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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181011

2018-10-11 | 大山将棋研究
後手番島先生の手を考えます。

第1問


珍しい攻め方でした。
A 64歩 B 75歩 C 85歩

第2問


36歩同金とした意味は?
A 76歩 B 55歩 C 64歩

第3問


端は受けにくいです。
A 55桂 B 24桂 C 86飛

第4問


両取りで困ったようですが。
A 14香 B 22玉 C 14馬

第5問


ここから詰将棋になりました。力自慢の方は挑戦してください。

大山将棋研究(1035);三間飛車に居飛車穴熊(島朗)

2018-10-11 | 大山将棋研究
今日の棋譜20191011
平成2年7月、島朗先生(当時前竜王)と第57期棋聖戦です。

大山先生の先手三間飛車に島先生は居飛車穴熊です。

大山先生は45の位を取るわけですが、四枚穴熊の44銀~33銀の時には有効でも、この形ではどうかなあと思うのです。

角頭を攻めるというのは普通の囲いならば急所なのですが

転回されると空振りの感じがあります。

大山先生は矢倉に組み替えました。

島先生はしっかり囲えたので34歩は打たずに仕掛けます。8筋を継ぎ歩攻め、85同歩同飛86歩65飛というねらいなのでしょう。

大山先生は88飛とまわって86歩に同角。31角成88飛成32馬という筋があります。

島先生は75歩と受けました。大山先生は84歩同飛96歩?ねらいがよくわかりませんが、85歩同飛97桂ということでしょうか。

島先生は36歩同金55歩。薄くなった中央をねらいます。感触が良さそうですね。

大山先生は端に手を付けました。

まあまあのようにも見えるのですが

57歩成も大きな手です。

島先生は飛車を切って47角。36角成と38角成両方ねらえます。

大山先生は適当な受けがなくて端を攻めますが、36金を取られました。

両取りで挽回しようということですね。14馬にも25桂が利きます。

島先生は馬を取らせて香桂を配置します。とりあえず詰めろのようです。

大山先生は26銀引で受けますが、角を切られ

香を捨てられ

順番にはがされていきます。

全部清算して

そのまま詰んでしまいました。ということは88手目の25桂がほとんど必至だったということなのでした。

大山先生の45歩~46銀の形、今では真部流と言われるのですが、大山先生のオリジナルだと思います。居飛車が53銀型で中央を守られていると今一つうまくいきません。穴熊に3筋を攻めても効果が薄いようです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1990/07/27
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:島前竜王
後手省略名:島
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八飛(28)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 3三角(22)
17 2八玉(38)
18 2二玉(32)
19 3八銀(39)
20 1二香(11)
21 5六歩(57)
22 1一玉(22)
23 5七銀(68)
24 2二銀(31)
25 4六歩(47)
26 3一金(41)
27 3六歩(37)
28 5四歩(53)
29 4五歩(46)
30 4二金(52)
31 4六銀(57)
32 3二金(42)
33 4七金(58)
34 5三銀(62)
35 1六歩(17)
36 7四歩(73)
37 3五歩(36)
38 同 歩(34)
39 同 銀(46)
40 5一角(33)
41 1五歩(16)
42 7三角(51)
43 3七銀(38)
44 4二銀(53)
45 3八金(49)
46 3三銀(42)
47 6五歩(66)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 8五歩打
51 8八飛(78)
52 8六歩(85)
53 同 角(77)
54 7五歩(74)
55 8四歩打
56 同 飛(82)
57 9六歩(97)
58 3六歩打
59 同 金(47)
60 5五歩(54)
61 3四歩打
62 4二銀(33)
63 1四歩(15)
64 同 歩(13)
65 1三歩打
66 同 香(12)
67 1七桂(29)
68 5六歩(55)
69 2五桂(17)
70 5七歩成(56)
71 1三桂成(25)
72 同 桂(21)
73 1八香打
74 8六飛(84)
75 同 飛(88)
76 4七角打
77 1二歩打
78 同 玉(11)
79 1四香(18)
80 3六角成(47)
81 1三香成(14)
82 同 銀(22)
83 同 香成(19)
84 同 玉(12)
85 1六飛打
86 1四香打
87 3六飛(16)
88 2五桂打
89 2六銀(35)
90 3七角成(73)
91 同 銀(26)
92 1八香成(14)
93 同 玉(28)
94 1七銀打
95 2九玉(18)
96 3七桂(25)
97 同 飛(36)
98 1八金打
99 3九玉(29)
100 2八銀(17)
101 同 金(38)
102 4八銀打
103 3八玉(39)
104 2八金(18)
105 同 玉(38)
106 3七銀(48)
107 同 玉(28)
108 4七飛打
109 2八玉(37)
110 3七金打
111 1七玉(28)
112 2七金(37)
113 投了
まで112手で後手の勝ち

20181011今日の一手(その767);相手の弱点をとがめる

2018-10-11 | 今日の一手

20181011今日の一手

6月30日の名南将棋大会から、HさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度ですが左金の位置が少し違います。後手のほうが上部に厚く、先手のほうは横からの攻めに強いという感じです。
先手の攻め駒は68飛55銀で2枚。
後手の攻め駒は35角1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
銀取りになっていますからどう対応するかです。引くか出るか捨てるか。出る捨てるは駒損になりそうなので、常識的には引く手を考えるのですが。引いた時に作戦勝ちにできるでしょうか?
出るというのは35角を移動させて34歩同銀44銀という筋です。うまくいけば有利になりそうなところですが。
銀を捨てて攻めるというのも考えられます。いろいろな手を考えてみましょう。

形勢互角の局面で、相手が特に疑問になりそうな手を指していない場合には、自分から動くと無理をすることになり、形勢が悪くなるものです。
この場合は後手の35角の位置が不安定だというのがつけ目なのですが、無理にならない範囲で欲張ってみたいです。


△か× 実戦は66銀で

一番穏やかな手です。64歩65歩32飛64歩同金65銀

銀を立て直してからぶつけて十字飛車をねらっています。65同金同飛45桂64歩62歩36歩13角23金

疑問手になりかねない両取りの金打でしたが、46銀や46歩では思わしくないという判断でしょう。57桂成13金58成桂23金31飛

ここで63歩成同金同飛成同歩53角、あるいは53角21飛63歩成が有力でしたが、それでも難しいです。25飛に16歩同歩18歩同香19銀

左右挟撃の詰めろがかかり、17桂28歩同銀36飛

以下もうまく攻められて、後手Aさんの快勝に終わりました。
おとなしく66銀では後の攻めが1手遅れているようです。


△ 46銀引だと

(後で似ている変化もありますが)24角には36銀~35銀左と角を追われるので、13角に16歩

32飛36銀16歩34歩同銀35歩23銀44角82玉

こんな展開で良い勝負です。


△ 36銀なら24角

に限定できる(13角には34歩同銀44銀がある)ので少し得です。46銀13角86角32飛35歩64歩

16歩24角15歩か、77桂~65歩か。1手得をしているので46銀引くよりは良いはずです(が違う展開になってしまいました。)

頑張るならば36銀24角に34歩

55歩に35銀

銀2枚を捨てて35同角33歩成41飛43と同飛

これでは指し過ぎなので、34歩の前に64歩62金引を入れておいて54桂

から63銀で攻めるのでしょうが、ちょっと無理をしている感じです。


△か× 46銀上から

先ほどの24角64歩62金引34歩55歩35銀・・・としても同じで少し無理です。


○ 他の変化と合流するかもしれませんが、64歩を打って

62金引36銀24角46銀13角86角32飛35歩

というのが一番頑張って持久戦を選んだ図です。ここから77桂~65桂をねらうのが自然な感じです。先手十分な展開でしょう。


△ 36歩を打って

13角に64歩53金(62金引には46銀引、この場合は46銀引に64金を用意した)86角

これは行きがかり上ですが、銀を捨てて攻めるつもりです。ここで55歩には63歩成があるので62飛77桂55歩65桂

52金73桂成同桂63銀

63同金左同歩成同飛同飛成同金41飛

これは先手優勢ですね。

ということは後手も妥協して62金引のほうで

先手も46銀引なのでしょう。これは互角になりそうです(が36銀~35歩の形にはなりません)。


○ 86角も指してみたい手です。

32飛64歩62金引46銀引13角77桂

角の筋がずれたので、後手から45歩で銀が死にそうです(が56歩~57銀はあり得ます。)無視して攻め合ってみます。45歩65桂46歩73桂成同桂63銀47歩成

47同金左67歩同飛55桂72銀成同金63歩成

飛車を捨てても53角成が厳しいので先手の寄せ合い勝ちですね。
こういう互いに自然にな手を指し合っての寄せ合い勝ちならば、変化するのは不自然な手なので先手有利になりやすいです。


× 他には65飛

おかしな手ですが、55歩には同飛24角51飛成

で駒を取り返して優勢です。

後手は24角

先に角を逃げておけば、46銀引64歩69飛

45歩には35銀があるので銀は死なないのですが、65飛~69飛は2手損か(69飛が有効だとして)1手損かしています。作戦負けになるのでしょう。


☆ まとめ
手順前後で同じ図になるかもしれませんが

持久戦を目指すならば、64歩62金引36銀24角46銀13角86角32飛35歩

というのが問題図の前での35歩同歩35角という動きをとがめていると思います。64歩の拠点も大きくて先手の作戦勝ちです。

角をどかして34歩同銀44銀ねらいはうまくいきませんでした。残念ながら先手の無理な動きです。

実戦の66銀~65銀での十字飛車もうまいのですが、手が遅れているので難しいのです。

銀を捨てるならば86角から左桂を使うのが有力です。

銀は角取りで1手稼いで、46で捨てます。これも後手の角の位置をとがめているのだといえます。

相手の不安なところ(この場合は35角の位置)をとがめるような手順になれば先手よしのはずです。