名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190426

2019-04-26 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

ここからの構想が秀逸です。第1弾は

A 58飛  B 56銀  C 65歩

 

第2問

 

2筋を攻めたいのです。

A 24歩  B 56飛  C 68角

 

ここからは後手番二上先生の手を考えます。

第3問

これが軽妙でした。

A 88歩  B 36歩  C 25歩

 

第4問

 

2筋をどうするかですが。

A 31銀  B 32歩  C 51玉

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大山将棋研究(1232);向い飛車に急戦(二上達也)

2019-04-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190426

昭和41年6月、二上達也先生と第8期棋聖戦第1局です。

大山先生の向い飛車です。

昔は64歩を突いてから玉を移動していましたが、53銀からでも大丈夫です。

結局64歩を突くことになるのですが、二上先生は急戦を仕掛けたいけれど攻め方に困っている感じです。端を突き越して5筋の歩を交換し

銀を立って65歩と攻めるつもりです。

大山先生は攻められる前に中飛車から反撃です。1歩損しますが

右桂を跳ね左銀を使い、中央をねらいます。

53歩には55歩を打って

3筋の歩を交換します。

二上先生は31玉~32金と受けますが

大山先生は56飛~26飛で2筋を攻めました。これで作戦勝ちに見えます。

二上先生は目標となる角をかわして

35歩を打たせ

低く受ければ、2筋突破は一応防げます。ここで大山先生がすぐに23歩を打たず

26飛と引いたのは落ち着いている感じですが、36歩を利かされて

66角~99角成が1手早くなったので難しい形勢です。

77角とさばいても、交換から角を打たれて

2筋を突破できません。32金~22金では重いけれど、32角を打っておくのはあったか。

単に竜を引いては77桂を取られて駒損です。ここでは形勢不利になっています。

桂を使っても金を打たされ

玉を早逃げされてみると

22歩を取れても

底歩を打たれて攻める手が難しいです。

45桂を取ったら32銀を打たれ

銀を取れば金を取られ

竜を逃げたら馬を逃げられ

なかなかうまくいきません。55桂~63歩で左翼から攻めることにしました。

71銀~62歩成と攻めますが、先手玉も危なくなっています。

後手玉を追うも詰めろをかけるような手もなく

竜を逃げたら、竜馬で攻められて困りました。守りに金を使うわけにもいきません。

57歩には29金~28銀で詰めろ。

ここまで。

 

大山先生の作戦勝ちで、そのまま素早く2筋を攻めてしまえば有利を保っていたのだと思います。少しゆっくり攻めたら桂香を取られ、玉を早逃げされて悪くなってしまいました。

二上先生も、大山先生に習って玉を逃げ出すパターンは逆転勝ちになることが多いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/06/22
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 4八玉(59)
12 5三銀(62)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 6四歩(63)
25 5七銀(68)
26 7四歩(73)
27 4六歩(47)
28 9四歩(93)
29 3六歩(37)
30 9五歩(94)
31 2六歩(27)
32 5五歩(54)
33 同 歩(56)
34 同 角(22)
35 4七金(58)
36 5四銀(53)
37 5八飛(88)
38 2二角(55)
39 4五歩(46)
40 同 銀(54)
41 3七桂(29)
42 5四銀(45)
43 4六銀(57)
44 5三歩打
45 5五歩打
46 6三銀(54)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 同 銀(46)
50 3一玉(32)
51 2五歩(26)
52 3二金(41)
53 5六飛(58)
54 4一玉(31)
55 2四歩(25)
56 同 歩(23)
57 2六飛(56)
58 8六歩(85)
59 同 角(77)
60 5五角(22)
61 2四銀(35)
62 4四角(55)
63 3五歩打
64 2五歩打
65 同 飛(26)
66 2二歩打
67 2六飛(25)
68 3六歩打
69 同 金(47)
70 6六角(44)
71 2三歩打
72 9九角成(66)
73 7七角(86)
74 同 馬(99)
75 同 桂(89)
76 6六角打
77 2二歩成(23)
78 同 金(32)
79 2三銀成(24)
80 同 金(22)
81 同 飛成(26)
82 2二歩打
83 2七龍(23)
84 7七角成(66)
85 6二歩打
86 同 飛(82)
87 4五桂(37)
88 5五馬(77)
89 4六金打
90 4四馬(55)
91 3四歩(35)
92 5一玉(41)
93 3三歩成(34)
94 同 桂(21)
95 2二龍(27)
96 2七歩打
97 同 銀(38)
98 4五桂(33)
99 2一龍(22)
100 3一歩打
101 4五金(46)
102 3二銀打
103 同 龍(21)
104 4五馬(44)
105 2一龍(32)
106 1二馬(45)
107 2五龍(21)
108 8二飛(62)
109 5五桂打
110 5四銀(63)
111 6三歩打
112 3三桂打
113 7一銀打
114 8七飛成(82)
115 6二歩成(63)
116 同 金(52)
117 同 銀成(71)
118 同 玉(51)
119 6三歩打
120 7三玉(62)
121 6二角打
122 7二玉(73)
123 3五龍(25)
124 5六馬(12)
125 5七歩打
126 2九金打
127 1八玉(28)
128 2八銀打
129 3八銀(27)
130 5七馬(56)
131 投了
まで130手で後手の勝ち

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大山将棋問題集20190425

2019-04-25 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

安全第一です。

A 82銀  B 82玉  C 55歩

 

第2問

 

玉の囲い方は?

A 63玉  B 84歩  C 62金

 

第3問

 

素直に応じたくないです。

A 54銀  B 44歩  C 35歩

 

第4問

 

飛車を切りました。継続手は?

A 66歩  B 46歩  C 36歩

 

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大山将棋研究(1231);中飛車に玉頭位取り(升田幸三)

2019-04-25 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190425

昭和41年6月、升田幸三先生と第25期名人戦第6局です。

大山先生の中飛車です。

升田先生は端棒銀をねらいました。タイミングとしては少し早くて、美濃囲いを確定された後のほうが良いのですが、82銀を強制できます。

右銀も66に出て

引き角にして85銀。

何をねらっているのかと思ったら、結局7筋の位を取り

2手損ですが玉頭位取りに収まりました。これは第1局での先手大山先生の陣形と似ています。

升田先生は金で4筋の歩を交換し、位も取ってしまいました。

バランスで左金を58に上がるのですが、先手玉が薄くなります。

飛車交換には応じられません。

ここに歩を打たれても2筋の関係は対等なので

右翼は互いに手を出しにくいです。先手番だということもあるし、升田先生が動くというのはわかりますが、玉の薄い方から手を出すのではうまくいかないほうが多いです。

少し駒組みが進んでから54歩と取り込み

銀をぶつけますが、うまくいく感じがありません。

大山先生は35歩。24飛とすれば64に利くので

53歩から銀金を交換するところまでは妥当です。いまさら26飛とか35歩とかも指しにくいのでしょう、升田先生は守りの桂を跳ねて

71角の利きを止めておきます。64歩でも困りそうですが

角を殺して少し希望が出てきました。

怖いところですが54銀打には角を出ます。

大山先生は飛車を切って36歩。36同飛は56角~65銀があります。

升田先生は36歩は無視して攻めるしかなさそうです。角を取り飛車を打ち込んで

飛車を成りこみます。結構厳しそうですが

竜を逃げるわけにもいきません。切るしかなくて

と金を作って勝負。

ここで投了なのですが、62金は詰めろでも58飛に合駒を使わねばなりません。48金と手を戻しても59角が詰めろで困ります。寄せ合い負けでした。

 

升田先生の序盤の構想が実現しませんでした。予定変更で玉頭位取りの薄い形では失敗です。作戦負けの時は自分から動かないほうが良いものですが、升田先生の性格から仕方ないのでしょう。2連勝から4連敗で終わりました。内容は面白いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/06/08
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 9六歩(97)
10 9四歩(93)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 6八銀(79)
14 7二玉(62)
15 7七銀(68)
16 5四歩(53)
17 8六銀(77)
18 8二銀(71)
19 5六歩(57)
20 5三銀(42)
21 5七銀(48)
22 4二金(41)
23 5八金(49)
24 4三金(42)
25 6六銀(57)
26 3三角(22)
27 7九角(88)
28 6四歩(63)
29 2五歩(26)
30 2二飛(52)
31 8五銀(86)
32 4五歩(44)
33 7七桂(89)
34 4四銀(53)
35 7五歩(76)
36 8四歩(83)
37 7六銀(85)
38 8三銀(82)
39 8六歩(87)
40 8二玉(72)
41 5七金(58)
42 5一角(33)
43 4六歩(47)
44 同 歩(45)
45 同 金(57)
46 7二金(61)
47 4五歩打
48 5三銀(44)
49 3六歩(37)
50 6二銀(53)
51 5八金(69)
52 6三銀(62)
53 5七角(79)
54 2四歩(23)
55 同 歩(25)
56 同 飛(22)
57 2五歩打
58 2二飛(24)
59 3七桂(29)
60 6二角(51)
61 4七金(46)
62 2六歩打
63 4八金(58)
64 1四歩(13)
65 2九飛(28)
66 4二金(43)
67 5五歩(56)
68 5二金(42)
69 4六角(57)
70 3三桂(21)
71 2四歩(25)
72 2一飛(22)
73 5四歩(55)
74 同 銀(63)
75 5五銀(66)
76 6三銀(54)
77 6四銀(55)
78 3五歩(34)
79 5三歩打
80 同 金(52)
81 同 銀成(64)
82 同 角(62)
83 6五桂(77)
84 7一角(53)
85 5五角(46)
86 4四歩打
87 5三歩打
88 2四飛(21)
89 6一金打
90 5四銀打
91 4四角(55)
92 同 飛(24)
93 同 歩(45)
94 3六歩(35)
95 7一金(61)
96 同 金(72)
97 3二飛打
98 7二金(71)
99 2六飛(29)
100 3七歩成(36)
101 2一飛成(26)
102 4一歩打
103 同 龍(21)
104 6一歩打
105 同 龍(41)
106 7一金打
107 同 龍(61)
108 同 玉(82)
109 5二歩成(53)
110 8二玉(71)
111 6二と(52)
112 4八と(37)
113 7二と(62)
114 同 銀(83)
115 投了
まで114手で後手の勝ち

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20190425今日の一手(その865);良い形で受ける

2019-04-25 | 今日の一手

20190425今日の一手

 

3月9日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手の美濃囲いのほうが一路深いです。

先手の攻め駒は持ち駒銀1枚。

後手の攻め駒は65桂と持ち駒銀で2枚。33角を使おうとしています。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

対抗型の急戦では、居飛車が玉が薄くて攻め駒が多い、振り飛車は玉が堅くて攻め駒が少ないという形になります。問題図では銀交換から後手だけ右桂を使い、さらに角も使って攻めようとしてきました。

先手としては駒得で受ける(45歩か65桂を取る)か、飛角桂をさばくか、というのがおおまかな方針です。棋風で分かれると言ってもよいでしょう。

後手のねらいとしては角をさばく54歩のほかに46歩同銀57銀という筋があります。それに対応した手を指しましょう。

 

 

○ 45同歩とすれば54歩が

気になることろです。でも中飛車なのですからこんな攻めは歓迎できるはず。さばきの振り飛車ならば77桂同桂成同角

とすれば、44桂や44銀をねらえます。後手は指し過ぎなので65銀で収めようとするのですが、44桂22玉54歩同銀46金

これくらいで十分です。

 

抑え込もうと思えば66銀と打ち

64歩54歩63銀

36歩54銀37角54銀56歩

こんな調子です。

 

 

× 実戦は66歩でした。

駒得を目指したのですが、取り切るまでが怖いです。46歩の取り込みを同金とできず、48金引47銀

飛車を横に逃げると55角があります。65歩58銀成同金寄55角77角同角成同桂55角

形は飛歩歩と銀桂の交換で損をしていません。玉も堅く攻め駒は4枚で十分、と言いたいのですが後手の55角が好点です。77桂も守りにくいし(さばけることもない)、歩切れで攻める筋が見当たりません。これは次第に苦しくなるのです。

 

 

○ 77桂とぶつけると

46歩に同金57銀65桂

57銀を打たせてカウンターをねらえます。今度は飛車を取られて二枚換えの順は、左桂がさばけているので歓迎です。46銀成に73桂成81飛47歩

45成桂ならば72銀

後手の飛車が詰んでいます。(後手の飛の逃げる位置が良くなかったとは言えるのですが、横に逃げていると成桂を使いやすいです。)

 

57金と打てば

46歩58金同金55角72銀

これも先手有利です。

 

 

× 受けの手としては66銀

桂頭の銀で受けるのは手堅そうです。しかし46歩同金24角が厄介で、56飛57銀

というのが受けにくい(57同飛が最善だが)です。

 

68角と受けても

69銀や78銀があります。はっきり不利とも言い切れませんが、銀を打った効果は薄いです。

 

 

○ 銀をう打つならば56銀

のほうが形が良いです。46歩に48金引

取れないのがしゃくですが、47銀と打ちこまれても大丈夫です。

54歩ならば65銀55角54銀

(54銀ではなく77角でもまずます)と捨てる手があります。99角成77角同馬同桂

ならばさばけていますし

 

54同金ならば55飛同金73角52飛44桂

両取りがきれいに決まります。

 

後手が54歩ではなく64歩と我慢しても66歩

桂を取れます。この場合は65で歩がぶつかるほうが好都合です。

 

 

× 48銀の受けは

46歩に56金だと64歩

66歩には67銀がありますから面白くありません。

 

46歩に同金として24角

これの受け方が厄介なのです。金取りを受けて(47銀右とか)45歩同金57銀という筋もあるので、56飛と受ければ57銀

が嫌だというのは66銀の時を同じです。

△ 56金とかわすと

64歩と受けさせて45歩と取れば十分です。よって46歩65金47銀

となるのですが、金を先にかわしているので受けやすいです。57飛86歩同歩88歩97桂89歩成48歩

互角くらいです。

 

× 48金上の受けは

46歩同金24角が嫌だというのは同じこと。47銀打

と埋めるほうが粘れますが、45歩同金57銀44歩33金

44歩は気持ちよくても、自陣は受けにくい形です。

 

 

× 68角と受けると

46歩同金86歩同歩57銀

57同角同桂成同飛86飛

強引にさばかれてみると面白くないのです。44歩同金45歩43金44桂・・・と攻めることはできますが

これくらいの図でも自信はありません。角を失い飛車がさばけていない(攻め駒になっていない)ので、後手の反撃のほうが速いです。

 

☆ まとめ

後手が無理をしていると思えば45同歩

から受けます。45歩の位が大きいので良い形だなあという感覚です。(この駒得は味が良いです。)

取ったら危ういと思えば銀を埋めるのですが、56銀が一番良いです。

位の下に銀があるほうが好形です。

危ないのは実戦の66歩です。

桂を取り切るまでに相手からどれだけの攻めがあるか、読まずに指せる手ではありません。

これは56金

とするのも同じこと。読んでみた結果としてはこちらが優りました。

さばくならば77桂

がすっきりしています。65桂をタダで取ろうなんて欲張らないほうが無難です。

やはり駒得は味が悪いものなのです。

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大山将棋問題集20190424

2019-04-24 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

玉頭銀の受け方です。

A 77玉  B 68銀  C 35歩

 

第2問

 

大胆な指し方です。

A 77歩  B 75飛  C 33飛成

 

第3問

 

駒得ですが嫌な形で、後手の攻め駒を減らしたいです。

A 77桂  B 57桂  C 56桂

 

第4問

 

これで勝ちが見えました。

A 49玉  B 79金  C 45銀

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大山将棋研究(1230);急戦玉頭銀(升田幸三)

2019-04-24 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190424

昭和41年5月、升田幸三先生と第25期名人戦第5局です。

升田先生の振り飛車のようですが、54銀が早いです。

これは玉頭銀と呼ばれますが、飛車を振る前に指しています。

75飛の銀詰めろ。

84歩は銀を助ける意味ですが、陽動居飛車というべきかもしれません。大山先生は飛車を切って

駒得をねらいます。

角をつないで打てば詰めろ角取りは受かります。

43金には33角成で

二枚換えにして金を打って守りました。

升田先生は8筋をねらい

大山先生は角を取ってさらに駒得を目指します。(駒柱ができていますね。)

桂で角を取ったら金をかわし

飛車を取るのではなく65銀取りです。

銀を取って

飛桂と角金の交換です。駒得は思ったほど大きくありません。だから升田先生としては84飛と逃げる(78と同金89飛成もある)のが正しくて、形勢不明のはず。

飛車を逃げずに桂を打って寄せを目指したのですが

(64金に56桂のチャンスはありました)二枚桂を打っても先手玉は59~49へ逃げる道があります。

危ないようでも大山先生の54歩が攻防です。78金同金同と同玉はまだ決め手がなく

升田先生は77金から78と、先手玉も危なさそうですが

大山先生の玉の早逃げが好手です。左右挟撃を避け

69金を取られても飛取りで返せます。

升田先生は69飛を取らせて、56銀を取りますが

成桂を取られて投了です。先手玉を捕まえられません。

 

升田先生が無理なことをやっているようですが、案外に難しいです。どこまで研究していたのでしょうね。(新手の研究は欠かしませんでした。)駒を取られてもバランスがとれていたのですが、64飛は取らせるつもりでいたけれど、逃げて難しい場面があったとはちょっと気が付きにくいです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/05/30
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 3三角(22)
11 7八玉(68)
12 5四銀(43)
13 3六歩(37)
14 6五銀(54)
15 3五歩(36)
16 同 歩(34)
17 3八飛(28)
18 7六銀(65)
19 3五飛(38)
20 8四歩(83)
21 3三飛成(35)
22 同 桂(21)
23 4四角(88)
24 4二金(41)
25 3四歩打
26 6四飛打
27 6六角打
28 4三金(42)
29 3三角成(44)
30 同 金(43)
31 同 角成(66)
32 6二玉(51)
33 6六金打
34 5四角打
35 5八金(49)
36 8五歩(84)
37 6八玉(78)
38 8六歩(85)
39 5五歩(56)
40 6五角(54)
41 5七桂打
42 8七歩成(86)
43 6五桂(57)
44 同 銀(76)
45 7五金(66)
46 8八歩打
47 4三角打
48 8九歩成(88)
49 6五金(75)
50 7九と(89)
51 同 金(69)
52 5二銀打
53 2一角成(43)
54 8八と(87)
55 6九金(79)
56 4五桂打
57 6四金(65)
58 同 歩(63)
59 5六銀打
60 6五桂打
61 5四歩(55)
62 7七金打
63 5九玉(68)
64 7八と(88)
65 5三歩成(54)
66 同 玉(62)
67 4九玉(59)
68 8九飛成(82)
69 3八玉(49)
70 6九龍(89)
71 5九金(58)
72 5七桂成(45)
73 6九金(59)
74 5六成桂(57)
75 5四飛打
76 6二玉(53)
77 5六飛(54)
78 投了
まで77手で先手の勝ち

 

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大山将棋問題集20190423

2019-04-23 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

あまり見ない手ですが、実戦的かもしれません。

A 34飛  B 45歩  C 65金

 

第2問

駒得を目指します。

A 34銀  B 66歩  C 54銀

 

第3問

 

寄せ合いは勝ちでしょうか?読んでみましょう。

A 46歩  B 52銀  C 54銀

 

第4問

最後は詰め将棋、ここからならば難しくないでしょう。

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大山将棋研究(1229);中飛車に57金戦法(升田幸三)

2019-04-23 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190423

昭和41年5月、升田幸三先生と第25期名人戦第4局です。

大山先生の中飛車です。

升田先生は57金戦法(金立ち戦法)です。これは玉が薄くなるので勝率の悪い指し方だと思うのですが、昔は時々指されました。

振り飛車側は中飛車のままではなく三間飛車で受けることのほうが多いです。

升田先生は3筋と5筋両方をつっかけました。これは珍しいです。5筋の歩を交換してじっくり指すことのほうが多いのです。

3筋を攻めてから

角を追い、5筋の歩を取り込みます。

大山先生は金を繰り出してしまいました。「玉頭金」はかなり珍しいです。77銀75歩同歩76歩86銀84角というのは金が死ななくて後手が良さそう。

升田先生は56銀とぶつけ、76金に

55銀から97角。かなり積極的ですが、76金が目障りなのに大丈夫でしょうか?

銀をぶつけ

交換になり、銀を打たれます。

升田先生の角が狭いですね。56金67歩成同銀同金同玉というのも怖いので

角金交換になりました。

駒得で指しやすい大山先生は4筋の歩を捨てて

角を出て銀を打たせ

角を打ち込みます。

馬を作れば金を失った薄さがカバーできそう、大山先生が有利です。

ゆっくりできない升田先生は3筋を攻め

67歩には同玉ですか。

これで飛車の取り合いの時には、67玉のほうが受けやすいと見たのですね。

二枚換えなので形勢は互角に近くなっています。45歩にどう応じるかは悩ましいところで

升田先生は手抜いて41飛。52銀45飛成で先手玉が堅いということでしょう。大山先生は馬で王手。升田先生は合駒を打つ方が良いのかもしれませんが

56玉とかわしたくなるのもわかります。金を取られて、まだ先手玉が大丈夫だとも見えるのです。

61金を取ったら47歩成。

後手玉は詰めろ、ではないですね。49馬の利きがあります。ということは大山先生の勝ちでしょう。

46金から銀をはがして45歩。先手玉が少し広いので読みにくいのですが、全部詰んでいるようです。

ここまで。

 

大山先生の連敗から連勝です。このシリーズ、終盤の詰む詰まないで決まっているような、きわどい将棋が多くて面白いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/05/18
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 5六歩(57)
6 5四歩(53)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 8二玉(72)
21 3六歩(37)
22 7二銀(71)
23 5七金(58)
24 4三銀(42)
25 4六金(57)
26 3二飛(52)
27 1六歩(17)
28 5二金(41)
29 1五歩(16)
30 6四歩(63)
31 3五歩(36)
32 7四歩(73)
33 5五歩(56)
34 6三金(52)
35 3四歩(35)
36 同 銀(43)
37 3八飛(28)
38 4三銀(34)
39 3四歩打
40 5一角(33)
41 5四歩(55)
42 同 金(63)
43 5七銀(48)
44 6五金(54)
45 5六銀(57)
46 7六金(65)
47 5五銀(56)
48 6二角(51)
49 9七角(88)
50 7三銀(72)
51 6四銀(55)
52 同 銀(73)
53 同 角(97)
54 7三銀打
55 5五角(64)
56 6六歩打
57 同 角(55)
58 同 金(76)
59 同 歩(67)
60 4五歩(44)
61 5六金(46)
62 4六歩(45)
63 同 金(56)
64 4四角(62)
65 5五銀打
66 7一角(44)
67 5四歩打
68 4九角打
69 3九飛(38)
70 2七角成(49)
71 3三歩成(34)
72 同 桂(21)
73 3四歩打
74 6七歩打
75 同 玉(78)
76 2八馬(27)
77 3三歩成(34)
78 3九馬(28)
79 3二と(33)
80 4五歩打
81 4一飛打
82 4九馬(39)
83 5六玉(67)
84 4六歩(45)
85 6一飛成(41)
86 4七歩成(46)
87 7二金打
88 9三玉(82)
89 7一龍(61)
90 4六金打
91 同 銀(55)
92 同 と(47)
93 同 玉(56)
94 4五歩打
95 同 玉(46)
96 4四歩打
97 5五玉(45)
98 4五飛打
99 5六玉(55)
100 6七銀打
101 同 銀(68)
102 3八馬(49)
103 投了
まで102手で後手の勝ち

 

 

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20190423今日の一手(その864);自然な順を読み進める

2019-04-23 | 今日の一手

20190423今日の一手

 

3月9日の名南将棋大会から、HさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

銀(歩歩)と金桂の交換で、馬成銀VS成銀の作り合い、先手の駒得です。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は64馬45桂と持ち駒金桂で4枚。(後には62成銀や29飛も使えそうです。)

後手の攻め駒は46飛と持ち駒角で2枚。

 

総合すれば先手有利です。

 

☆大局観として

先手の劣っているのは玉の堅さですが、1手で後手玉よりは堅くなりません。攻撃力を生かして後手玉を薄くしていくほうが良いでしょう。

言い換えればどうやって後手玉を寄せるかという問題です。先手玉は薄いので、あまり駒を渡してはいけません。しかし45桂取りですし、どうやっても桂を渡して76桂を食らいそうです。76桂だけ受けても37桂があります。無傷では勝てないです。桂1枚は仕方ない(76桂79玉を想定)として、それ以上の駒を渡す時には注意が必要です。

 

 

△か× 受けとしては54馬

が桂取りを避けて76の地点にも利かせた手です。56歩同歩35角69玉

後手の攻めにも何とか耐えているのですが、桂を渡しにくい状態に変わりはありませんから難局です。

 

 

○ 攻める手を考えていきます。33桂成が自然な手です。

33同桂しかないでしょう。この時点で先手は金(+馬)得です。52成銀も自然な活用で後手は75角

が攻防の手に見えます。いくつか手段がありますが、41金21玉42金と攻めると76桂を打たれます。

79玉は57角成が危ないのですが、59玉とかわしておけば質駒42金を取られてもまだ先手玉は詰みません。後手が22金と逃げたら46馬同成銀31飛12玉13銀

詰み筋があります。(詰まさなくても勝ちです。)

 

他には75角に46馬

飛車を取ると、46同成銀41飛22玉42成銀25桂

これはちょっと怪しいです。(31銀13玉32成銀~33銀で何とか勝ちかも。)飛車を取ると後手の成銀が働いてきます。

 

75角を同馬と取ると

75同歩41金22玉42成銀25桂

32成銀同玉42銀76桂79玉

この先手玉が詰まないので勝ちです。つまり64馬が消えて桂銀を渡しても先手玉は詰まないのでした。

 

○か△ 33桂不成だと後手は22玉とかわすかもしれません。

余計な変化を与えるという意味では損です。(形勢不利なときに惑わす効果はありますが。)41桂成に53角

46馬同成銀52成銀35角打

攻防の手を指されて難しくなっていきます。66銀75角同銀57成銀59玉75歩42成銀

この順はどうにか先手の1手勝ちです。(多分後手勝ちになる順はありません。)

 

 

△ 53桂成も自然に見えますが

53同銀同馬42銀64馬75角

21桂と33桂の位置が違いますが、手番が後手になっているので苦労します。

 

あるいは53同馬に42角

もありますから、先手有利とはいえ単に33桂成よりも劣ります。

 

 

△ 24歩は

24同歩ならば利かしです。つまり33桂成同桂23歩

という攻め方もできます。(問題図から33桂成同桂24歩は37桂があった。)

 

でも24歩に同銀

取れる銀を逃げられた形です。52成銀45飛41金22玉42成銀同金同馬

銀桂を渡して後手の攻め駒は4枚です。でもまだ詰まされることはなく、76桂79玉47角に32金12玉22銀

後手玉は詰めろ。先手玉は88銀同金69角成(取ると詰み)89玉・・・詰みません。どうにか先手の勝ちのようです。

 

 

△ 実戦は46馬、飛車を取りました。

46同成銀で後手の攻め駒が3枚になります。71飛22玉24歩

というのも(先ほど見たように)良い感触ではありません。24同銀に52成銀

で寄せるのですが、71飛の位置が悪く、35角や93角、あるいは57成銀でも危ないところでした。見逃してもらって45成銀42成銀76桂79玉42金

先手玉が危なくなっているので何か受けておくほうが良いのですが、31銀33玉42銀不成同玉(ここまでは良いとしても受けるべき)72飛成33玉32金

44玉と逃げさせた位置が安定していて「王手は追う手」の典型、先手の敗勢です。

 

 

× 52成銀と使うのは

良い感じですが、45飛41金22玉42成銀同金同金76桂

よく出てきますが、桂銀を渡した形です。(さらに金の質駒があります。)76桂の王手に59玉は48角69玉57角成

詰めろです。59金に68歩が利くので後手の勝ちでしょう。

 

76桂に79玉とすると42銀

金の質駒を取られます。これが88銀同玉68角以下の詰めろなので後手の勝ちです。

 

 

 

○ 41金と捨てると

22玉には33桂成同銀31銀13玉15歩同歩26桂

という寄せ方です。

 

途中33桂成を同桂ならば52成銀

で寄せます。

 

当然ながら41金を取られる時が怖いのですが

46馬同成銀61飛51金

飛車の王手に後手は金か角を合駒するしかないのです。51同成銀同銀53桂打

31玉しかなくて51飛成から寄せて行くのは簡単です。

 

51同成銀に31玉

逃げ出されるのでしょうが、33桂成同銀41成銀22玉31銀12玉62飛成

また駒を使わせることができます。

 

後手が13玉と逃げた時には15歩同歩26桂

というのが寄せの手筋です。

 

 

☆ まとめ

受ける手はうまくいかないので(とわかったら)、なるべく駒を渡さないように攻めます。

でも桂は渡すことになるでしょう。さらに銀までは仕方ないとして、問題図で

後手が角銀桂を持っていると考えてください。それでも76桂79玉の形が何とか詰まないのです。

そこまでわかったら自然な順から読んでみます。33桂成同桂52成銀というのが受けにくい、まで見えれば合格点です。駒得しながら寄せて行くのですから、後手は受けにくいはずです。

そのほかの33桂不成、53桂成、24歩、52成銀などは劣る手なので(33桂成で良ければ)考えなくても良いです。

実戦の46馬は後手玉をにらむ好位置の馬を無くしてしまうのですから、第一感では困ります。

急いで攻めたい場合には(33桂成では勝てない時)41金の捨て駒も考えますが、これはご参考までに。

 

 

 

× 56金と打って

守りたい気もしますが、47飛成48歩37竜

金を使っただけの効果はあるかどうか。33桂成同桂52成銀

まあまあの形勢ではあります。

 

しかし56金を同飛

56同歩35角69玉22玉

これはかなり難しくなっています。

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