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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181219

2018-12-06 | 大山将棋研究
後手番升田先生の手を考えます。

第1問


わかりやすく攻めます。
A 35歩 B 33桂 C 13角

第2問


これで手が続きます。
A 73桂 B 65歩 C 33桂

第3問


無理をせず自然に攻めていけばよいです。
A 77角 B 54香 C 68金

第4問


升田先生の54玉はポカでした。正解は?
A 34同玉 B 32玉 C 42玉

大山将棋問題集 20181206

2018-12-06 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


65歩をどう避けるか。
A 66歩 B 86角 C 66銀

第2問


一番激しく戦います。
A 88角 B 84角 C 47歩

第3問


ちょっとしくじったのですが、高橋先生は崩れません。
A 74歩 B 54歩 C 78金打

第4問


好手があります。
A 84銀 B 76同銀 C 67桂


大山将棋研究(1091);中飛車に居飛車穴熊(高橋道雄)

2018-12-06 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181206
平成4年1月、高橋道雄先生と第50期A級順位戦プレーオフです。

大山先生の中飛車に高橋先生は居飛車穴熊です。

中飛車の歩交換にどう応じるかというのが居飛車側の課題で、類例では後に羽生先生の指し方が決定版になりました。羽生善治の終盤術に詳しく出ています。

高橋先生は65歩から64歩の取り込み。

後手玉が乱れたので指しやすいと見ました。

52金上には24歩。24同歩22歩は技ありです。

24同角に46歩で45歩をねらいます。

73桂には6筋に目をつけ

銀をぶつけます。

ちょっと落ち着きましたが居飛車穴熊のペースです。

56金には大山先生から動いていきます。銀を打って

桂を使えました。

角もさばき

先手の角を追います。73金で83金は62歩があるのですが、どちらが良いかは難しい比較です。

いずれにせよ角を切られて竜を作られるという流れです。

竜を追い返せばよい勝負か。

高橋先生は竜を切って強く攻めます。

大山先生も反撃して

高橋先生の75歩は筋ですが、64銀を決めてしまうほうが普通の寄せ方でした。

角を追われて手順に桂を取れたのですが、寄せが遠くなったので金を埋めます。

大山先生は飛車を使って75歩を払うというのが攻防のようではありますが

王手で飛車を取る筋がありました。

飛車を取って高橋先生の桂得、玉も堅く攻め駒も十分にあります。

平凡な王手ですが、74銀には66桂か66銀か。

55玉には58桂同飛成67銀。入玉させなければ先手の勝ちです。

87歩の形つくりには馬を捨て金を打って

竜を取れば詰めろ。

投了図です。

全体的には居飛車穴熊のペースです。ツノ銀中飛車には金銀2枚の穴熊でも十分に堅く、67金も攻撃補助に使えるので居飛車穴熊が勝ちやすいのでしょう。5筋の歩交換におとなしく56歩と謝らないというのが工夫です。後に羽生先生は56銀51飛58飛という順で快勝しています。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1992/03/09 9:00:00
棋戦:順位戦
戦型:中飛車
持ち時間:6時間
場所:東京「将棋会館」
手合割:平手  
先手:高橋道雄
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 4三銀(42)
15 5八金(49)
16 6二銀(71)
17 7七角(88)
18 5四歩(53)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 8八玉(78)
22 6四歩(63)
23 9八香(99)
24 6三銀(62)
25 9九玉(88)
26 7四歩(73)
27 8八銀(79)
28 9四歩(93)
29 7九金(69)
30 6二金(61)
31 6六歩(67)
32 5五歩(54)
33 同 歩(56)
34 同 飛(52)
35 6五歩(66)
36 5一飛(55)
37 6四歩(65)
38 同 銀(63)
39 6七金(58)
40 8四歩(83)
41 5六歩打
42 5二金(41)
43 2四歩(25)
44 同 角(33)
45 4六歩(47)
46 7三桂(81)
47 8六角(77)
48 6三金(62)
49 6六銀(57)
50 6一飛(51)
51 5五銀(66)
52 同 銀(64)
53 同 歩(56)
54 8五歩(84)
55 7七角(86)
56 9五歩(94)
57 5六金(67)
58 6五銀打
59 6四歩打
60 同 金(63)
61 6五金(56)
62 同 桂(73)
63 6六角(77)
64 8六歩(85)
65 同 歩(87)
66 8七歩打
67 同 銀(88)
68 4六角(24)
69 7八金(79)
70 5五金(64)
71 8四角(66)
72 7三金打
73 同 角成(84)
74 同 玉(72)
75 6二歩打
76 8一飛(61)
77 2三飛成(28)
78 2二歩打
79 同 龍(23)
80 3三角打
81 同 龍(22)
82 同 桂(21)
83 5三歩打
84 6二金(52)
85 4二角打
86 8八歩打
87 同 金(78)
88 2八飛打
89 5二歩成(53)
90 同 銀(43)
91 7五歩(76)
92 5三銀(52)
93 3三角成(42)
94 6六金(55)
95 7八金打
96 8五歩打
97 同 歩(86)
98 同 飛(81)
99 8六歩打
100 7五飛(85)
101 7六歩打
102 同 金(66)
103 8四銀打
104 6三玉(73)
105 7五銀(84)
106 同 歩(74)
107 6四歩打
108 同 玉(63)
109 7六銀(87)
110 同 歩(75)
111 8四飛打
112 5五玉(64)
113 5八桂打
114 同 飛成(28)
115 6七銀打
116 8七歩打
117 4四馬(33)
118 同 銀(53)
119 5四金打
120 4五玉(55)
121 4四金(54)
122 3五玉(45)
123 3六銀打
124 2六玉(35)
125 5八銀(67)
126 8八歩成(87)
127 同 金(78)
128 3七角成(46)
129 1六飛打
130 投了
まで129手で先手の勝ち

20181206今日の一手(その795);手得を生かして厚みを作る

2018-12-06 | 今日の一手

20181206今日の一手

8月18日の名南将棋大会から、OさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1まいですが、51飛も数えてよさそうです。

総合すれば互角か先手もちか。

☆ 大局観として
先手は1歩得ですが、57歩成とされると後手に持ち歩ができるので駒得ではなくなります。序盤なのでその後で後手に歩を打たせれば駒得だといえるところですが。
隠れた要素としては、先手が手得していることがあげられます。後手が低い陣形で軽く攻めようとしたので先手の金銀が前に進まされた結果ですが。
さてどうやったら作戦勝ちを主張できるでしょうか。


× 56歩は自然に駒を取る手ですが

私でも39角が見えます。48飛同角成39飛

28飛ならば38角で耐えていますが、39飛は桂の両取りです。54桂がある状態では後手有利でしょう。


△か× 56金ならば

56飛同歩39角38飛66角成

77銀56馬78角65馬35歩

金飛交換で馬を作られるというのは駒得と言えるかどうか。78角を打たされたので、それを利用して桂頭を攻めてみます。56金66歩67歩同角66金同銀同馬77金44馬

こんな調子なのですが、66に傷があるので34歩~33歩成までは遠いです。


× 1手パスでもつぶれはしないですが、例えば35歩としたら

57歩成同金同飛成同銀45桂

と桂馬に逃げられるでしょう。(ほかの1手パスならば別の攻めかも。ここで48銀49金というのは実戦の変化で書きます。)58歩と我慢しても57桂成同歩44角77銀56歩

嫌なところを攻められて88銀もあるので後手が指しやすいです。


× 実戦は67金上でした。

手厚い手に見えたのですが、57歩成に同銀だと39角38飛45桂

と攻められます。39飛57桂成同金48銀

角を取っても両取りをかけられます。もっともこれで敗勢ではなくて、54歩39銀不成53桂

とりあえず駒損ではないです。実戦的には飛車を打ち込んで攻められる後手のほうがわかりやすいでしょう。

さて実戦では危険を察知して57歩成に同金

としたのですが、これは問題図で1手パスをして57歩成同金とされたのと同じです。
57飛成同銀45桂48銀49金

違和感のある金打でしたが、案外に受けにくいのです。56金48金同飛55歩45金66角

59玉以下駒得で受けられるのですが、後手の攻めも結構うるさいです。終盤に先手有利になったところもあったのですが、後手Hさんの勝ちに終わりました。


△ 67金引ならば

目標となる66金をかわし、57の点に利きが増えました。
57歩成同金44歩56歩

ここから駒組です。65歩を支えるために左銀を66にもっていくか、右銀をもっていくか、77桂と跳ねるかというのが選択肢で、どれも互角でしょう。1歩多いという主張があります。


○ 77銀が自然な活用です。

いずれ左銀は87にもっていくか77にもっていくかしかないですから、プラスの手で66金にひもをつけました。後手からの強攻もなく(今度は57飛成同銀45桂46銀では無理)、57歩成同金32銀から駒組みで

これくらいの図です。先手は手得を生かして厚みを作りました。45歩57銀44銀56銀32金64歩

55の地点を守り、得した筋の歩を突き出せば作戦勝ちでしょう。とりあえず54角のねらいがあります。


○ 55銀は危なさそうな手ですが

55同飛同金66角77角は大丈夫だし、57歩成同金さらに45桂56金というのを組み合わせようとしても金が守りに働くので何とかなっています。後手としては銀を繰り出してぶつけやすいのですが

54同銀同飛55歩から駒組みして

やはり中央の厚みが大きいです。どこかで35歩同歩34歩をねらうのでしょう。これも作戦勝ちです。


△ 67金は力強いです。

とりあえず66金にひもをつければ後手の強攻がありません。ただしそのうち78玉とするので

1手損ですが。


△ 37桂と跳ねると

後手から45桂と跳ねる筋を回避できます。駒組みになって、46銀を追われると桂頭を攻められるかもしれませんが

27角を打つつもりならば大丈夫です。(飛車先は早く突かない方が良いです。)後手も桂頭の弱点があります。


△か× あとは自陣角を打つ手で77角だと

金にひもをつけているのは77銀とするのと同じような意味です。駒組みになって

結局67金と引くのでしょう。すると65歩をどう守るかということでこの後にどう組むべきか。

△か× 55角と打てば

もう少し楽です、というのは

67金引~77桂~66角 というのが間に合いそうだから。でもこれで指しやすいとも言えません。


○か△ 67角は考えてもよいでしょう。

45桂をけん制しているので後手からの強襲は消えています。34の歩を取れる

というのが主張です。ただし元から1歩得していましたから得した分が小さいです。さらにゆっくり駒組みして35歩~34歩という展開にできるかどうかで作戦勝ちになるかどうかが決まります。


☆ まとめ
問題図で

後手の陣形が低く先手陣は金銀が離れているというのはわかるでしょう。ここで手得に気が付いたでしょうか。案外に実戦で指している方が忘れているものかもしれませんが、手得を生かして厚みを築ければ作戦勝ちになります。玉の囲いは薄いけれど中央が手厚いのです。

実戦の67金上というのもその趣旨に沿ったものですが、飛車切りの強攻をされると1手パスになってしまったのが残念でした。