先手番大山先生の手を考えます。
第1問

棒銀の受け方です。
A 65同歩 B 67銀 C 55歩
第2問

しばらくは受けねばなりません。
A 55歩 B 75歩 C 78飛
第3問

駒損ですが良い勝負です。
A 65香 B 23香 C 12角
第4問

受け方は?
A 48金引 B 48香 C 58歩
最後は後手番塚田先生の手で
第5問

詰めろをかけたいのですが。
A 48飛成 B 25香 C 46歩
第1問

棒銀の受け方です。
A 65同歩 B 67銀 C 55歩
第2問

しばらくは受けねばなりません。
A 55歩 B 75歩 C 78飛
第3問

駒損ですが良い勝負です。
A 65香 B 23香 C 12角
第4問

受け方は?
A 48金引 B 48香 C 58歩
最後は後手番塚田先生の手で
第5問

詰めろをかけたいのですが。
A 48飛成 B 25香 C 46歩
今日の棋譜20181006
平成2年6月、塚田泰明先生と第38期王座戦です。

大山先生は67銀型の三間飛車で

塚田先生は急戦です。65歩急戦をねらえる形なので、大山先生は向い飛車にスイッチ。

56歩を突かない向い飛車の場合は65歩はねらえないので、塚田先生は棒銀に。

大山先生は先手四間飛車だと思えば1手損ですから、後手四間飛車に棒銀と同じことになりました。

受け方はいくつかありますが、88角は一番おとなしい受け方で

守りの金を出て受けるというのが対棒銀の定番です。

金を出ていても飛車交換ならば振り飛車十分、75銀には65金と出る筋があります。なので76歩が手筋で

76同銀に77歩同飛66歩。74歩同飛75歩なら受かるか(75同銀同銀67歩成の筋を避ける)。

本譜は55歩同歩66金。これも手筋の受けです。

56歩55歩に67歩。これは金で取るくらいで

角をさばかれました。

46角が王手になるというのが嫌な感じです。(36歩ではなく98香の形が良かったのかも。)

金銀の形が乱れましたが、どうにか受かっているようで

難しい戦いです。

塚田先生は金を繰り出して7,8筋のほうをねらいます。

大山先生は端桂で受けたのですが、85歩では嫌な感じです。87飛か85桂かというところでしょう。

桂頭を攻められては忙しいです。

角交換は68歩で手を稼がれて

2手かけて歩を払います。

桂を取られたのは痛いですが、角交換から71角はあって

11馬と取れば勝負にはなります。飛車を成られて左翼を受けられるかどうか。

角を打たれ

飛取りの79竜には69香が普通の手です。この角取りは利かず

取り合いで駒損です。けれど玉の堅さも違いますし、12角で桂を取れるからまだ難しいのですね。

塚田先生の二枚飛車の攻めも早いのですが

受けに銀を使うようではまだまだ難解です。

大山先生は後手の戦力が減ったので、4筋の連打は取ってしまうほうが良かったのでしょう。

25桂で受ける形がなくなり

寄せ合いです。香を打って金をはがし

46歩~47歩成ならば2手すき、

23桂は詰めろで勝ちになったと思ったら、48飛成?

71馬の利きがあっても即詰みでした。先の46歩は詰めろだったのですね。
一手違いの寄せ合いでしたが、多分大山先生は自玉の詰みをうっかりしたのではないかと思います。勝ちと思って126手目の46歩に金を引いたのでしょう。
後手の駒得でも金銀が上ずっているので後手玉は薄く、難しい勝負でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1990/06/07
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:塚田泰明8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 5四歩(53)
7 6七銀(78)
8 8四歩(83)
9 7八飛(28)
10 8五歩(84)
11 7七角(88)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 7四歩(73)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 6四歩(63)
23 8八飛(78)
24 4二銀(31)
25 4六歩(47)
26 5三銀(42)
27 5八金(69)
28 7三銀(62)
29 3六歩(37)
30 4二金(41)
31 4七金(58)
32 8四銀(73)
33 7八飛(88)
34 7五歩(74)
35 5六歩(57)
36 7六歩(75)
37 同 銀(67)
38 7二飛(82)
39 8八角(77)
40 6五歩(64)
41 5五歩(56)
42 同 角(22)
43 5六金(47)
44 2二角(55)
45 6七銀(76)
46 7六歩打
47 同 銀(67)
48 7七歩打
49 同 飛(78)
50 6六歩(65)
51 5五歩打
52 同 歩(54)
53 6六金(56)
54 5六歩(55)
55 5五歩打
56 6七歩打
57 同 金(66)
58 5五角(22)
59 7五歩打
60 6二飛(72)
61 6六歩打
62 4六角(55)
63 3七銀(38)
64 2四角(46)
65 4六歩打
66 5四銀(53)
67 5六金(67)
68 5五歩打
69 5七金(56)
70 4四歩(43)
71 7四歩(75)
72 8二飛(62)
73 9六歩(97)
74 8六歩(85)
75 同 歩(87)
76 7五歩打
77 6七銀(76)
78 6三金(52)
79 9七桂(89)
80 7四金(63)
81 4七金(57)
82 7三銀(84)
83 8五歩(86)
84 9四歩(93)
85 7九角(88)
86 9五歩(94)
87 4五歩(46)
88 6八歩打
89 7八飛(77)
90 9六歩(95)
91 6八角(79)
92 9七歩成(96)
93 2四角(68)
94 同 歩(23)
95 7一角打
96 8五飛(82)
97 4四角成(71)
98 6四金(74)
99 1一馬(44)
100 8七飛成(85)
101 7七歩打
102 8五角打
103 6八飛(78)
104 8九龍(87)
105 3八金(49)
106 7九龍(89)
107 8六歩打
108 6八龍(79)
109 8五歩(86)
110 6七龍(68)
111 1二角打
112 4一玉(32)
113 3四角成(12)
114 8八飛打
115 5八歩打
116 同 龍(67)
117 4八金(47)
118 5九龍(58)
119 2一馬(11)
120 3三歩打
121 6一馬(34)
122 5二銀打
123 7一馬(61)
124 4七歩打
125 同 金(48)
126 4六歩打
127 4八金(47)
128 2五桂打
129 4四香打
130 4七歩成(46)
131 4二香成(44)
132 同 玉(41)
133 4七金(38)
134 3七桂成(25)
135 同 桂(29)
136 4六歩打
137 2三桂打
138 4八飛成(88)
139 同 金(47)
140 同 龍(59)
141 3八金打
142 同 龍(48)
143 同 玉(28)
144 4七金打
145 2九玉(38)
146 3八金打
147 1八玉(29)
148 1七香打
149 投了
まで148手で後手の勝ち
平成2年6月、塚田泰明先生と第38期王座戦です。

大山先生は67銀型の三間飛車で

塚田先生は急戦です。65歩急戦をねらえる形なので、大山先生は向い飛車にスイッチ。

56歩を突かない向い飛車の場合は65歩はねらえないので、塚田先生は棒銀に。

大山先生は先手四間飛車だと思えば1手損ですから、後手四間飛車に棒銀と同じことになりました。

受け方はいくつかありますが、88角は一番おとなしい受け方で

守りの金を出て受けるというのが対棒銀の定番です。

金を出ていても飛車交換ならば振り飛車十分、75銀には65金と出る筋があります。なので76歩が手筋で

76同銀に77歩同飛66歩。74歩同飛75歩なら受かるか(75同銀同銀67歩成の筋を避ける)。

本譜は55歩同歩66金。これも手筋の受けです。

56歩55歩に67歩。これは金で取るくらいで

角をさばかれました。

46角が王手になるというのが嫌な感じです。(36歩ではなく98香の形が良かったのかも。)

金銀の形が乱れましたが、どうにか受かっているようで

難しい戦いです。

塚田先生は金を繰り出して7,8筋のほうをねらいます。

大山先生は端桂で受けたのですが、85歩では嫌な感じです。87飛か85桂かというところでしょう。

桂頭を攻められては忙しいです。

角交換は68歩で手を稼がれて

2手かけて歩を払います。

桂を取られたのは痛いですが、角交換から71角はあって

11馬と取れば勝負にはなります。飛車を成られて左翼を受けられるかどうか。

角を打たれ

飛取りの79竜には69香が普通の手です。この角取りは利かず

取り合いで駒損です。けれど玉の堅さも違いますし、12角で桂を取れるからまだ難しいのですね。

塚田先生の二枚飛車の攻めも早いのですが

受けに銀を使うようではまだまだ難解です。

大山先生は後手の戦力が減ったので、4筋の連打は取ってしまうほうが良かったのでしょう。

25桂で受ける形がなくなり

寄せ合いです。香を打って金をはがし

46歩~47歩成ならば2手すき、

23桂は詰めろで勝ちになったと思ったら、48飛成?

71馬の利きがあっても即詰みでした。先の46歩は詰めろだったのですね。
一手違いの寄せ合いでしたが、多分大山先生は自玉の詰みをうっかりしたのではないかと思います。勝ちと思って126手目の46歩に金を引いたのでしょう。
後手の駒得でも金銀が上ずっているので後手玉は薄く、難しい勝負でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1990/06/07
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:塚田泰明8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 5四歩(53)
7 6七銀(78)
8 8四歩(83)
9 7八飛(28)
10 8五歩(84)
11 7七角(88)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 7四歩(73)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 6四歩(63)
23 8八飛(78)
24 4二銀(31)
25 4六歩(47)
26 5三銀(42)
27 5八金(69)
28 7三銀(62)
29 3六歩(37)
30 4二金(41)
31 4七金(58)
32 8四銀(73)
33 7八飛(88)
34 7五歩(74)
35 5六歩(57)
36 7六歩(75)
37 同 銀(67)
38 7二飛(82)
39 8八角(77)
40 6五歩(64)
41 5五歩(56)
42 同 角(22)
43 5六金(47)
44 2二角(55)
45 6七銀(76)
46 7六歩打
47 同 銀(67)
48 7七歩打
49 同 飛(78)
50 6六歩(65)
51 5五歩打
52 同 歩(54)
53 6六金(56)
54 5六歩(55)
55 5五歩打
56 6七歩打
57 同 金(66)
58 5五角(22)
59 7五歩打
60 6二飛(72)
61 6六歩打
62 4六角(55)
63 3七銀(38)
64 2四角(46)
65 4六歩打
66 5四銀(53)
67 5六金(67)
68 5五歩打
69 5七金(56)
70 4四歩(43)
71 7四歩(75)
72 8二飛(62)
73 9六歩(97)
74 8六歩(85)
75 同 歩(87)
76 7五歩打
77 6七銀(76)
78 6三金(52)
79 9七桂(89)
80 7四金(63)
81 4七金(57)
82 7三銀(84)
83 8五歩(86)
84 9四歩(93)
85 7九角(88)
86 9五歩(94)
87 4五歩(46)
88 6八歩打
89 7八飛(77)
90 9六歩(95)
91 6八角(79)
92 9七歩成(96)
93 2四角(68)
94 同 歩(23)
95 7一角打
96 8五飛(82)
97 4四角成(71)
98 6四金(74)
99 1一馬(44)
100 8七飛成(85)
101 7七歩打
102 8五角打
103 6八飛(78)
104 8九龍(87)
105 3八金(49)
106 7九龍(89)
107 8六歩打
108 6八龍(79)
109 8五歩(86)
110 6七龍(68)
111 1二角打
112 4一玉(32)
113 3四角成(12)
114 8八飛打
115 5八歩打
116 同 龍(67)
117 4八金(47)
118 5九龍(58)
119 2一馬(11)
120 3三歩打
121 6一馬(34)
122 5二銀打
123 7一馬(61)
124 4七歩打
125 同 金(48)
126 4六歩打
127 4八金(47)
128 2五桂打
129 4四香打
130 4七歩成(46)
131 4二香成(44)
132 同 玉(41)
133 4七金(38)
134 3七桂成(25)
135 同 桂(29)
136 4六歩打
137 2三桂打
138 4八飛成(88)
139 同 金(47)
140 同 龍(59)
141 3八金打
142 同 龍(48)
143 同 玉(28)
144 4七金打
145 2九玉(38)
146 3八金打
147 1八玉(29)
148 1七香打
149 投了
まで148手で後手の勝ち