20180828今日の一手
5月5日の名南将棋大会から、EさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得で、後手に持ち歩がないので先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は25桂77角と持ち駒銀で3枚。
後手の攻め駒は73角1枚。
総合すれば先手が少し指しやすいです。
☆ 大局観として
後手が44に銀を打ったところなのですが、駒損なのに我慢した手で、これならば先手が指しやすいだろうという気がします。後手は穴熊が堅いというのが主張ですが、先手は端攻めできるのですから、鉄壁ではありません。
さて先手としては飛車をさばいて攻め駒4枚にするというのが理想です。それならば後手玉を攻略するのも難しくないでしょう。飛車を使わないで端攻めだけでは寄せきるまでには至りません。
その前に先手玉を固めておくかどうか。後手は歩切れでも35歩同歩同銀~46銀という攻め筋はありますから、それに対応していなければなりません。
△ 実戦は37銀で
35歩同歩同銀に36歩で銀を追いかえせるようにしたのだと思います。あるいは18飛の構想もあり得ます。
後手は24歩で催促して、13桂成同銀14歩
銀を引くのも難しそうですが、14同銀同香同香45銀
少し駒損なので攻め続けるしかないです。55歩34銀22香13歩同桂15歩同香14歩
駒損は回復したものの難しい戦いが続きました。
○ 28玉と入城したらどうか。
35歩同歩同銀に14歩同歩13歩同桂33歩
うまく反撃しているようですが、25桂32歩成同飛
これは大失敗です。先手玉がもちません。
途中35歩同歩同銀に57銀
と受けて、36歩37歩同歩成同銀
しっかり受けに回れば悪くはありません。
それよりは35歩を取らないで84歩
84同歩64歩同歩63銀53飛74銀成36歩
角を取ると37銀が生じるので難しくなりますが、33歩同桂同桂成同金45桂
桂を渡すだけにして、銀を手に入れて(将来受けに使い)後手の攻めをけん制する指し方ならば先手よしです。
後手としては64歩には同角
のほうが攻撃的です。84飛82歩74飛73歩64飛同歩63角
飛車をさばいて後手の飛車をいじめる(あるいは81角成)展開ならば十分でしょう。
84飛には73桂
のほうが穴熊らしいですね。81飛成65桂66角45銀
55銀同飛同角同角同歩36銀33歩
寄せ合いになりますが、二枚飛車で攻められる先手のほうが勝ちやすいです。
△か○ 29玉だと
73角の筋に入らないというメリットがあります。だけど35歩84歩同歩64歩同角84飛73桂81飛成65桂66角82飛
同じように進んで飛車をぶつけられた時に29玉の位置が不安定です。
この場合は83飛成として
65桂ならば44角同歩63竜で有利です。後手は桂を跳ねられず、先手は74竜~63竜を狙う感じです。
○ すぐに84歩だと
84同角が王手になるので、28玉55歩
1歩渡して攻められそうです。これがまずそうに見えるのですが、64歩同歩84飛同歩63角
飛車を切って(さばいて)角を打ち込んでみれば先手よしです。
○ 64歩から入って
64同角84歩だと手を抜いて55歩
でしょう。(取れば前の変化と合流します。)65歩42角55歩73桂14歩同歩54銀
後手の角を42に追ったのでなんとか抑え込んでしまいます。83歩成が実現できれば先手よし、なのですが65桂同銀55飛でさばかれますね。
下から銀を打って(56銀)65桂66角
このほうが暴れられません。先手が指しやすいです。
△ 75歩は
75同歩に74銀51角63銀成
後手の角のラインがずれるので、後手の攻めは怖くなくなります。はっきりしていませんが先手がまあまあ指せます。
△か○ 14歩と攻めると
14同歩でほかの変化に合流することもできます。13歩同桂同桂成同香25桂
攻め続けると55歩13桂成同銀64歩同歩(64同角は69香~63香成)18香打22桂
くらいの進行です。後手の角筋を止めたので14香同桂15歩くらいでまあまあです。
× 他には55銀とすると
後手の中途半端な44銀を相手にしてしまいます。55同銀同歩同角同角同飛
後手の66角を良い形で受けにくいです。
☆ まとめ
形勢判断してみると、先手の攻め駒が3枚だとわかります。端を攻めると19香も攻め駒になるわけですが、先手の守りの駒でもあるわけで、難しい判断です。
それよりは88飛を使う方が良いです。64歩か84歩か、その前に28玉か29玉か、というのは迷うのですが、飛車をさばいてみたいのです。
先手玉がしっかりしていれば(28玉と入っていれば)角と交換して打ち込むくらいでも十分です。
先手玉が薄ければ交換せずに竜を作ってけん制します。
その時の含みに持ち駒の銀を打ってけん制する、64歩同歩63銀という筋が関係しています。後手がこれを嫌うなら64歩には同角、ならば84歩同歩同飛が実現する(その手順が悩ましいですが)という仕組みでした。
先手だけ持ち駒の銀という利点を生かせました。
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