングルハンドの固定方法はH好きY好きさんの回答通り。葉巻コルクはばらしたことがありませんが、数年前にビルダーさんにコルク取り換えを私が依頼した画像が見れます。戦後のLRH氏時代のゴールドメダル13ftのヌードです。
竹竿工房 JADE-ホームFacebook 左下の画像をクリックして、画像の65段目ぐらいに数枚画像があります。ダブルハンドですと強力な力で竹片が割れるのを防ぐ目的なのか全体に木材による補強が行われその上にコルクリングが接着されています。それでは今度こそ 良いお年を。
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グリップの中 (yugawaski)
2020-12-31 19:35:31
グリップの中がどうなっているのかが話題になっていますね。
昔のパラコナ竿のグリップはコルクリングの積層ではなくシート状のコルクをぐるりと巻き付けていましたから、ブランクの角を丸く削って、グリップの形に成形した丸棒を被せて、そこにコルクのシートを巻き付けていたようですね。
アメリカのバンブー竿は、雑誌にエックス線写真が掲載されていたのを見たのですが、初期のものはともかく、積層したコルクリングの中にブランクを貫通させてグリップを成形しているようです。
その上で、グリップの中のブランクが普通に細いものとスウェルバットで太くなっているものがありますね。
個人的な意見ですが、よほどデリケートでグリップの全長が長い竿であればともかくとして、グリップの中のブランクの弾性はほとんど影響がないものと考えています。
コルクリングを隙間を空けて固定する「骨グリップ」がありますが、あれで何らかの動きを感じたとしても、あれは独立したコルクリングがリングの弾性で歪んでいるのを感じているに過ぎないのであって、その下にあるブランクがしなって、それを感じているとは思えないのです。
Wフィッティングの「受け」金具は計4本のビスでコルクのリールシートフィラーに固定されていますが、コルクではビス止めがきかないので、おそらくはブランクに木を被せて、そこまでねじ込むことによって固定しているのではないかと。
パラコナは、一部のスケルトングリップのモデルは分かりませんが、基本的にグリップは固めてしまう考えだったのではないかと思っています。
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Unknown (はいからはくち)
2020-12-31 18:56:59
皆さん凄い洞察力ですね。
おじゃまるさんの理論通り 竿のバットをいかに曲げて弾力を引き出すか… キャスティングはそこができるできないで全く違って来ます。その為のバットエンドの構造 私も考えて来年のキャスティングに反映させていきたいと思います。来年こそはゴールドメダルとシルクラインで長良川の本サツキマスを…(モドリは釣れるのですが…)
皆様良いお年を。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-31 16:25:04
高番手の長竿を使って正しい握り方で、握った場所とバットエンド間の太くて曲がりにくい部分を ほんの少し曲げる ことが自然にできるようにいい竿は作られているはずです。9ft8番ぐらいが練習にはいい。こんな言葉も昔良く聞きましたが、これも事実です。どうしても遠くに飛ばそうとしてしまうのですが、少ない力で硬い棒を曲げることを練習するのが本来の目的。曲げることももちろんループの作り方などキャスティングのスタイルによっても変わりますが学びやすいです。間違った動作をしていなければそれほど疲れるとか腕が痛くなるとかはないです。理解するまでは苦労しますが。ほんの少しと書いたのは、私の場合5mm径の1メートルぐらいの丸棒を使って、竿が曲がった状態からグリップとバットエンド間をさらに深く曲げる練習をするのですが、細い丸棒は良く曲がりますが、実際の竿はテーパーがついており太く硬いためにほんの少しという表現です。ダブルハンドの動作原理を学ぶのにも丸棒は使えます。リッツの本にはダブルハンドで学んだ方が覚えやすいと書いていましたが、事実なのですが、あの方がダブルハンドを振っている写真を見たことがございませんし、ぺゾンがダブルハンドロッドを販売したのもたしか死後だったと思います。budsekさんが手に入れたトーナメントロッドのショートグリップに露出したスエル状のテーパーの謎。握った時にバットエンドが腕のどこに当たるのかなどなど。この休みにレナードロッドをもう少し深く観察してみるのも面白いかもしれません。私はあのベークライトのリールシートを見ながら悩んで年を越しそうです。それではよいお年を。
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Vグリップ (budsek)
2020-12-31 11:32:55
おじゃまる様
コメントを拝見しておりまして、私がHardyの10'前後程度の長竿を使う際もVグリップで竿尻を腕に密着させて使っていることに思い当たりました。昨年会津大川で使ったLoch Leven 10'もこの方法で振ると少ない力でプラスチックラインのDT5Fも川の真ん中を超えてスーっと伸びて行きました。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-30 19:59:23
これビルダーさんに必要な知識なのですが。テーパーの細い部分を曲げるよりも太い部分を曲げることができればその反発力は絶大ですので、ディスタンス競技に興味のある方はもちろん普通に釣りをする場合にも少ない力で大きな力を発生できるキャスティングは有利です。キャスティングの方法が違えば好む竿も違ってきます。私の場合9ft 12番のソルトウォーターロッドにエーベルのビッグゲーム4Nといったヘビー級のシングルハンドも振るのですが、サムオントップでは巨大な丸いバッドエンドでも腕に当たらないためにバネ構造は使えず疲れるだけで、フライラインはたいして飛ばず釣りにはなりません。トラディショナルキャストのスタイルでるVグリップですと、バットエンドが腕に当たる面積が増えてバネの仕組みが使えます。一振りでもそれなりの距離飛びますので疲れません。握り方一つで棒から引き出せる力は大きく変わります。南風ロッドビィルダー 三浦さんのブログ内でも、シャルルリッツの本で出ているキャスティングの方法では、リッツが写真で出ているような一直線のラインは飛ばせないとコメントされていますが、まったくその通りなのです。隠しています。私はディスタンスはやりませんが、JJH氏のキャスティングのスタイルの追求は謎が解けるまでつずくと思っています。
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竹のバネの活用 (budsek)
2020-12-30 18:48:57
おじゃまる様
考察を共有頂き大変ありがとうございました。フォワードキャストでリストをぴっちり閉じて最後のキックを加えると竹のバネをグリップの中まで活かせること、日本人ビルダーがグリップ内の竹材を細く削り過ぎていたことがビシッとしたキャスティングを不可能にしていたこと、グリップ内部の竹材の重要性を教唆する例証と理解致しました。ベークライトのシート材を使うのは8'以上の竿なので、今朝は竹の長さ長ければ竿尻まで届かなくてもバネの活用には十分と判断していたのではと思いコメントを投稿したのですが、暇に任せてネットを見ていたら、ドイツでHardy C/B De Luxe 7'6''という1947年製のパラコナ竿が今年11月に売りに出ていて、これが詳細スペックが記載されたハーディーオリジナルのタッグ付き、更にベークライトのリールシートの竿でした。考えてみればContinental SpecialもStaggered Ferrule竿でコンセプトが違うのかもですが、短竿でプラスチックリールシードの竿。やはり実証主義でパラコナ竿を幾つか解剖し、ビルダーの方や力学に造詣のある方に診て頂くしかないのでしょう。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-30 18:08:12
この話題はビルダーさんでないと難しいかもしれません。(笑)日本人ビルダー作の7,6ft 5番のスペックのバンブーを持っておりますが、ハーディーの竿と比べても全くのパワー不足。DT5でキャストすればハエの止まりそうな速度でふるしか方法がない代物です。ハーディーの竿はライフル銃のように鋭いラインを放つことやキャスターによるラインコントロールにも答えてくれますが、その日本人ビルダーの竿は私の意思には答えてくれない竿です。ゴールドメダルの一番安い竿で2万円ほどでしたので約7倍の金額を投じた竿なのですが、ゴールドメダルの方が圧倒的にいい竿です。最近地元中古ショップで手に入れた5000円ほどの古い日本メーカーの7.6ft 34番4ほんつぎの竿の方がそのビルダーさんの竿よりも断然良くできていました。スパインはバラバラですが振り心地や力の強弱、コルクのグリップの握る位置により力の出方が変わり、腕の動作の速度にも答えてくれるブランクスの作りの良さはピカイチの竿。なぜあのビルダーさんの竿はここまでひどいのだろうか。130年前の竿でもできているのに。疑問に思っていろいろと違いを調べていました。答えはグリップから上の作りは5番で、下は34番の作りになっていることでした。自分で制作しやすいように削ってはいけない部分を削りまくって作られた竿。キャスティングも中途半端なために誰か優秀な方に振って確認してもらわなければいけないビルダーさんだったのですが、不幸なことに確認した優秀なキャスターさんの好みが私が言う ハエの止まりそうな速度を好む方 だったのです。いろいろと調べていくうちに古いトラディショナルキャスティングはシングル ダブルともに同じ原理 同じ動作であることに気が付きました。ハーディーのバンブーダブルハンドと同じ作りのシングルハンドの竿はというと budsekさんも限定版でお持ちのゴールドメダル CCドフランス トライアンフ マーベルになるわけです。トライアンフは持っていませんがマーベル以外の竿は私が振っても感じ取れるキャスターの意思にダイレクトに答えてくれる竿でした。マーベルはグリップが短かすぎてつまむ位置を変えてもわかりずらいです。JJH氏が数々の栄誉を授かったこの作り方よりも自分の名を入れるほどに自信があった方法があのベークライトを使ったリールシートを使った竿の構造になるわけですが、非常に優れた竿なのです。樹脂 プラスチックと言いますと現在では安物イメージが強いですがその当時どうだったのか分かりませんが。富士のルアー用のリールシートでも使われていたり車のバンパーに使われたりと柔軟性を持った材質です。この材料を使ってバネ構造を作っていたのではないかと考えていたのですが・・・・。ちなみにサムオントップで握ってキャスティングを行っておられる方のほとんどはバットエンドを腕につけず握った手の上側のテーパーの力しか使っておられない場合が多いです。この方法のかたですとレナードによくみられるグリップ上の露出した部分のスエル構造部のみを利用したキャスティングになりますのでグリップやリールシート部のテーパーは必要ございません。中途半端にダブルハンドディスタンスキャストを習った方と同じです。ロッド全体の力が使えず握った利き手から上のテーパーをブンブン振り回すキャスティングです。当然飛びません。トラディショナルスタイルのVグリップで 握る ではなく 親指と人差し指でつまんで リストをとじた状態でバットエンドを腕の硬い骨部に当てておき、フォワードキャストで小指でブランクスをひきつけバネの力を利用できるキャスターであればグリップやリールシート内部のテーパーまでキャスティングに利用できます。パーフェクトに刻まれたロッドインハンドからハーディーのキャスティングが変わったことをあのベークライトのリールシートが物語っているのかもしれません。あのスピアの溝が私には非常に気になっていたのですが、はいからはくちさんの情報ですとむくもあるとのことですので一から考えなおしです。シーロートでは真似ができないことをハーディーならやっていると思っています。
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今後の研究課題 (budsek)
2020-12-30 06:59:59
おじゃまる様、はいからくち様
コメントを頂き大変ありがとうございます。
私はハーディーの竹竿の解剖など未経験なものでお二人の議論には全くついて行くことが出来ません。LRHドライフライのグリップ内部では竹のブランクに木材を被せていたというのは19世紀からの手法の延長の様で極めて興味深いものです。オールコルクのグリップの場合、竹のブランクスが竿尻まできていることはCC de France、Marvelの解剖、修理の例で分かりますしまたいずれも短竿なので、ただでさえ竹の弾力を活かすには長さが必要なところ、それをグリップの中まで活かす様な設計がなされているのか?などつらつら思う次第です。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-29 23:39:42
はいからはくちさん 情報ありがとうございます。私自身もCCド フランスやトライアンフなどのフルコルクのリールフット部のコルクを削っていないブランクスで後端まで貫通しておりながらテーパーのあるモデルには、リストを閉じた状態でフォワード動作時に小指でバットエンドを腕に当てる動作をした時にバネになるため、少ない力、少ない動作でフライラインを遠くまで運べることを確認しています。この技術がありながらハーディーはまったく違ったベークライトのリールシート方式の竿を作りあげていたので、あのスピアの溝の空間がもしや とおもっておったのですが残念また1から考えなおしです。あの時代にあれだけの技術を持ち自らチャンピオンに輝いていた人物であるJJH氏がOKを出した構造で、自らの名を冠したJJH No1パラコナにも使われたリールシートですので簡単には分からないと思っておりますが解明したいと思っております。
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Unknown (はいからはくち)
2020-12-29 23:06:20
おじゃまるさんはじめまして。
ブランク全体の弾性を活かして尚且つ軽量化 もしやとは思いますが ハーディーでもCCドフランス アキュラシー トライアンフ トーニーなどトーナメント系の竿は全てコルクスケルトンでしかもグリップ短いですよね? ここにも一つの解答があるように思えます。CCドフランスのスピアー付きとか見た事がありません。この辺がハーディーなりの解釈かなと思います。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-29 22:17:56
はいからはくちさん情報ありがとうございます。私もリチャードウォーカー1本持ってます。トップとバットエンドの寸法差が異常に大きいバズーカテーパーとでももうしましょうか。古いブルースウォーカーのダブルハンドなみです。しかしながらあの竿にはスピアはありません。スピア付きシングルハンドの時代のダブルハンドにもスピアはありませんし、現在に至るグラス カーボンのシングルハンドにもついたものはございません。必要であらば現在販売されているモデルにもついているあるいはオプションであるはずなのです。なぜJJH氏LRH氏の時代のシングルハンドに必要だったのか。謎です。ハーディーがレナードの真似をした。よく聞きますがハーディーは数々の特許を持っています。新たな技術を産み出していた会社なのです。LRH ドライフライ 私も途中までばらしましたが、グリップ内部でブランクスとリールシート用の木をくっつけてあり、スエルバットのような形状で継ぎ目にタコ糸を巻いてなだらかにしたうえでコルクが接着されていました。ちなみにコルク側のポケットは真鍮製で2本のビスで止められていました。私が見たスピアなしのバットエンドなのに溝が切られていたものは修理品だったのでしょうか。届いた時にはバットエンドのアルミのピンが折れており外れたのが気になります。溝なしのむく材の物がある情報は大変ありがたいです。コルクや材木のやせ情報参考になりました。ありがとうございました。ちなみに竿作りをしているショップのオーナーにシングルハンドのリールシート内のブランクスの反発力まで生かした竿を作ったことがおありかどうか聞いたことがありますが、5分くらい専門用語を使ってしゃべってくれましたが、そんなところまで考えて作ったことがない とのことでした。
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Unknown (はいからはくち)
2020-12-29 21:01:39
はじめまして いつも楽しく拝見させて頂いております。
昔 折れたLRHドライフライを分解した時は コルクの下は洋松材とおぼしきウッドが出てきた覚えがあります。ウッドはブランクよりかなり太く ウッドで下支えして グリップの部分だけコルクを被せ リールシートの部分はベークライトを被せてアップロックのリールシートを着ける手法だった記憶があります。 確か1955年製でしたのでスピアーはついておらず 下までソリッドの木でした。 これは私の推論ですが ベークライトのフィラーは 木やコルクだとリールフットによる傷や痩せが多発する為 ベークライトを被せてそれを防いだのではと思います。金属では重さとコストがかかる為 加工しやすく安いベークライトにしたのでは? 修理の際もその部分は再利用出来ますし Wフィッティングのリールシートよりはグリップ修理が楽なのではと思えます。只 後年グラスのリチャードウォーカーやファイバーライトパーフェクションに ブランクそのままリールシートというモデルもあり ブランク全体を活かした竿を作ろうとしたのかとおぼしき痕跡もあります。(たまたまブランクの径が太くてそのままリールシートにしただけかもしれませんが… 軽量化にはなりますね)
当方所有の67年製ゴールドメダルや最初期JETはベークライトのフィラーの半分位までブランクがきてます。その下はねじ込み式のアップロックのリールシートの金具部分です。ブランクの弾力を活かす作りにはなってません。やはりハーディーもそこまでは考えてなかったのかと思います。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-29 19:35:41
JJH氏時代には他社より優れたいい道具を作り出すための工夫を生み出してきたメーカーですので何かあると思っております。私もこのプラスチックフィラーの竿のコルクまではがしとって見ているのですが、プラスチック部分ははがしたことがありません。過去に金属、コルクともに作っていたハーディーがなぜこのリールシートを長く使いつずけたのか。構造が理解しずらいために真似ができないといった利点はあると思うのですが、パーツ数も多く複雑で組み立てにも手間がかかります。キャスティングを学ぶことで見えてきたものがまた遠くにいったような気がしますが追求していきたい部分です。情報ありがとうございます。
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ハンドルの内部 (budsek)
2020-12-29 18:22:05
おじゃまる様
Hardy's Collectors' Guideを見るとHalford Pricelessのグリップの断面図がありそれを見るとグリップの中のある程度のところまではブランクが入っていることが分かりますし、White Wickham FairchildのX線写真は竿尻までブランクが入っていることが分かります。ただ一方ベークライトのリールシートが付いている竿の中がどうなっているのか解剖情報がないため不明です。米国竿でもリールシートがメタル製の竿がありますが、ハーディーがそれを模倣したということは考えられませんでしょうか。また、Pezon et MichelのSawyer Nymph竿の様にグリップはコルクのみで4フィートx2のブランクスのみが竹という竿もありアクション次第ではグリップ・竿尻までブランクが通る必要もなかったのではないでしょうか。。。
返信する
Unknown (おじゃまる)
2020-12-29 17:37:21
納屋にしまってあったLRHドライフライとフェアリーとチェックしてみましたが、縦ですね。(笑)スピアなしのデラックスで私の手元に届いたときにリールがまっすぐつかずおかしいと思い触っているとピンが折れており、のぞくと横溝になっていました。なぜハーディーがあのプラスチックフィラーの変わった構造を選んだのか謎だったのですがさらに謎が深まってしまいました。(笑)スピアがあっても地面にさしてリールが付いた状態ではよほどの深さを刺さなければ自立はせず自分にもたれかけさせるぐらいにしか私には使い道のない装備でほかにあの溝の理由があるように感じています。また悩みが増えました。
返信する
仕込みスピア (budsek)
2020-12-29 16:48:48
yugawaski様
コメントを頂きありがとうございました。
私もこのReversible Spearに初めて触れた時は本当にその精巧さとアイディアに衝撃を受けたものです。今だにその驚きは残っていて、スピアがある竿は意味なくスピアを出して使ったりしております。このスピアが標準装備されるのは私の理解ではドライフライ用の竿ですが、奇妙なことにHardy Marston 10'4''のセミダブルハンド竿(Bragden:止水でのボート釣り用?)にもスピアが付いております。こうした玩具として面白い、機能のみではない緩さが英国的なのかと思って使っております。
返信する
スピア (budsek)
2020-12-29 16:35:05
おじゃまる様
コメントを頂きありがとうございました。
今、手元にあるスピア付きの竿、Halford 1912 Model 9'6'' (1937年製)、De Luxe 9' (1938年製)、De Luxe No.2 (1944年製)、LRH Dry 8'9''(1956年製)を其々確認致しましたが、私の竿はリールを装着した状態で竿尻から見るとIの字に切れ込みが入っております。また、スピアの長さ5.5cmですので、少なくとも竿尻から5.5cmは竹のブランクスは入っておりません。De Luxe 9'は275.5cmありましたので、竹の部分は270cm、9フィートの274.32cmに比べ4.32cm竹のブランクスが短くなります。通常のDe Luxeに比べスピアを仕込むとブランクスをそれだけ短くしたのか?それがアクションにどの様な影響を与えたのか、謎であります。ギャリソンの動画拝見致しました。ブランクスの先端にキャプをつけそこにコルクを押し込んでいく、つまり竿尻までブランクスが通っている、アクションに影響を与えると思います。ハーディーが柔軟性のないベークライトを使ったのはブランクスの延長部分としてアクションへの影響を求めなかったからということはないでしょうか。
ギャリソンは竹を鉈で割っていき、節の裏側を道具を使って割り落としておりましたが、1995年アーニックのハーディーを訪問した際購入したビデオ映像では、ハーディーは竹は自動ノコギリで切っていき、節の裏は自動ヤスリにあて削って竹の切片を制作しておりました。どちらが竹への負荷がかかっているのか、楽しみであります。
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Unknown (yugawaski)
2020-12-29 12:24:25
こんにちは。
リバーシブルのスピアー、これを初めて目にした時は衝撃を受けたものです。
最後はチープなプラスチック製になってしまいましたね。
以前は別体のスピアーをねじ込む方式でしたから、紛失もあったでしょうし、何より持ち歩くのが面倒…よく考えてあると思います。
ホートンのような長くて重い竿は、スピアーを出してエクステンションバットのようにして使うと投げやすくてイイですね。
たまにスピアーを収納する木材が水に浸かったのか膨張してきつくなっているものも見受けられます。
マスプロメーカーだからこその凝ったパーツで、日本のビルダーに作らせたらいくらかかるものか、一度聞いてみたいと思っています。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-28 01:15:13
そのスピアの格納庫なのですが、私は少し違った考えをしています。スピアの入るフィラー部の溝の切り方がたしかリールを装着した状態で竿尻からのぞくと - マイナスに溝が切られていたと覚えています。スピアなしのモデルでもアルミのエンド金具を外すと必要ないのに同じ溝が切られています。強度を出すためであれば縦に 1 いち の字で切ればいいと思うのですが横なのです。なぜなのか非常に悩んでおりましたが、私が思ったのは、バネ に使っているのではないのかという考えです。うすいプラスチックがかぶさっておりますがこれも柔軟に力が加われば曲がります。ダブルハンドのキャスティングでは下手を動かすことによって上手と下手の間をバネのように使うのですが、まったくこれと同じしくみにするための構造のように思えます。しかしながらリールフットが金属のため余程の考えられた構造でなければリールシート部分までパワーを発生させるための部分に使うことは難しいと思われます。マーベルやCCDフランス トライアンフといったモデルですとフルコルクでバットエンドまでテーパーがついており握る位置によってパワーが変わります。前記2本で実験してみました。これらのモデルはリール装着部を平らに削ることなく真円のままです。ギャリソンやぺゾンも同じです。ブランクス後端までテーパーがついていてコルクがクッションになっていれば金属製のフットでも柔軟にブランクスが曲がりパワーを発生できる構造なのかもしれません。ちなみにギャリソンはコルク同士は接着していません。そのかわりにエンド部はウッドを使用してリールシートエンドキャップを装着しているためにキャスティング時にエンドキャップ部を腕に押し当てればブランクスにダイレクトに力が加わりバネの働きをする構造と思われます。リールを付けた状態でのキャスティングのフィーリングとリールを外してキャスティングしたのを比べたことはないのですが、一度やってみなければいけないことだと思っています。この理論で作られていればリール有り無しでも振り心地は変わらないはずです。ハーディーがなぜあのプラスチックフィラーのリールシートにこだわったのか謎が解けるかもしれません。ギャリソンの竿を作っている動画はH好きY好きさんのブログコメントでも紹介しましたが Creating the Garrison Fly Rod を参照してください。ハーディーもギャリソンもぺゾンも何も考えなしで材料や構造を考えているとは思えないのです。ギャリさんなら何も考えずに作れるでしょうけどね。(笑)
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