名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171127

2017-11-27 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


駒得したので受けに回ります。
A 63銀 B 73銀打 C 44銀

第2問


ここも受けます。
A 42飛 B 51飛 C 43歩

第3問


単に受けるだけでなく攻めも必要です。
A 85歩 B 55歩 C 44歩

第4問


チャンスがやってきました。
A 76歩 B 59角成 C 65金

第5問


勝ちを読み切りましょう。
A 59飛成 B 76竜 C 71玉
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大山将棋研究(716);中飛車に左美濃(板谷進)

2017-11-27 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171127
昭和58年4月、板谷進先生と第31期王座戦です。

大山先生の中飛車で、板谷先生は穴熊か左美濃か。大山先生の53銀は64銀から55歩を見ています。

板谷先生は66歩を突いたので、67金の穴熊では薄いと左美濃に。

大山先生は積極的です。桂を跳ねて65歩を突いて(ここで86歩なら穏やかになったかも)

85桂で好調です。

45歩が気持ちよく

銀を取れます。

守りの桂で銀を取るのでは大きな得でもないのですが、銀を投入して受けに回ります。

53角成を受けて飛車を引き

桂を打たれて竜を作られたものの

中央から反撃です。46竜45歩同銀55銀52歩同飛53歩という戦いは難しそうでしたが

52歩からの飛の取り合いは金を手順に寄れるので大山先生のほうが良いでしょう。

ここでどう受けるかなのですが、64歩が普通で、74歩65歩73歩成同銀くらいか。29飛成は怖いけれど寄せ合いです。大山先生は83銀と受けたのですが

飛車を打ち込まれてかなり危険です。

飛車を切られて74歩が入り

63歩同金55桂の両取りに74金では危ないです。74銀ならまだ受けがあったのですが

これなら寄せられているでしょう。でも74銀成同銀64角から迫ると先手玉も危ないから難しいんですね。

板谷先生は67歩と受けたのですが、59角成があるのなら68歩と受けるほうが良かったです。

角を取られて、86同歩は同飛成76歩48角57歩65金、以下詰まないようですが後手玉が安全になります。

板谷先生は決めるだけ決めて馬を取りました。

合駒を取られての詰みです。

88玉の形の左美濃は33角の筋に入るのでかなり怖いです。中飛車相手ならばまだ受けが利くのですが、指したい戦法ではないですよね。私も良く(はないけれど)つぶされました。
本譜竜を作ったところまではかなり難しいと思います。飛と竜の取り合いで大山先生が良くなったけれど、受け方を間違えて怪しくなり、最後に板谷先生にミスが出て終わりました。
終盤まで面白い将棋です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:板谷進8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 5四歩(53)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 7七角(88)
20 7二銀(71)
21 8八玉(78)
22 5三銀(42)
23 6六歩(67)
24 6四歩(63)
25 7八銀(79)
26 7四歩(73)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 3六歩(37)
30 7三桂(81)
31 6七金(58)
32 6五歩(64)
33 3五歩(36)
34 同 歩(34)
35 3八飛(28)
36 6六歩(65)
37 同 銀(57)
38 6五歩打
39 5七銀(66)
40 8五桂(73)
41 8六角(77)
42 4五歩(44)
43 7七桂(89)
44 同 桂成(85)
45 同 銀(78)
46 8五桂打
47 3五飛(38)
48 8四歩(83)
49 7八金(69)
50 7七桂成(85)
51 同 金(67)
52 7三銀打
53 3四歩打
54 4四角(33)
55 4五飛(35)
56 5一飛(52)
57 3六桂打
58 2六角(44)
59 6七金(77)
60 5五歩(54)
61 4三飛成(45)
62 5六歩(55)
63 同 銀(57)
64 5四銀(53)
65 5二歩打
66 4三銀(54)
67 5一歩成(52)
68 同 金(41)
69 7五歩(76)
70 6六歩(65)
71 同 金(67)
72 6九飛打
73 6五金(66)
74 8三銀(72)
75 6三飛打
76 5二金(61)
77 7三飛成(63)
78 同 玉(82)
79 7四歩(75)
80 6二玉(73)
81 6三歩打
82 同 金(52)
83 5五桂打
84 8九飛打
85 7七玉(88)
86 7四金(63)
87 6三銀打
88 7三玉(62)
89 6七歩打
90 5九角成(26)
91 6六玉(77)
92 8六馬(59)
93 7四金(65)
94 同 銀(83)
95 同 銀成(63)
96 同 玉(73)
97 6五銀(56)
98 8三玉(74)
99 7四銀打
100 9二玉(83)
101 8三金打
102 8一玉(92)
103 8六歩(87)
104 同 飛成(89)
105 7六歩打
106 7五角打
107 5六玉(66)
108 7六龍(86)
109 同 銀(65)
110 5九飛成(69)
111 4五玉(56)
112 5六銀打
113 3五玉(45)
114 5三角(75)
115 投了
まで114手で後手の勝ち


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20171127今日の一手(その608);振り飛車のさばき

2017-11-27 | 今日の一手

20171127今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、KさんとFさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
この将棋は先手三間飛車で腰掛銀

という珍しい組み合わせでした。後手の65歩急戦には腰掛銀から玉頭銀というのが有力な対抗策です。
ここから向い飛車に転じて飛車をぶつけたら

かなり乱暴な指し方ですが、85歩を打ってもらえるなら十分です。後手は歩を打たずに86同飛同角87飛で有利でしたが。
さて無理を聞いてもらい、玉頭銀を進出して端攻めから

後手の86歩の突き出しに93歩成も利かせた

というのが問題図です。かなりやりたい放題の展開ですね。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、と金を作っている分だけ先手の駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は34銀93とで2枚。77角88飛99香は(全部は無理ですが)使えそうです。
後手の攻め駒は22角1枚。84飛は使えそうです。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
3つの要素を少しずつですが上回っています。攻め駒を増やすことを念頭に、飛角をさばいていければ優勢になるでしょう。
後手からは87歩成が狙いです。成らせてさばくか、成らせないか、という選択です。


△ 利かしとしては53歩同金

を入れるかどうか。まだ持ち歩があるので、多分損にはならないです。先に利かせるほうが良い変化もあるでしょう。


× 86飛が一番強い手です。

86同飛同角87飛

でも角金桂取りで飛車を打たれてしまいます。ここではどれを取られるのも思わしくないので、「両取り逃げるべからず」で83と86飛成73と99香成63と同銀

これでも大きな駒損ではないので戦えます。形勢は悪くないですが、他の変化に比べて劣ります。


○ 86角なら

ちょっと嫌な形なのですが、65桂に67金としておけば後手から厳しい手は少ないです。55角くらい。

46角~36歩とか79角成の狙いです。47銀では離れ駒が多いので、85歩同飛77桂

桂馬をさばいたらどうか。77同桂成同角88飛成同角87飛77角85桂88歩

77桂成か77飛成で駒損になります。飛車をぶつける筋はうまくいかないようです。

であれば83と

と金を捨てて香車を取っておきます。83同飛91香成46角26香

香を持つとここに打てるのが玉頭銀を生かす指し方です。後手の角が22にあったらかなり厳しかったのですが、こういう時は24歩同香22歩というのが受けの手筋です。そこで65歩

これで22香成から77角の王手飛車の筋を狙えます。79角成は怖くないわけで、手順に桂香を得したのですから、先手有利が広がっています。


○ 65歩というのが振り飛車の常套手段です。

77角成同桂87歩成に66角

86飛11角成88と55歩

飛車を取られても香銀と取れますから(後手玉がさらに薄いのに注目で)先手優勢です。

後手は44角と合わせて馬を消すと

44同馬同歩64歩同銀97角

(これが見えなければ64歩と取り込まないで95角でも良いです。)これも先手優勢です。


○ 実戦は83と

83同飛91香成の駒得です。87歩成に84歩同飛95角

と切り返しで出れば、85飛73角成88と26香

二枚換えで攻められますから十分でした。

実戦は95角を逃して85歩同飛86歩77と

ここで飛車を取り合って(85歩88と)26香

ならばまだ先手が有利でした。

実戦では77同桂と二度目の疑問手で、95飛に26香

では飛車がさばけていません。攻め駒不足で逆転、押し切られました。


○ 92歩だと

香を取るのが1手遅れます。でも87歩成95角85飛に58飛

で78と には86歩を打てるので、案外に悪くありません。後手が攻めあぐねている形です。


○ 単に58飛だと

87歩成95角85飛92歩なら前の図に合流します。(先手有利)
後手は85飛を先にしたらどうか。83と

と対抗します。87歩成73と77と同桂87飛成91香成77竜63と同銀

全部取り合うとこの図です。ほぼ角と銀香の交換で2枚換えです。
攻め駒が多いので53歩同金45桂44金33香

と攻めていけるから、先手が十分に指せます。



☆ まとめ

先日にもやりましたが、振り飛車が向い飛車にして86歩同歩同飛とぶつける筋は、85歩と謝ってもらえるなら振り飛車の得になることが多いです。そこから手がなくて87歩と謝るとか、問題図のように後で居飛車から86歩と突きだされてまずかった(この場合はまずくなかったです)、ということになると話は別なのですが。
でも86同飛同角で角が浮いてしまい、その角でなにか(金銀とか)を取る筋が無ければ無謀です。居飛車党としては少し自玉が薄くても取ってしまえばよいことのほうが多いでしょう。振り飛車党は交換で飛車を打たれた時の対策がなければいけません。

問題図では無理(疑問手)をやったのに相手にとがめられなかった、とすれば疑問手が好手に替っています。さらには玉頭銀が大きいので先手有利の局面でした。

65歩から角をさばき、飛車を捨てることになっても優勢です。
86飛は前述の理由でうまくいきません。
86角はかなり不安な形ですが、この場合は何とかなっていました。

それ以外には
92歩~58飛と飛を逃げておいても(角は95角で逃げます)先手が有利でした。それまでの貯金があったからです。58飛が先でも良いようです。
実戦の83と同飛91香成でも、飛車を捨てて26香を打てれば有利です。

対抗型で居飛車急戦の場合には、振り飛車は駒を捨ててもさばいて指せる、ということが出てきます。飛車を捨てても角をさばければ、さらに左桂をさばければ、ということは多いです。
背景には振り飛車の美濃囲いが堅いから、という貯金があるためです。ここでは美濃囲いが乱れていますが、玉頭銀が大きな存在でした。

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