後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これが構想でした。
A 17歩成 B 91飛 C 11飛
第2問
部分的な手筋です。
A 94同香 B 94同銀 C 85歩
第3問
これで早い投了(と言っても144手ですが)になりました。
A 89桂成 B 36馬 C 87香
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これが構想でした。
A 17歩成 B 91飛 C 11飛
第2問
部分的な手筋です。
A 94同香 B 94同銀 C 85歩
第3問
これで早い投了(と言っても144手ですが)になりました。
A 89桂成 B 36馬 C 87香
今日の棋譜20190421
昭和41年4月、坂口允彦(さかぐちのぶひこ)先生と第14回王座戦です。坂口先生は初登場、大山先生よりも15歳年上です。私は名前は見かけるけれど棋譜を見るのは初めてです。
大山先生の中飛車です。
坂口先生は金を上がったので、38飛~35歩同歩同飛~38飛~36金と攻めるのかと思いましたが
大山先生の袖飛車を見る前に角道を止め
持久戦です。こう指すならば銀矢倉くらいが良いのだと思うのですが
互いに千日手のような手順が続き、73手目でやっと駒がぶつかりました。
坂口先生は端を攻め
香を捨てて取り返す手順です。
大山先生は角をさばきます。
坂口先生としては、先に と金を作ったので18歩と受けて十分なはず。
12角は打ちたくなるのですが、端に飛車をまわられて嫌な感じです。(振り飛車の場合には言わないのですが、地下鉄飛車ということになります。)
と金を作られ、飛車を追いかけられます。
桂を取り合い
角成で銀取りを防がれて、面白くないです。
大山先生の端攻めが始まりました。桂香を持っているし
銀も使えるので端は破れるでしょう。
坂口先生は時間稼ぎをして と金を作り
銀を取ります。
大山先生は桂香を持っているので応援がいくらでもあり、三段ロケットから
桂も打ち込んで使います。
坂口先生は右翼に逃げ出したくて馬を追うのですが
追いきれず、87香を打たれたところで投げてしまいました。97同金89桂成同玉97歩成・・・で端は破れています。
今の感覚だと、長い駒組みになっているので居飛車も銀冠への組換えを考えるでしょう。
大山先生の誘いの隙は本当の隙だったわけですが、坂口先生は生かせませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/04/27
手合割:平手
先手:坂口允彦8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 5六歩(57)
6 5四歩(53)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 5二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 7二玉(62)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 3六歩(37)
20 7二銀(71)
21 4六歩(47)
22 4三銀(42)
23 5七銀(48)
24 1四歩(13)
25 1六歩(17)
26 3三角(22)
27 2五歩(26)
28 3二金(41)
29 4七金(58)
30 6四歩(63)
31 6六歩(67)
32 7四歩(73)
33 6七銀(68)
34 8四歩(83)
35 8六歩(87)
36 8三銀(72)
37 7七角(88)
38 4二金(32)
39 5九角(77)
40 5三金(42)
41 6八金(69)
42 6三金(53)
43 3七角(59)
44 7二金(61)
45 7七桂(89)
46 7三桂(81)
47 8八玉(78)
48 4二飛(52)
49 7八玉(88)
50 5二銀(43)
51 2六角(37)
52 4三銀(52)
53 3七角(26)
54 4一飛(42)
55 2六角(37)
56 1二香(11)
57 8七玉(78)
58 5二銀(43)
59 3七桂(29)
60 5一角(33)
61 7八金(68)
62 4三銀(52)
63 6八銀(57)
64 6二角(51)
65 8八玉(87)
66 9二香(91)
67 4八金(47)
68 3三桂(21)
69 5八金(48)
70 3二銀(43)
71 4七金(58)
72 2一飛(41)
73 3五歩(36)
74 4三銀(32)
75 1五歩(16)
76 同 歩(14)
77 同 香(19)
78 1四歩打
79 同 香(15)
80 同 香(12)
81 1五歩打
82 4五歩(44)
83 1四歩(15)
84 3五角(62)
85 同 角(26)
86 同 歩(34)
87 1三歩成(14)
88 1六歩打
89 1二角打
90 9一飛(21)
91 2三角成(12)
92 1七歩成(16)
93 5八飛(28)
94 6九角打
95 5七飛(58)
96 3六歩(35)
97 3三馬(23)
98 3七歩成(36)
99 同 金(47)
100 2五角成(69)
101 2六歩打
102 1六馬(25)
103 2三と(13)
104 4六歩(45)
105 同 金(37)
106 9五歩(94)
107 同 歩(96)
108 9六歩打
109 同 香(99)
110 9四歩打
111 同 歩(95)
112 同 銀(83)
113 9七歩打
114 9五歩打
115 4四歩打
116 5二銀(43)
117 3四歩打
118 2六馬(16)
119 4三歩成(44)
120 9六歩(95)
121 同 歩(97)
122 9五歩打
123 5二と(43)
124 9六歩(95)
125 9八歩打
126 8三銀(94)
127 9九香打
128 9五香打
129 8九桂打
130 4五歩打
131 4七金(46)
132 3五馬(26)
133 5九飛(57)
134 9七桂打
135 3九飛(59)
136 2五馬(35)
137 3六銀打
138 2八と(17)
139 5九飛(39)
140 2六馬(25)
141 5八飛(59)
142 4六歩(45)
143 同 金(47)
144 8七香打
145 投了
まで144手で後手の勝ち
20190421今日の一手
3月9日の名南将棋大会から、SさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
飛と角銀(歩)の交換で、馬と成香を作り合っています。先手の駒得です。(成香と金を交換したとしても先手の駒得です。)
玉の堅さは先手のほうが少し堅いです。
先手の攻め駒は65桂と持ち駒角銀香で4枚。
後手の攻め駒は79飛59成香で2枚。
総合すれば先手有利か優勢です。
☆ 大局観として
現状は3つの要素で先手が上回っています。49成香同金という図を想定すると、先手の駒得は小さくなり、玉の堅さで劣るので、まだ有利とはいえゆっくりしてはいられません。
今はかなり有利なので、受けるのも良いですし、攻めるのも良いです。方針を決めて考えましょう。
× 実戦では52銀と放り込んで
急いで攻めました。52同金寄同歩成49成香同金48金
寄せ合いで来られました。59歩(打たない方が良い)同飛成39金打49金同銀52飛
33馬55飛同馬同竜
と進むのですが、先手の駒得はかなり消えて(銀と桂香の交換で竜を作られている)形勢不明です。
途中49金と取られた時に61と
詰めろで金を取るチャンスがありました。これを逃して混戦です。
○ 攻めるならば54香
少し力をためておくのが良いです。後手に銀を渡していないので、49成香同金47金
と攻められるくらい。後手からは57歩か56歩という応援が利くので、この攻めを受けきるのは難しいです。52歩成同金寄33馬56歩
51馬同金引同香成同金21飛41香53角
清算して角香を渡すことになりますが、41香を打たせて受け駒を減らし、寄せに行きます。後手はかなり受けにくい形です。
後手が52歩成を同金上と取れば
52同香成同飛53歩
なるべく駒を渡さないように攻めていきます。
△ 銀を打つなら31銀のほうが良いかも。
41金に(52香という攻め方もありますが)33馬31金
損な攻め方ですが、55銀にひもが付いたので59金同飛成49香
自玉に手を入れることができます。これは攻めると守るの中間策です。
× 守る手としては、59同金同飛成
これは金銀の両取りで受けにくいです。
○守るならば39金と逃げるのが普通の応手です。
57歩に同金
ならば受けきれそう。
後手は少し迂回して78飛成
から攻めるのでしょう。23馬58成香47金56歩34馬
ここまで受ければぴったりした感じです。
× 68銀
両取りで返すのが強い受けですが、49成香79銀48成香
二枚換えで79銀が残っては大失敗です。
× 39金打は57歩
あまり効果がないです。
○ ちょっと変な受けですが58香は
5筋に歩を垂らされるのを受けています。49成香同金47金には59香
壁を作ってしまいます。38金に同玉と取るのが悔しいですが、76飛成52銀
先手玉が安全になれば銀を渡しやすいですし、55銀にひもがついています。
☆ まとめ
後手の攻め駒が少ないのですが、56歩か57歩と垂らされると3枚目の攻め駒になります。だから結構受けにくくて、39金と逃げて馬を使うか、58香と先受けしておくか。
攻めるならば銀を渡さない方が良いです。寄せのセオリーにおける「小さい駒から使う」を準用して、銀ではなく香を打ちます。52香はうまくいかないので、54香~52歩成(場合によっては52銀と打ちこみますが)が良いです。
優勢に近いのでリスクの小さい攻め方をするか、しっかり受ける順を読むのが正しいです。