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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181027

2018-10-27 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


仕掛けを回避します。
A 62銀 B 45歩 C 35歩

第2問


勝負に辛い手です。
A 29飛 B 15歩 36成香

第3問


こんな手がありました。
A 37桂不成 B 17歩成 C 47飛

第4問


筋よく自然に寄せていきます。
A 65歩 B 95歩 C 59成桂

第5問


これで詰めろです。
A 95歩 B 46馬 C 77香

大山将棋研究(1051);四間飛車に右四間飛車(宮坂幸雄)

2018-10-27 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181027
平成3年1月、宮坂幸雄先生と第39期王座戦です。

大山先生の四間飛車に宮坂先生は腰掛銀。

25歩を突いているのですが、右四間飛車になりました。

大山先生は32金~35歩~62銀で仕掛けを封じます。

宮坂先生は天守閣美濃から

銀冠へ。大山先生は木村美濃に移行しています。

これは後手が32金の形でなければ先手十分の仕掛けになることが多いのですが、

金で受けられるので何とも言えません。

31角に52飛は22歩があります。

宮坂先生が馬を作れば大山先生も角を打ち込んで、桂か香を取れる形です。

宮坂先生は桂を使い

香を取られても

45桂と跳ねれたらまあまあか。大山先生も桂を使います。

宮坂先生は飛車の捕獲をねらいます。

大山先生は飛を端にかわして手を稼ぎ、35香~37香成で飛馬をいじめます。

飛車を捕獲できました。宮坂先生としては25飛同歩24歩とか33桂成とか、後手の飛車を取りに行けばまだまだなのですが

飛車を捨てて33と~32と引というのは筋が良さそうでも

後手の飛車を捕獲しきれませんでした。これで後手よしです。

と金成香を使い合い

清算して37桂不成というのが馬「と金」の両取り。

宮坂先生は馬も捨てて銀を取りましたが

かなりの駒損です。それでも先手玉は堅いので、うまく攻められれば良いのですが。

19馬の利きもあるので攻めるにも手数がかかります。

大山先生の寄せは成桂を使い

金をはがして馬を引きます。これが詰めろでした。

投了図。

宮坂先生は堅い玉なので攻めるだけだったのですが、何かの誤算で後手の飛車を取り切れませんでした。大山先生は筋悪く駒を取りに行くのが間に合ってしまいました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/01/22
手合割:平手  
先手:宮坂幸雄8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 4六歩(47)
14 4三銀(32)
15 4七銀(48)
16 5四銀(43)
17 5六銀(47)
18 3三角(22)
19 2五歩(26)
20 3二金(41)
21 4八飛(28)
22 3五歩(34)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 8六歩(87)
26 6二銀(71)
27 8七玉(78)
28 7四歩(73)
29 7八銀(79)
30 6四歩(63)
31 9八玉(87)
32 6三銀(62)
33 8七銀(78)
34 8二玉(72)
35 7八金(69)
36 7二金(61)
37 6八金(58)
38 1四歩(13)
39 1六歩(17)
40 8四歩(83)
41 3六歩(37)
42 同 歩(35)
43 3八飛(48)
44 4五歩(44)
45 3三角成(88)
46 同 金(32)
47 3六飛(38)
48 3四歩打
49 2四歩(25)
50 同 歩(23)
51 3一角打
52 3二飛(42)
53 5三角成(31)
54 2八角打
55 2二歩打
56 1三桂(21)
57 3七桂(29)
58 5二歩打
59 1七馬(53)
60 1九角成(28)
61 4五桂(37)
62 4三金(33)
63 2一歩成(22)
64 2五桂(13)
65 3三歩打
66 4二飛(32)
67 3一と(21)
68 1二飛(42)
69 2七馬(17)
70 3五香打
71 2六飛(36)
72 3七香成(35)
73 4九馬(27)
74 4四金(43)
75 3二歩成(33)
76 3五金(44)
77 3三と(32)
78 2六金(35)
79 3二と(31)
80 1五歩(14)
81 2二と(32)
82 1四飛(12)
83 3四と(33)
84 3六成香(37)
85 2三と(22)
86 1六歩(15)
87 2四と(23)
88 1五飛(14)
89 4四と(34)
90 4六成香(36)
91 3四と(24)
92 4五銀(54)
93 同 と(44)
94 5六成香(46)
95 同 歩(57)
96 3七桂(25)
97 5四と(45)
98 4九桂成(37)
99 6三と(54)
100 同 金(72)
101 4四と(34)
102 4八飛打
103 5五銀打
104 5三歩(52)
105 6六香打
106 5九成桂(49)
107 4六歩打
108 5八成桂(59)
109 7七金(68)
110 6八成桂(58)
111 6四香(66)
112 7八成桂(68)
113 同 金(77)
114 6四金(63)
115 同 銀(55)
116 4六馬(19)
117 6三銀成(64)
118 7八飛成(48)
119 同 銀(87)
120 8八金打
121 投了
まで120手で後手の勝ち



20181027今日の一手(その775);駒を渡さない詰めろ

2018-10-27 | 今日の一手

20181027今日の一手

7月14日の名南将棋大会から、AさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の金歩得ですが後手に持ち歩があるので金得、竜もありますし先手の駒得です。ただし終盤なので評価は下げます。
玉の堅さは(相手の駒を考慮しないで)同程度。
先手の攻め駒は55竜71銀82銀と持ち駒角で4枚。
後手の攻め駒は49飛79銀と持ち駒角桂で4枚。

総合すれば先手が指せるかどうか。

寄せ合いになっているので何手で詰めろか数えてみると
後手玉は1手で詰めろがかかる(後で書きます)ので2手すき。
先手玉も1手で詰めろがかかる(59飛成とか)ので2手すき。
先手番ですから先手有利です。

☆ 大局観として
後手玉は即詰みの筋がなくて、先手玉は即詰みの筋がありそうで、という状況です。1手勝ちだろうというところなのですが、実戦的には難しいです。前回の問題と似ているのですが、先手玉は駒を渡すと詰まされそうなのです。71金か82金で銀を取られたら、状況によって先手玉が詰んでしまうかも。銀を取られる手が詰めろ逃れの詰めろにならないように気をつけねばなりません。


× 実戦は38角で

飛車取りの詰めろ、ではなくて後手玉は74角同歩84銀92玉が詰みません。それでも攻防の利かしにも見えたのでしょう。しかし68銀成同玉48飛成

角を取られて逆転負けです。


○ 61角が一番まぎれが少ない手です。

これならばどちらの銀も取られませんね。後手は部分的には受けがないです。59飛成など詰めろをかけられたら72角成同玉52竜83玉93銀成

で詰みます。

ということは68銀成から

先手玉を追いますが、68同玉59角78玉79金

79同玉37角成69銀55馬

竜を抜く手があります。でも金をもらったので72角成同玉81銀不成83玉72銀不成

84玉83金同銀同銀成同玉82金

銀桂があるのでぴったり詰んでいます。

詰み筋が見えなければ79金には88玉

89金にも97玉とかわせば詰まない(79同玉と取るのも68玉で連続王手もあるが)ので、こちらのほうが簡明です。


× 52竜も詰めろです。

違いは71金と取られる手があることで、71同銀不成に68銀成同玉79銀78玉69飛成77玉88角

86玉に85歩を打てるから詰まされます。
これは52竜が詰めろ、71金(銀を取った)が詰めろ逃れの詰めろになるという前回と同じパターンなのでした。

71金が詰めろならば58金引

などと守らねばなりません。82金59歩88銀打75歩

銀2枚を取られても銀を取り返せばまだ絶望ではありませんが、後手有利でしょう。46飛成とか84桂とかがあります。


○ 81銀成は

銀2枚を取られる状況を避けました。71金同成銀に同じ手順で68銀成同玉79銀78玉69飛成77玉88角86玉

今度は竜の利きがあるので85歩は大丈夫です。55角成がありますが72角

93玉83金同銀85桂と追えば後手玉が詰んでいます。後手の55角成は詰めろ逃れの詰めろになっていませんでした。

とすれば後手は68銀成同玉59角

でどうか。78玉79金88玉(今度は79同玉は77角成~78銀で詰む)89金97玉

銀を渡してもこの筋は詰みません。

では銀を取らずに68銀成同玉89飛成

はどうでしょうか。先手玉は詰めろです。しかし銀をもらったので84銀同玉85金

84同玉には66角がぴったり。83玉には82銀成同金74金同歩82成銀同玉73銀

清算して銀を捨てれば85桂で詰みます。(こんな詰み筋は読み切れませんが。)

後手は銀を渡せないとすると(詰めろではありませんが)88角か。でも61角

が詰めろなので先手の勝ちです。


△ 受けるとすれば58金引

84桂75金88角66角

というのが進行例で難しい戦いです。


△か× 59歩は受けの手筋ですが

59同飛成に58金引というわけにはいきません。68銀成同金55竜がありますね。58金寄

ならば金をかわしたので少し指せるかも。

後手は68銀成

金をはがす方が良いです。68同玉48飛成に58金は46角がある

ので後手のペースです。


× 単に58金寄では88角

で受けにくくなります。


☆ まとめ
詰めろをかけるならば駒を渡さない詰めろのほうが良いですね。

61角がぴったりした手でした。72金をピンしてしまえば銀を取られません。詰めろになるというのも少し考えればわかりそうです。

52竜も詰めろですが、銀1枚渡す上に攻防に働いていた竜の筋がずれるのでした。これが落とし穴です。

81銀成は詰めろではないのですが、71金同成銀の形が後手玉を詰ましやすいので、先手の勝ち筋になりました。(でも難しい手です。)