名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20181015

2018-10-15 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


銀取りの受け方です。
A 53銀 B 55歩 C 55金

第2問


受けの手筋です。
A 51金 B 21歩 C 43金

第3問


攻める番が回ってきました。
A 69飛成 B 89飛 C 84歩

第4問


63銀を取られたところなのですが。
A 63同金寄 B 46銀 C 53銀打

第5問


これで終わりました。
A 78飛 B 35歩 C 41飛
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大山将棋研究(1039);四間飛車に天守閣美濃(佐藤康光)

2018-10-15 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181015
平成2年9月、佐藤康光先生と第24回早指し選手権です。

大山先生の四間飛車に佐藤先生は天守閣美濃です。

四枚美濃には65の位を取るのが急所で

大山先生はダイヤモンド美濃へ。背景には74歩を突くと24歩同歩同角22飛23歩同飛46角で王手飛車という筋があります。

64銀を見て佐藤先生が仕掛けました。

右桂を使う攻めはうまくいけば有利になりやすいです。

64銀が浮いているのがつけ目で

大山先生は銀取りに金捨てで返しました。

角の取り合いから

金を出て と金を払ったというのはぴったりした感じはあるのですが、後手玉が薄くて64銀が浮いています。

佐藤先生は62歩51金に22飛成。21飛成41歩ではないのですね。

この角打ちをねらっていました。

竜引きの一手に角を切って金を打てば竜を取れます。

ついでに64銀当たりなので寄りそうなのですが、

角打ち飛打ちでうまくしのがれます。こんなことなら53角の時に竜を逃げるほうが簡単だったのかも。

飛車交換から31飛、だけど63飛のほうが良さそうですね。62飛33飛成というほうが楽でしょう。

駒得で悪くはないけれど粘られています。

結構受けにくそうな攻めですが

35角から受けられてはっきりしません。

62歩も手ごたえがあるのですが、21歩は悩ましいです。

桂を取って悪くはないのですが粘られています。

85香から61角成で寄せに行きます。(52角成で決まっていたみたいです。)

でも金を打たれて寄せきれず。

竜を切って攻めますが

攻め駒が多いので切れないのですが、攻め足が遅くなりました。

大山先生は飛車を切ってから王手金香取り。

先手玉に手がついたので、まだ受けねばなりませんが逆転模様です。

69銀を取れては完全に逆転です。

攻防の33飛に63銀打はポカ。

63同馬を取れずに53銀打。これで冷静に馬を逃げられたらわからなかったのですが

53同飛成には35角がありますね。

32飛成には竜を切って王手竜取りがあり

36飛合いにも飛車を取って詰めろ角取り。

佐藤先生は駒損でもないのですが玉の堅さが違い過ぎます。

ここまで。

持ち時間の長い将棋ならば佐藤先生が簡単に寄せていたのだろうと思うのですが、寄りそうで寄らない(いくつか正解を逃した)、悪くないけれど決まらない、という状態が続きました。派手な展開で見ているのは楽しいですが、私なら全く手が見えないでしょうね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1990/09/15
手合割:平手  
先手:佐藤康光5段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 8六歩(87)
18 7二銀(71)
19 8七玉(78)
20 5二金(41)
21 7八銀(79)
22 4三銀(32)
23 5七銀(48)
24 6四歩(63)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 6六銀(57)
28 5四銀(43)
29 7九角(88)
30 4五歩(44)
31 7七銀(66)
32 6五歩(64)
33 5七角(79)
34 6三銀(54)
35 6六歩(67)
36 同 歩(65)
37 同 銀(77)
38 6五歩打
39 7七銀(66)
40 6四銀(63)
41 3六歩(37)
42 5四歩(53)
43 3五歩(36)
44 4三金(52)
45 3七桂(29)
46 4四金(43)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 3四歩(35)
50 同 金(44)
51 3五歩打
52 4四金(34)
53 4六歩(47)
54 同 歩(45)
55 同 角(57)
56 5五金(44)
57 3四歩(35)
58 4六飛(42)
59 3三歩成(34)
60 6六金(55)
61 2四飛(28)
62 3三桂(21)
63 6二歩打
64 5一金(61)
65 2二飛成(24)
66 4九飛成(46)
67 6一歩成(62)
68 同 金(51)
69 1六角打
70 4一龍(49)
71 6一角成(16)
72 同 龍(41)
73 6二金打
74 同 龍(61)
75 同 龍(22)
76 5三角打
77 6一飛打
78 6二角(53)
79 同 飛成(61)
80 6一飛打
81 同 龍(62)
82 同 銀(72)
83 3一飛打
84 7一金打
85 1一飛成(31)
86 7七金(66)
87 同 桂(89)
88 6二銀打
89 6三歩打
90 同 銀(62)
91 3四角打
92 7二銀(61)
93 6一金打
94 3五角打
95 7一金(61)
96 同 角(35)
97 2二龍(11)
98 4九飛打
99 6二歩打
100 2一歩打
101 3三龍(22)
102 6二角(71)
103 8五香打
104 7四歩(73)
105 6一角成(34)
106 同 銀(72)
107 6三龍(33)
108 7三金打
109 6二龍(63)
110 同 銀(61)
111 6一角打
112 7二角打
113 5二角成(61)
114 7一銀(62)
115 6一銀打
116 6九飛成(49)
117 同 銀(78)
118 8九飛打
119 7八玉(87)
120 9九飛成(89)
121 7二銀成(61)
122 同 金(73)
123 6一角打
124 7三金打
125 6八玉(78)
126 6六香打
127 5七玉(68)
128 6九龍(99)
129 3三飛打
130 6三銀打
131 同 馬(52)
132 5三銀打
133 同 馬(63)
134 同 銀(64)
135 3二飛成(33)
136 5八龍(69)
137 同 玉(57)
138 1四角打
139 3六飛打
140 同 角(14)
141 同 龍(32)
142 4一飛打
143 4五龍(36)
144 6一飛(41)
145 6五桂(77)
146 4四歩打
147 1五龍(45)
148 3六歩打
149 4七玉(58)
150 6九角打
151 投了
まで150手で後手の勝ち
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20181015今日の一手(その769);対抗型での終盤のパターン

2018-10-15 | 今日の一手

20181015今日の一手

7月14日の名南将棋大会から、HさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前から見てみます。

振り飛車穴熊に銀冠で対抗する戦型で、(ちょっと違う手順ですが)24歩同歩55歩同角24飛という攻め筋を選びました。22歩と受けて23歩という図ですがこれは重い攻め(27飛が普通)です。37角成22歩成55桂というのが気になったのですが、23同歩同飛成22飛

というのは得をしました。22同竜同角に23飛と打てるのが大きくて、55角

とかわしたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩があるので損得なしとみます。
玉の堅さは金銀4枚の先手のほうが堅いです。後手玉は深いので大きな差ではないのですが。
先手の攻め駒は23飛1枚。
後手の攻め駒は55角と持ち駒飛で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
飛交換からさばき合いの途中です。互いに戦力が足りないので、桂香を拾うなど戦力を補いつつ寄せ合いに向かうでしょう。
このまま進行すると、先手が竜と桂香で攻め駒3枚、後手が竜馬と桂香で攻め駒4枚、要するに先手の77角が戦力になっていない守り駒としての働きだけですから少し苦しくなるでしょう。
角をうまく使うか、後手の攻め駒を増やしにくいようにするか、別の手段つまり と金を作って戦力を補うとか99香を使って端攻めするか、というくらいだと思います。どれを採用しますか?


△ 21飛成が自然な手で

37角成に94歩同歩93歩同香86桂

端を攻めてみます。(12竜ではぬるいです。)55桂68金引47桂成

後手には桂の使いどころがあります。94桂同香93歩92歩同歩成同玉93歩同桂94香

歩切れが気になりますが、穴熊に手がついているので良い勝負でしょう。


△か○ 53飛成だと

63金51竜29飛(か37角成)に84歩

が穴熊崩しの手筋です。ここでは45桂も利きそうですね。後手は29飛ではなく37角成のほうが良かったのでしょうが、それなら先手も21竜と補充できるので指しやすそうです。

後手は銀を見捨てて37角成が仕方ないところで

54竜55桂68金引47桂成51竜59飛

21竜をけん制した飛車打ちですが、17香13桂67金直

58飛成には59歩、69飛成には68銀、というのは先手の調子が良いと思います。


△ 46歩は37角成を防いだ手で

相手の駒の働きを悪くするのも自然な手です。46同歩には56銀でまあまあ指せそう、33桂に56歩44角45歩

45同桂同桂同銀には43飛成

が受けにくいです。

後手は22歩を打って

22同飛成には45桂が王手銀桂取り。28飛成45桂同桂同銀48竜46歩

46同銀同銀同竜・・・というところですが互角です。


△ 28飛成も桂取りを防いでいて

27歩38竜28飛39竜58飛成48銀

は良くわからない攻防です。

と言って27歩同竜39飛

は1歩得して1手損した(21竜として)という取引で、この場合はまだ後手に持ち歩があるから先手の損でしょう。ついでに45桂同銀21竜19角成

というくらいの図です。後手から55桂があるのでちょっと指しにくいです。


○ 25桂と逃げると

振り飛車ならばよくある手筋ですね。自分だけ桂を逃げて桂香を取れば駒得です。22歩53飛成というのは単に53飛成よりも得です。19角成21飛成29飛52歩

29飛で12竜をけん制されても、と金で攻めることができます。55香68銀58香成51歩成46歩同歩同馬61と72金上12竜

と金を使って金をはがせればはっきり有利になります。


× 実戦は45桂で

どうせ取られるならば歩をもらった(これも1手と1歩の交換です)ということなのですが、45同銀21飛成19角成84歩同歩52歩54香

後手の攻めが速くなっています。46歩57香成同金54銀51歩成37飛(単に38飛のほうが良い)67金寄38飛成59香69銀

という展開は一手違いながら後手の攻めが速そうです。寄せ合いで後手にミスがあったのですが、とがめきれなくてそのまま後手Yさんの勝ちに終わりました。


× 65歩は

先手も角を使おうという手です。しかし37角成に11角成では空成りです。21飛成でも55桂

を打たれるので後手が有利になりそうです。


△ 他には84歩とか

94歩とか

を先に入れることもできますが(後手は84歩を手抜くこともできるが、どこかで手が戻る)、ここだけで継続の手段がありません。


☆ まとめ

対抗型で大駒を交換して(銀交換にならずに)桂香を取り合う展開では、互いに攻め駒が足りなくなるわけですから、ちょっと長い終盤になります。
(攻めの銀も交換すると攻撃力が高いので激しい寄せ合いです。)

桂香を拾い合う展開から飛角桂香で4枚の攻め駒にするというほかに、と金を作る、銀を捕獲する、端攻めが入る、というバリエーションがあります。ちょっとした差で優劣が決まりやすく、勝負はまだまだ先だと気を抜いていると、取り返しがつかないということのほうが多いものです。

この場合は
25桂と逃げて先手だけ攻め駒を4枚にする(角が加わらないのでと金を作る)ことができました。
53飛成は手数をかけて銀を取るのですが、そのあとの手順がうまくいきました。
単純に21飛成だと77角が戦力にならないので何か工夫が必要です。端を攻めればまあまあでした。

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