20170819今日の一手
7月8日の名南将棋大会から、TさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
金と飛歩の交換で、持ち歩があるので歩はカウントせず、馬を作られていますしほぼ損得なしと見ておきます。終盤ですから細かいところまで比較しないで良いです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は89飛55角と持ち駒飛桂で4枚。
後手の攻め駒は47銀49馬と持ち駒金桂で4枚。
総合すれば後手有利です。
互いに攻め駒が4枚ある寄せ合いですから、何手で詰めろになるかを数えたほうが正確で、後手玉は74歩~73歩成が詰めろで現状は3手すき。
先手玉は38歩~39馬同飛同歩成が詰めろで現状3手すき。
手番があるので先手有利です。
☆ 大局観として
74歩~73歩成で詰めろですが、73同銀の時に詰めろが続くか、というとちょっと不安です。後手はまだ受ける余地があるわけです。
先手玉はというと、直前に49馬(か角成か)と入られて詰めろ、89に自陣飛車を打って受けたのが好手で、48歩と受けさせて詰めろがかからず、1手すきを1手かけて3手すきにしたわけです。さらには馬が質駒になっている状態で、持ち駒には角もある(代わりに89飛は縦に動けないので攻め駒とは言えない)と思っておいた方が良いです。実際のところは55角と持ち駒飛角桂で4枚の攻め駒です。
互いに弱みがあり、変化も多そうで、形勢不明というところでしょう。
× 受けるなら38桂と埋めるわけですが
後手の38歩あるいは38金を防いでいます。これには15香16歩(同香には16桂の筋)同香同香39馬
39同玉には19銀
で必至です。
39同飛は49金
と打たれて次の39金は詰めろではないようですが受ける手がないです。
38桂の1手で3手すきが4手すきに延びたけれど、持ち駒が少し変わってこの図は先手の負けなのです。(桂馬を持っていないのが原因です。)
× 実戦は74歩と突きだして
38歩に73歩成同銀同角成同桂74桂
とそれらしく迫ったのですが、堂々と39馬同飛同歩成
で後手玉が詰まないので、先手の負けになりました。詰みそうにも見えるのですけれど。
× 74桂は角を持てば詰めろの手ですが74同歩
で早すぎます。(角を持っても)詰めろになる手がないです。
○ 有力なのは82歩で
82同玉なら49飛が詰めろです。
受ければまだ長いと言っても、食い逃げされては駄目でしょう。
よって82歩には38歩
で寄せ合いです。81歩成同玉83歩
が継続の手筋で、39歩成49飛38と17玉25銀(あるいは39馬同飛同歩成)
で詰めろですが、82歩成同玉74桂81玉92角
という格好いい手があって、92同香82歩71玉91飛
清算して82銀で詰みます。
途中74桂に71玉でも83桂
があって、83同銀82角81玉91角成
以下の詰みがあります。
○ もう一つ有力なのが83歩で
38歩に82歩成同玉49飛
が詰めろ。ただしこの先があって71玉に飛車を逃げてよし、というわけにはいきません。48銀同銀成同飛39銀
で後手の攻めは続きます。17玉48銀成に82角(取れば詰み)62玉11飛
で詰めろで飛を打って、上部脱出もあるので先手優勢です。
最初の82歩成に62玉も11飛
が角を手に入れたら詰めろになるので先手が良いでしょう。
さらに戻って83歩に同銀
の時にどうするか。82歩38歩81歩成同玉に49飛
質駒を取って、49同歩成に73角成72金打82歩
82同金同馬同玉55角73歩74桂
74同銀同歩で詰めろ受け無しです。
× 最初に49飛だと
49同歩成83歩39と
82歩成62玉11飛で詰めろですが
後手の寄せが1手速くなっている(38歩を省略できた)わけで、29と17玉16歩26玉25飛
で詰まされてしまいます。
☆ まとめ
美濃囲いの急所、といってもいろいろなバリエーションがあるわけで、金銀3枚が低い美濃囲い(本美濃囲い)では飛で横から攻められるよりも、角桂を使って小鬢(こびん)から攻められる方が怖いです。
高美濃囲いや銀冠ならば小鬢をカバーしていますが横から攻められたら弱いわけです。
万能の囲いはないですね。(入玉したらいくらでも堅い形になりますが。)
この問題の場合は端も絡んでいませんし、55角が存在しているわけですから、82玉と呼んで74桂(あるいは74歩)を狙うのが本筋です。
82歩のほうが厳しいのですが、81歩成同玉83歩が飛角桂桂をもって詰めろになる、というところまでわからないと負けます。
83歩は詰めろがわかりやすいですが、後手もわかるので粘られた時には(桂馬を取っていないので)明快ではないです。
実は後手としては直前の89飛の受けに48歩が失敗で、38金と打ってしまえば
駒を渡しても82角に62玉とかわせば相当に詰まない形でした。38同銀同馬18玉17歩同玉25銀
詰めろは十分に続いて受けなしになるところだったのです。
将棋は終盤で形勢が逆転することも多いです。どうやったら終盤が強くなるか。やはり詰将棋だ、と思われる方も多いでしょうが、詰め将棋よりは必至問題のほうが良いでしょう。もっと良いのは自分が指した将棋の終盤を検討すること、次はプロの将棋を並べて終盤を検討することです。
目的とするスキルが限定されるなら、よりそれに近い形式で訓練するほうが効率的なのです。
訓練を重ねたら実戦で考えてアウトプットしてみることです。これでしっかり身についていきます。
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