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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180518

2018-05-18 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


43の銀を32に引いたら35歩でした。当然この一手。
A 35同歩 B 45歩 C 43銀

第2問


54金が普通ですが、大山先生ならこう指しそうです。
A 34金 B 44銀 C 12角

第3問


まずは一本筋です。
A 75歩 B 45歩 C 24歩

第4問


攻防の一手がありました。(どれもありそうです。)
A 74桂 B 84飛 C 56飛

第5問


75銀は前田先生のポカで、これで投了になってしまいました。
A 55歩 B 39馬 C 85飛

大山将棋研究(888);四間飛車に右46銀急戦(前田祐司)

2018-05-18 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180518
昭和62年2月、前田祐司先生と第35期王座戦です。

大山先生の四間飛車に前田先生は天守閣美濃で

右46銀の急戦です。

32銀には37桂から少しゆっくりした急戦(16歩~26飛~35歩)になるか、66歩から持久戦にするか、というのが普通なのですが、前田先生は構わず35歩から仕掛けました。

当然45歩の反発をくらい1歩損というのは、居飛車が舟囲いの場合は無理だとされています。天守閣美濃でも無理な感じはするのですが55角から攻めていきます。

大山先生らしい43金(普通は63金24歩同歩33角成同桂24飛)に37桂と跳ねれば結構手が続きそうです。54金33角成同桂24飛でどうか、というのが普通でしょうが

大山先生は12角。またも定跡外しという感じです。(定跡書で見たことがないですが、研究されていると思ったのでしょう。)

前田先生も角を打たれてはさすがに大決戦にはなりません。角を追われ、玉頭にプレッシャーをかけられました。

銀を使って攻めますが、角を使われ

2筋でポイントを上げましたが、馬を作られました。

桂交換から

竜を作れば形勢は互角です。だけど玉の小びんに手を付けられるのは嫌な感じでしょう。

47歩で馬筋を止めたら8筋も。

35竜が馬取りで入るので、75竜から受けるのではないかという気がしましたが、23歩で攻め合いにしました。23同銀には25竜か。大山先生は8筋を取り込んで

65金と使えばかなりの迫力です。前田先生は65金を食いちぎって

銀を取れば二枚換えです。この図に自信があったということなのでしょう。

大山先生は84飛の王手が攻防で、先手玉はかなり危険です。

59まで追って54歩。角が死んでいますね。でも85歩はあるか。角は助かってこれからというところなのですが

75銀と応じて39馬。これで投了、いきなり終わってしまいました。39馬ではなく55歩84銀のほうが、85歩55歩84歩の図よりも得だと早合点してしまったのでしょう。この図は84銀55歩が詰めろ銀取りになっていて、受けにくいです。84銀と取れば詰めろですが、84同馬が詰めろ逃れの詰めろで角取りです。(75金39馬ならば57銀打の粘りもあったが。)57銀は同馬同金48銀58玉55歩が詰めろ。56金同歩48玉に57角~75角成というところでしょうか。

天守閣美濃で急戦になる将棋はいくつか指されたのですが、居飛車の玉が不安定ですから楽に勝てません。藤井システム71玉84歩の形で迎撃されるとほぼうまくいかないのでほぼ消えてしまいました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:前田祐司7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 8六歩(87)
18 7二銀(71)
19 8七玉(78)
20 4三銀(32)
21 7八銀(79)
22 5二金(41)
23 5七銀(48)
24 6四歩(63)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 3六歩(37)
28 7四歩(73)
29 4六銀(57)
30 3二銀(43)
31 3五歩(36)
32 4五歩(44)
33 3三角成(88)
34 同 銀(32)
35 5七銀(46)
36 3五歩(34)
37 5五角打
38 4三金(52)
39 2四歩(25)
40 同 歩(23)
41 3七桂(29)
42 1二角打
43 2六飛(28)
44 5四金(43)
45 8八角(55)
46 8四歩(83)
47 4六歩(47)
48 同 歩(45)
49 同 銀(57)
50 5六角(12)
51 3四歩打
52 2二銀(33)
53 2四飛(26)
54 2三歩打
55 2六飛(24)
56 3八角成(56)
57 2五桂(37)
58 4四歩打
59 3三歩成(34)
60 同 桂(21)
61 同 桂成(25)
62 同 銀(22)
63 2三飛成(26)
64 2二銀(33)
65 2五龍(23)
66 7五歩(74)
67 4七歩打
68 8五歩(84)
69 3五龍(25)
70 2八馬(38)
71 2三歩打
72 8六歩(85)
73 同 玉(87)
74 6五金(54)
75 同 龍(35)
76 同 歩(64)
77 5五角(88)
78 7三桂(81)
79 2二歩成(23)
80 8四飛打
81 7七玉(86)
82 7六歩(75)
83 6八玉(77)
84 5六桂打
85 5九玉(68)
86 5四歩(53)
87 7五銀打
88 3九馬(28)
89 投了
まで88手で後手の勝ち


20180518今日の一手(その694);振り飛車のタイプ

2018-05-18 | 今日の一手

20180518今日の一手

2月18日の名南将棋大会から、OさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88飛1枚。
後手の攻め駒は53角1枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として

後手のミレニアムはほとんど姿を消してしまいましたが、後手のHさんは愛用しています。消えた原因はやはり33桂と跳ねている分だけ穴熊よりも堅くないということなのです。振り飛車としては高美濃から穴熊に組み替えるというのが有力です。
問題図では右桂を跳ねてしまったので穴熊にはなりません。向い飛車にして8筋の歩を交換したのですが、角を44から引かれて、87歩を打ちなさい、と言われたところです。(26歩のエサには食いついてもらえませんでした。)
後手からは26角と86歩の2つの狙いがあります。どちらを受けるべきでしょうか。あるいは両方受けないのもあるのかなあ?という局面です。後手の攻め駒は82飛を加えても2枚までなのでつぶれることはないはずですが、作戦負けにならない対応を考えたいです。


○ 一番おとなしいのは87歩で

26角56歩53角55歩同歩65歩

44歩55角43金77角54歩56銀

1歩損ですが持ち歩がありますし、左銀が良い位置に移動できました。これならまあまあです。


△ 実戦は27銀で

86歩に59角87歩成

と金を作られたら劣勢です。飛車先を破られて代償もありませんからこのまま負けてしまいました。

86歩には78銀で

耐えています。後手から速い手もなさそうで、銀冠にしてから87歩

と合わせ

86歩を打って78銀~67銀とすればこれからの将棋です。ただ後手が歩損せずに8筋を突き捨てた形なのですから、面白くはありません。


× 27玉とすれば

離れ駒を作らないのですが、86歩78銀24歩

いつでも25歩をみせられて少しつらいです。


× 97桂は頑張った手ですが

86歩には85歩

95歩同歩同香86角

86同角同飛97香成同香55桂

金を取って77角があります。後手有利でしょう。


○ 反撃は75歩が筋で

振り飛車党ならどこかで見たことがあるでしょう。76銀~85銀の狙いです。
75角76銀53角85銀

86歩83歩同飛84歩82飛86角

角交換はまあまあです。26角77角53角76銀86歩

86同角84飛85歩

82飛なら53角成同金71角52飛84歩ですから、86角84歩87歩同飛68角成

こんな感じの攻防で互角です。ミレニアムが堅いようでも35歩同歩34歩とか、桂を手に入れて26桂~34桂とかがあるので、手が付けば早いです。


× 両方受けないのならば65歩とか

あるいは56歩とかなのですが、86歩78銀26角

86角(飛車ではいけない、1歩取られているので87歩と合わせるのも作戦負け)53角77銀

86角同銀79角87飛68角成

飛車交換では自信がなく、飛車の間に角や銀が挟まれるのでは悪くなります。


× 目につく攻めは45桂ですが

45同桂同歩55桂

これは見えるでしょう。桂交換はやりたくないです。


× 35歩は破れかぶれという感じで

35同歩34歩は理想ですが、86歩78銀35角

では失敗です。歩を取られて87歩ではつまらないですし、86角では悪いというのは前の変化と同じです。

先手のねらいとしては(後手が86歩と伸ばさないで)35同角に75歩26角76銀

と8筋の逆襲だったのですが、これでも玉頭の歩を2つ失って8筋を何とか破るくらいでは心もとないです。



☆ まとめ

まだ序盤の終わりくらいですから、たいていは無理なことを考えない方が良いです。
無理をしない87歩で、26歩を取られても手得だから中央から動いてまあまあ、というのはさばきの振り飛車らしい考え方でしょう。
27銀86歩78銀、歩損を回避して立て直すこともできました。これは受けを苦にしない棋風ならば。

強気で行くならば75歩から8筋の攻防です。基本的には先手だけ左銀を使えるので優位に立てるはずですが、失敗すると玉の堅さが違うので劣勢になります。攻める振り飛車が好きならばこれを選びます。

振り飛車党にもいろいろなタイプがあって
さばく振り飛車
自分から攻める振り飛車
カウンターで攻める振り飛車
受ける振り飛車
など自分の得意なものがあるでしょう。だけど戦型の選択権が居飛車にあるのが普通で、その戦型によってどれかの型を強いられることが多いです。1つだけできても勝ち続けられないのです。そういう意味で難しい戦法だなあと思います。