20181206今日の一手
8月18日の名南将棋大会から、OさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1まいですが、51飛も数えてよさそうです。
総合すれば互角か先手もちか。
☆ 大局観として
先手は1歩得ですが、57歩成とされると後手に持ち歩ができるので駒得ではなくなります。序盤なのでその後で後手に歩を打たせれば駒得だといえるところですが。
隠れた要素としては、先手が手得していることがあげられます。後手が低い陣形で軽く攻めようとしたので先手の金銀が前に進まされた結果ですが。
さてどうやったら作戦勝ちを主張できるでしょうか。
× 56歩は自然に駒を取る手ですが
私でも39角が見えます。48飛同角成39飛
28飛ならば38角で耐えていますが、39飛は桂の両取りです。54桂がある状態では後手有利でしょう。
△か× 56金ならば
56飛同歩39角38飛66角成
77銀56馬78角65馬35歩
金飛交換で馬を作られるというのは駒得と言えるかどうか。78角を打たされたので、それを利用して桂頭を攻めてみます。56金66歩67歩同角66金同銀同馬77金44馬
こんな調子なのですが、66に傷があるので34歩~33歩成までは遠いです。
× 1手パスでもつぶれはしないですが、例えば35歩としたら
57歩成同金同飛成同銀45桂
と桂馬に逃げられるでしょう。(ほかの1手パスならば別の攻めかも。ここで48銀49金というのは実戦の変化で書きます。)58歩と我慢しても57桂成同歩44角77銀56歩
嫌なところを攻められて88銀もあるので後手が指しやすいです。
× 実戦は67金上でした。
手厚い手に見えたのですが、57歩成に同銀だと39角38飛45桂
と攻められます。39飛57桂成同金48銀
角を取っても両取りをかけられます。もっともこれで敗勢ではなくて、54歩39銀不成53桂
とりあえず駒損ではないです。実戦的には飛車を打ち込んで攻められる後手のほうがわかりやすいでしょう。
さて実戦では危険を察知して57歩成に同金
としたのですが、これは問題図で1手パスをして57歩成同金とされたのと同じです。
57飛成同銀45桂48銀49金
違和感のある金打でしたが、案外に受けにくいのです。56金48金同飛55歩45金66角
59玉以下駒得で受けられるのですが、後手の攻めも結構うるさいです。終盤に先手有利になったところもあったのですが、後手Hさんの勝ちに終わりました。
△ 67金引ならば
目標となる66金をかわし、57の点に利きが増えました。
57歩成同金44歩56歩
ここから駒組です。65歩を支えるために左銀を66にもっていくか、右銀をもっていくか、77桂と跳ねるかというのが選択肢で、どれも互角でしょう。1歩多いという主張があります。
○ 77銀が自然な活用です。
いずれ左銀は87にもっていくか77にもっていくかしかないですから、プラスの手で66金にひもをつけました。後手からの強攻もなく(今度は57飛成同銀45桂46銀では無理)、57歩成同金32銀から駒組みで
これくらいの図です。先手は手得を生かして厚みを作りました。45歩57銀44銀56銀32金64歩
55の地点を守り、得した筋の歩を突き出せば作戦勝ちでしょう。とりあえず54角のねらいがあります。
○ 55銀は危なさそうな手ですが
55同飛同金66角77角は大丈夫だし、57歩成同金さらに45桂56金というのを組み合わせようとしても金が守りに働くので何とかなっています。後手としては銀を繰り出してぶつけやすいのですが
54同銀同飛55歩から駒組みして
やはり中央の厚みが大きいです。どこかで35歩同歩34歩をねらうのでしょう。これも作戦勝ちです。
△ 67金は力強いです。
とりあえず66金にひもをつければ後手の強攻がありません。ただしそのうち78玉とするので
1手損ですが。
△ 37桂と跳ねると
後手から45桂と跳ねる筋を回避できます。駒組みになって、46銀を追われると桂頭を攻められるかもしれませんが
27角を打つつもりならば大丈夫です。(飛車先は早く突かない方が良いです。)後手も桂頭の弱点があります。
△か× あとは自陣角を打つ手で77角だと
金にひもをつけているのは77銀とするのと同じような意味です。駒組みになって
結局67金と引くのでしょう。すると65歩をどう守るかということでこの後にどう組むべきか。
△か× 55角と打てば
もう少し楽です、というのは
67金引~77桂~66角 というのが間に合いそうだから。でもこれで指しやすいとも言えません。
○か△ 67角は考えてもよいでしょう。
45桂をけん制しているので後手からの強襲は消えています。34の歩を取れる
というのが主張です。ただし元から1歩得していましたから得した分が小さいです。さらにゆっくり駒組みして35歩~34歩という展開にできるかどうかで作戦勝ちになるかどうかが決まります。
☆ まとめ
問題図で
後手の陣形が低く先手陣は金銀が離れているというのはわかるでしょう。ここで手得に気が付いたでしょうか。案外に実戦で指している方が忘れているものかもしれませんが、手得を生かして厚みを築ければ作戦勝ちになります。玉の囲いは薄いけれど中央が手厚いのです。
実戦の67金上というのもその趣旨に沿ったものですが、飛車切りの強攻をされると1手パスになってしまったのが残念でした。
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